月別アーカイブ: 2008年9月

怪物の王様


 モンスターキング・スピナーベイトってご存じですか? かつてダイリツが世に送り出した歴史に名を残すオリジナルのスピナーベイトです。当時としてはかなり斬新なフィッシュ形状の後方重心ヘッドは、その後、多くのメーカーが採用することとなりました。
 ヘッドはホイルフィニッシュで、スカートは少なめでティンセルをコンボしてハンドタイイングし、赤いエラを模したモールをタイイング部に巻いてあり、かなり凝った作りでした。そして、このスピナーベイトは当時本当によく釣れました。ただ、ティンセルが使っているうちにチリチリにカールしてしまうのが難点でしたが・・・。また、”モンスター・キング”というなんともチープな名前が当時のボク的にはイマイチに思ったものでした。
 そんな隠れた名品スピナーベイトが、実はアメリカで生き続けています。ダイリツとはまったく関係のないロッドストレイナー社(かつてティムコが代理店として扱っていましたね)から、名前もまんま、ヘッド形状も当時のダイリツのオリジナルヘッドをそのまま型取ったクリソツで販売されているのです。スカートやティンセル、モールまで同じですが、ロッドストレイナー社のものは、ペイントがよりチープな作りで、メイド・イン・チャイナではありません。ただし、フックは本気のがまかつ仕様です。どういうきっかけで、名前まで同じでモンスターキングがアメリカにあるのかは不明です。実はモンスターキングという名前はアメリカ人にとっては、かなりイケてるセンスだったんでしょうか? いずれにしても謎多き名品です。

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生き餌を超えたアライブ感


Imgp7072  レイク・シャスタ戦に備えて大量に用意したアライブシャッドの3インチと4インチは完全に用なしになってしまいました。こうなったらフィッシュオフを勝ち抜いて、来年夏のフォレストウッドカップのピッツバーグで使うしかなさそうです。
 このアライブシャッドも日本で一世風靡しましたね。実際、これに勝るフィネス系ドロップショットワームはないとボクは信じてます。当時は矢口釣具店のオリジナルでしたが、今はアメリカで普通に買えるようになりました。
 当時に比べるとロボのカラーバリエーションは非常に豊富で、水中では本物のベイトにしか見えないようなリアルなカラーが揃っています。特にボクのお気に入りがプリズムシャッド(写真上)とベイビーブルーギル(写真下)です。写真ではうまく撮れませんでしたが、パールマイカがボディーに薄く入っていて、角度によって妖しく光ります。それが何とも言えないリアル感です。

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手作りの味わい


 デイブの家のガレージを漁っていると、いろいろ面白いものが出てきます。ここカリフォルニアはハンドポアードワームの本場だけにいろいろなハンドポアードワームがあります。今ではなくなってしまったメーカーもある一方、次々と新しいメーカーも登場しています。
 そもそもハンドポアードワームメーカーは少ない資金でガレージさえあれば誰でも簡単にすぐ始められます。もちろん、最初は練習も要りますが、一般のアングラーでも自分のワームを自分でハンドポアして作る人がたくさんいるぐらい一般的なんです。
 ハンドポアードワームも日本ではカリフォルニアワームのパドルテールグラブが大人気となりましたが、その後廃れてしまいました。今ではアメリカでもカリフォルニアワーム社はありません。今では日本で見かけるワームといえばロボワームぐらいでしょうか。
 ただ、ロボワームは厳密にはハンドポアードワームとは言えません。機械が流すのでマシーンポアードとなります。日本でもたこ焼きや卵焼きが全自動で機械が作られるのを見たことがありますが、同じようなものですね。
 ロボワームはすばらしいワームですが、ハンドポアードワームにも流し手のクセというかこだわりというか、手作りの素朴な味があっていいものです。

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コロンビアリバー戦 3日目結果報告


 3日目のパートナーはジョン・ストレリックでした。USオープンで一度彼を引いたことがあり、一緒になるのはこれで2度目です。サンディエゴのアングラーで、家にも一度遊びに行ったことがあり、以前からよく知っています。今回もレジストレーションで、「一緒になりそうだな」なんて言っていたので、「オレの言った通りだろ!」といった感じで、すごく盛り上がっていい感じでした。
 ジョンの戦略はマクナリーダムを下るプランです。ただし、この日はフライトが早く、3日間で最も釣りをする時間が短いので、下流で揃わないとほとんど釣りをする時間が残っていません。ジョンは初日、2日目ともリミットメイクはしていますが、平凡なウェイトに終わっています。ジョンのレンジャーは2日目にブレイクダウンして、この日はレンジャーボートのレップのZ520を借りての釣りとなります。借り物のボートなので、ジョンがプラクティスで見つけたGPSスポットはすべてありません。代わりにサテライトラジオが乗っているので、試合中ずっとカントリーミュージックを聴かされながらの釣りとなりました。これでかなりリズムが狂いました。
 朝イチは途中の沖のハンプを攻めるも、まったくのノーバイト。その後無事にゲートに到着し、さらに30分近く下流に下りました。GPSを見なくても入れるグラスが広がるシャローフラットにやってきました。岩のあるところだけが、ポケットのようになってグラスが生えていません。いい感じのエリアですが、グラスがほぼ垂直に立っておりカレントがまったく効いていないのがうかがえます。プラクティスはバイブレーションとスイートビーバーのジグヘッドでいい感触だったらしく、カレントさえあれば、2ポンド以上で揃うということでした。
 それでもなんとかジョンはLV500とスイートビーバー(ブラッディーマリー)でキーパーを4匹キャッチし、ボクもベイビーブラッシュホッグとラトリンバイブで4匹のキーパーをキャッチすることができました。ただ、そこでタイムアップで、ゲートに向かい、上流域に戻ってきました。上流にしばらく走り、残り30分を最後のポイントで粘ることにしました。ジョンはドロップショットにガルプミノー、ボクはベイビーブラッシュホッグのキャロで攻め、先にジョンが5匹目のキーパーをキャッチしました。ジョンがリミットメイクをしたことで、ジョンはいつでもマリーナに向かえる体制になったので、残された時間はあまりありません。焦ったボクはよりテンポ良く探れるフットボールジグ(1/2オンス)+スモーリービーバーで広範囲に探ると、いきなりバイトがありました。2度のフッキングミスの後、なんとかフッキングに成功し、5匹目のキーパーをキャッチし、慌ててマリーナに向かいました。きっちり25分走って、ギリギリ2分前の帰着でした。
 結果はジョンが5匹(6ポンド2オンス)、ボクが5匹(5ポンド12オンス)でした。ボクは最終成績が最低賞金圏まで2オンス足りない45位でのフィニッシュとなりました。結果は残念でしたが、2日目、3日目は連れて行ってもらったエリアでベストを尽くせたので、楽しい試合でした。

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懐かしのジッパー


Imgp7047  友人、デイブの家のガレージで懐かしのジッパーワームのストックボックスを発見しました。かつて多くのメーカーからコピー商品が出回るほどの大ブームとなって、デルタではネコも杓子もジッパーのテキサスでフリップするのが定番という時代がありましたが、今では使っている人を本当に見かけなくなってしまいました。アメリカでは定番となると息が長いものですが、これほど一気に人気がなくなるのも珍しいですね。今でもアメリカでは廃盤になったわけではありませんが、日本では売っているのを探すのも困難でしょう。今でも使えば釣れると思いますが・・・。
Imgp7052  人気が廃れた理由には今やデルタの2大人気フリップベイトとなったセンコーとスイートビーバーの存在があると思います。ライトに攻めるならセンコーのノーシンカーで攻め、より濃いカバーを打つならビーバーを使うというのが今やデルタの定番です。ジッパーが活躍するような条件ではむしろジグやドロップショット(日本のヘビダン)を使う人が圧倒的に多いです。ただ、久しぶりにジッパーを見ていると、何かをボクに訴えているようで、今度のデルタの試合で使ってみたくなってなりました。

ザラザラとツルツル


 コロンビアリバーといえば、10年以上前からズームのリザードのグリーンパンプキンのキャロライナリグが定番中の定番です。別に川の中にうじゃうじゃとイモリがいるわけではなくても、不思議とよく釣れます。カラーもラメが入っていない普通のグリパンがベストです。
 ただ、あまのじゃくなボクは、みんなと同じルアーを使うのが嫌いです。そこで、メインに使ったのがベイビーブラッシュホッグでした。といってもカラーは迷うことなくグリパンです。実は10年前の試合のあと、いつか必ずまたここで試合があるであろうと思い、コツコツと集めて用意していたのが旧型のベイビーブラッシュホッグでした。ついにこれを使うときが来たというわけです。
 今回の試合は不甲斐ない成績でしたが、そんな中でも活躍したのがベイビーブラッシュホッグのキャロライナリグでした。バラシもたくさんあって、惜しい試合でしたが、面白い体験をしました。旧型のベイビーブラッシュホッグを使うとアタリがあるのに、新型のベイビーブラッシュホッグに換えると極端にアタリが減るのです。最初のうちは偶然かな、なんて思ったのですが、ノンキーが入れ食うポイントで旧型を消費するのがもったいないので、新型に換えるとアタリが止まり、旧型に戻した途端にまたアタリが出たのです。これには正直ビックリしました。もちろん、新型でも釣れましたが、キーパーはすべて旧型で釣れました。
 旧型(写真上)と新型(写真下)を比べると、旧型の方が全体的に少し小さく見えます。さらに旧型は表面がザラザラ(砂型?)で新型は表面がツルツル(金型)して光沢があります。2本のカーリーテールは旧型の方が新型に比べ、若干細く薄くなっています。そのためか、キャロライナリグで使うと、旧型の方が細かくよく動いて、回転しにくいように思いました。それが釣果の差に出たのでしょうか? ただ、ボクはフォーミュラを使ったので、表面がザラザラの方がフォーミュラの乗りが良かっただけだったのかもしれませんが・・・。とにかく、予想以上に差が出たので、面白い体験でした。

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コロンビアリバー戦 2日目結果報告


 2日目のパートナーはマイケル・ルークでした。昨年のウェスタンシリーズ、デルタ戦のウィナーです。前回のレイク・ミード戦では、滞在していたモーテルが同じだったので、毎晩マイケルがみんなの夕食を作ってくれたので、それ以来の顔見知りです。
 マイケルは初日、ダム下流に下ることなく、岩のハンプまわりを丁寧にリザード(カラーはもちろんグリーンパンプキン)のキャロライナリグで釣り、12ポンド1オンスをウェイインしています。これは期待できそうです。
 マイケルは朝イチに目的のポイントへ向かったのですが、初日にザックとプラで行ったポイントで、ザックもいました。この日も無風のピーカンで、前日よりもさらにカレントがなく、ほとんど止まったような状態になっていました。そのためかバイトが遠く、思うようにキーパーがキャッチできません。それでもほぼ半日同じエリアを粘って、回遊で新しい群れが入ってくるのを待ちました。マイケルはキーパーを4匹キャッチし、ボクはキャロライナリグで1匹、その後ジグで1匹、ジグヘッドワッキーで2匹、ネコリグで1匹とキーパーをキャッチし、なんとかリミットメイクに成功しました。プラではカレントがきつくてライトリグでは流されて釣りづらかったのが、カレントが止まったおかげでライトリグにいい反応がありました。
 その後はいくつかのポイントをまわり、上流域でマイケルはリミットメイクに成功し、ボクも1匹の入れ替えもでき、帰着となりました。マイケルが5匹で7ポンド11オンス、ボクが5匹で7ポンド2オンスという結果でした。マイケルは最終日は2匹2ポンド9オンスしかウェイインできておらず、彼のポイントは1日分のポテンシャルしかなかったことになります。

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スピード規制も必要では?


 バスボートは年々大型化が目立ち、エンジンも250馬力が珍しくない状態となっています。ボートが大きい分、昔に比べると少々の波でも安定感はありますが、無風状態ではフルスロットルで走るので、スピードがどんどん速くなっています。そのためか、最近は試合のたびに事故が起こっており、いつか試合中に死人が出るのでは、と心配になります。
 先日のコロンビアリバー戦では初日にゲイブ・ボリバーのボートが事故を起こしました。マクナリーダムのゲートを通過後、我先にと次々と50艇以上のボートがポイントを目指し、かなり危険な状態でした。幸いボクの乗ったボートは目の前のマリーナに給油に向かったので、事故の現場には遭遇しませんでしたが、時速75マイル(時速約120km)で走行中に突然ゲイブのボートはコントロールができなくなって急スピンし、2人とも船外に投げ出されました。コアングラーはショックで気絶したそうですが、オートマチックのライフジャケットのおかげで溺れずにすみ、その後他のボートに救出され、2人とも病院に運ばれました。幸い2人に大きなケガはありませんでした。
 ゲイブのボートはプロップのブレードが1枚完全になくなっていて、ロワーユニットはもげて舵が完全に曲がった状態になっていたそうです。シャローの岩にヒットしたのか、それともプロップが金属疲労で吹き飛んで、その衝撃でロワーユニットが曲がってしまったのかは不明ですが、一つ間違えば、他のボートも巻き込む大事故にもなりかねない状態だったと思います。
 コアングラーはボーターに完全に命を預けている状態なので、ボーターはもう少し責任感を持った操船を心がけてほしいと思います。「1分でもでも早くポイントに着きたい、一番にポイントに入ってマイウォーターを主張したい」という気持ちは分かりますが、時速75マイルは正直速すぎます。ボクも体感しましたが、何かがあった際に冷静に対処できるスピードをはるかに超えていると思います。トーナメント団体もそろそろスピード規制を行う時機に来ているのではないかと思います。

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コロンビアリバー戦 初日結果報告


 初日のパートナーはポール・ホッジスというアリゾナ・フェニックス在住の陽気のおじさんでした。この日のフライトは最終フライト(4時20分帰着)ということで、釣りをする時間は3日間で一番長いことになります。
 ポールはやはりマクナリーダムを下るプランで、「キーパーが15匹釣れた凄いスポットに連れて行ってやる」ということでした。ダムのロックは下りが8時半で上りが13時集合になっていますので、実質釣りができる時間はそれほどありませんが、ボク自身は下流域の方がプラクティスでの感触が良かったので大賛成でした。仮に下流で揃わなかったとしても、帰着までに上流で2時間以上釣りをする時間が残っています。
 心配された風もなく、初日がスタートしました。マクナリーダム方向に下りながら、いくつかのスポットで釣りをしたのですが、ポールは朝イチからドロップショットをキャストし始めました。ボクはトップからクランクベイト、ジャークベイト、スキニーディッパーといろいろ試しましたが、お互いノーバイト。3カ所目の沖のハンプ(水深20フィート)で、ポールのドロップショットに3ポンドクラスのグッドサイズがヒットしました。何ともラッキーな1匹でしたが、後が続かず、そのままダムに集合しました。
 今回のトーナメントは123艇が出場しましたが、初日にダムを下ったのはなんと56艇でした。半数近い選手が下流域をメインエリアに選んだのでした。それぐらいプラでは明らかに下流が釣れたのでした。
 ポールは下流のロックが開くと真っ先に給油に向かう余裕まで見せました。それぐらいプラでは好感触だったのでしょう。ボクもかなり期待しました。給油後さらに20分近く走って、ポイントに着いたのですが、2人ともノンキーパーどころかアタリすらない状態です。2カ所目のポイントでようやくポールがドロップショットでキーパーをキャッチしました。ボクはひたすら巻物で勝負し、LV100で2匹のバラシの後、ようやく1匹キーパーをキャッチしました。1ポンドクラスを5匹釣るぐらいなら3ポンドクラスを2匹釣ってやろうという気持ちだったのですが、釣れたのは1ポンド台のキーパーでした。
 その後ポールはグラスが多いシャローエリアに向かいスーパーフルークで2匹のキーパーを追加しました。このあたりで、かなりヤバイと思い、ベイビーブラッシュホッグのキャロを投入しました。しかし、練習不足のせいかアワセがうまくいかず2匹のバラシ、その後、思いっきりアワセを入れてしまいラインブレイク。まったくかみ合わない状態で下流域の釣りが終了しました。
 残り時間は上流に帰りながら何カ所かを釣ったのですが、釣れるのはノンキーばかりで、ポールもリミットメイクできず4匹(7ポンド8オンス)。ボクは1匹(1ポンド5オンス)での帰着となってしまいました。
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ユナイテッド航空のプレゼントキャンペーン


Uflyjapan25_2   ボクもいつも利用しているユナイテッド航空は日本就航25周年となるそうで、それを記念して同社がスポンサー契約をしている各スポーツ選手のプレミアグッズのプレゼントキャンペーンがHP上で行われています。浅田舞・真央姉妹や上田桃子といった有名なスポーツ選手と肩を並べて、清水盛三さんもサイン入りのロッド・ライン・ルアーセットを提供しています。応募期間は11月10日までとなっています。
 以前は何度渡米しても、関西(成田)空港でのチェックインの際にロッドケースの件でもめることが多かったものですが(通常の荷物ならオーバーサイズで超過料金が掛かりますが、スポーツ用品という扱いなら超過料金は不要)、最近は清水盛三さんがユナイテッド航空と契約したおかげか、空港でのチェックインがスムーズになったような気がします。ときにはカウンターの人に「バス釣りですか?」と声を掛けられるようにもなりました。
 日本では逆風のバスフィッシングですが、業界外にもかかわらず清水盛三さんをスポンサーをしているユナイテッド航空は非常に理解のある会社だと思います。ユナイテッド航空社内でのバスフィッシングの認知度が上がれば、それだけボク達としてはスムーズに旅行ができるわけで、ほかの選手に負けないぐらいドシドシ応募してもらいたいと思います。そして、将来もっと他業界からもバスフィッシングが正しく理解されるといいんですが・・・。トヨタもアメリカの100分1でもいいからバスフィッシングを応援してほしいものです。