月別アーカイブ: 2008年10月

アメリカのニューブーム その1


 この業界の人たちと話すと、決まって「来年は何が流行る?」という話題になります。そして「アメリカでは何が流行ってるの?」となります。どうも日本の釣り業界は何か流行が必要なようで、定番というものをあまり大事にせず、数年もすれば消えてなくなってしまうような新製品ばかりを追いかけています。日本の釣り業界はまるでファッション業界のようです。
 確かにアメリカにも流行は存在しますが、一過性で終わることが少なく、そのまま定番として残ります。また、流行も意図的に作られるというよりは、本当にいいものが生まれ、トーナメント等でタイミングよく紹介されたときにだけ大きなムーブメントとなります。
Imgp7496  今年から来年にかけてのアメリカの注目のルアーといえば、やはりセビルのマジックスイマー(写真上段:下)から始まったリップレス・ジョイント・スイムベイトでしょう。マジックスイマーをS字系と紹介している雑誌等をたまに目にしますが、マジックスイマーはS字軌道で泳ぐルアーではないので、S字系と呼ぶのは間違いです。ボディをクネクネさせながらも、真っ直ぐの軌道で泳ぐルアーで、水面をウェイクベイトとして使うこともできます。
 マジックスイマーのブームのきっかけは今季のエリートシリーズからですが、SPROからはさっそくBBZ-1シャッド4インチ(3連結)(写真上段:上)が発売されました。以前、動画でも紹介しましたが、あからさまにマジックスイマーにけんかを売っています。スプロは以前からBBZ-1の8インチバージョンを出していましたから、今回のシャッドはマジックスイマーがブームになる前から開発していたんでしょうが、タイミング的にはバッチリだったというわけです。マジックスイマーがスローシンキングのみに対して、BBZ-1はフローティングとスローシンキング、ファストシンキングの3タイプが用意されているのが強みです。
174  年内にはトゥルータングステンからもトゥルーライフスイムベイトの4インチ版(3連結)が発売される予定です。こちらはウェキング/スローシンキングとファストシンキングの2タイプが発売される予定です。個人的にはフックがベリー部に1個しかないBBZ-1よりも、フックが2個付いているトゥルータングステンの方が興味があります。
Revolution_shad  また、同じく年内にはリアクション・ストライクからもBBZ-1シャッドに似たレボリューション・シャッド4インチが発売されます。こちらは4連結で、フローティング、スローシンキング、ファストシンキングの3タイプが発売されるそうです。

メガバスって・・・


Imgp7506  ここ最近のFLWマガジンにはメガバスが毎号1ページのカラー広告を出しているんですが、これを見るたびにいつも思うことがあります。
 ここの社長って、本当に自分のことが大好きなんでしょうね。大金払って、アーロン・マーテンスやルーク・クラウセンといったビッグネームのスポンサーをしているにも関わらず、アメリカ人が見ても誰だか分からない社長自らの写真を使うんですから・・・。別に余計なお世話なんでしょうが、本当にもったいないなあと思ってしまいます。しかも、広告内のウェブサイトの表記が日本のホームページで日本語ばかりだし・・・。メガバスはちゃんとアメリカ向けのホームページを作っているのに、本当に面白い会社です。

ヴィクセンの秘密 その2


Imgp7486  ヴィクセンはラージマウスだけでなく、スモールマウスもスポッツも本当によく釣れます。ディープのバスまで水面にまでおびき出す強力な存在感があるのです。そういえば、並木さん出演のDVD、”サーフェス・サマー”のアリゾナ編のレイク・スグアロでゲストとして登場するジョン・マーレイもヴィクセンを投げています。
Imgp7489 ヴィクセンは一見すると、ただのペンシルベイトですが、かなり完成度の高いルアーです。ボディーは一般的なABS樹脂ではなく、あえてポリカーボネイト樹脂を使用しています。”あえて”と表現したのは、ポリカーボネイト樹脂は硬すぎる素材のため、衝撃に弱く岩にぶつけると簡単に割れてしまうからです。接着も難しくABS樹脂のような伸びもないので、真夏の炎天下の熱で内部が膨張すると、水漏れを起こすこともあります。そんなルアー素材としては欠点の多い素材を使う理由は、硬い素材だけが発する独特のサウンドを出すためです。
Imgp6895_2  テール部のウェイトは大きなタングステン合金のボールです。これが力強く前後にぶつかることで、大きなラトル音を発します。ヴィクセンのボディーはスーパースプーク同様にシンプルで、テール部のラトルルームで発したサウンドは隣の大きなルーム内で大きく反響し、さらに硬いボディ全体に伝達されたボールのぶつかる振動は水平浮きのボディーからさらに水中にインパルス波動となって広く伝達されるのです。ヴィクセンのラトル音は旧モデルのスーパースプークのラトル音にも似ていますが、同じではありません。スーパースプークのラトルボールがスチールボールでルーム内の遊びが少ないのに対して、ヴィクセンは高硬度のタングステンボールで、さらにルーム内の遊びが大きいのでより力強くボールが前後の壁にぶつかります。前後の壁にぶつかる音のピッチも当然スーパースプークと違います。

ヴィクセンの秘密 その1


Imgp7478  ボクのブログの中でおそらく一番多く登場するルアーの一つがヴィクセンでしょう。プライベートからトーナメントまで、どこに行くにも必ず持って行って、信頼してキャストし続けられるボクにとっての一軍の中の一軍、ヘビーローテーションがヴィクセンです。プライベートでは数多くのビッグフィッシュを、トーナメントではいつもここぞというときに貴重な1匹をもたらしてくれるボクにとってはなくてはならないコンフィデンス・ベイトです。
 少し前にスーパースプークについて書きましたが、スーパースプークをより扱い安くしたのがヴィクセンです。スーパースプークは今でもボクにとっては一軍ルアーであることに違いがありませんし、その水押しの力と存在感は、多くのビッグフィッシュに威力を発揮します。ただ、スーパースプークは条件によっては若干扱いにくい場合があります。
Imgp3557  たとえば、スーパースプークは水押しの力が強い分、やや浮力を抑えた作りになっています。そのため、やや波気があると、ノーズが水中に突っ込んでダイブしてしまい、一度ダイブすると浮き上がりが悪く、テンポよく左右にウォークドッグさせるのが難しくなります。また、重量がある分、バンク際のシャローなどを狙う場合に、着水音が大きくてバスを散らしたり、しかも着水と同時にやや水中に突っ込むために水面ギリギリのブッシュにフックが絡んだりすることがあります。
 その点ヴィクセンは浮力が大きすぎず、小さすぎずで、波乗りもよく、着水音も抑えることができます。実際、西海岸のトーナメントでは多くの選手がスーパースプークとヴィクセンを使い分けてします。過去にはアーロン・マーテンスがヴィクセンを使ってUSオープンを制したり(この年はトップ5のうちの3人がヴィクセンを使用)、多くのメジャートーナメントでマネーベイトとして活躍しています。

FLWウェスタンシリーズデルタ戦 3日目レポート


 この日のパートナーはなんと児玉一樹さんです。児玉さんは2日目が終わった段階で、41位につけて賞金圏を狙える位置にいます。毎日リミットメイクに成功していて、そのほとんどの魚をワンエリアでスワンプクローラーをメインにキャッチしているそうです。この日もそのエリアを信じて朝イチから向かいました。ただ、この日は前日にも増して朝からすごい風です。まともに釣りができるような状態ではありません。砂煙が舞い上がり続け、目を開けているのも困難な状態です。帽子なんかかぶってられません。
 児玉さんは風上となるバンクのウィード際アウトサイドをじっくりとスワンプクローラーのネコリグで釣る戦略ですが、さすがに風が強すぎてエレキを踏むだけでもたいへんで、釣りに集中ができないような感じです。ボクは後ろで気楽に重めのドロップショットで探っているので、釣りだけに集中できるのですが、それでも2人とも1匹のキーパーも釣れません。スピナーベイトでも流してみましたが、反応がありません。3時間近くは児玉さんが自信のあるポイントを釣りましたが、風はますます吹き荒れ、釣りどころでは本当になくなってきました。デルタでなければ、絶対にキャンセルになるような風です。ニュースでは最大風速45マイルだったそうです。
 児玉さんは最低でも8ポンドを釣れば、賞金圏のチャンスがあるので、ここで大きな決断をしました。今回の試合では1日も入っていないディスカバリーベイに向かうバックアップパターンに変更です。ディスカバリーベイは広い高級住宅地エリアで、風をプロテクトしやすく、桟橋が無数にあるので、2ポンドクラスまでのキーパーなら、ライトリグで比較的イージーに釣ることができます。実際、風を避けてディスカバリーベイに逃げて来ているボートも多く目にしました。
 ディスカバリーベイに到着したころはタイドが低く、思ったほど簡単には釣れません。ノンキーなら入れ食うこともあるのですが、バイトもほとんどありません。それでも児玉さんはスワンプクローラーのネコリグで、小型ながらキーパーをポツポツとキャッチしていきますが、ボクにはアタリすらありません。さすがにライトリグでは日本のトーナメントでトップに立った選手には歯が立ちません。
 児玉さんは順調にキーパーをキャッチし、リミットメイクに成功しますが、ボクは完全ノーバイトです。実は児玉さんの釣りを見ていて、ムキになってボクもスワンプクローラーで釣っていたのですが、風の影響でうまく操作ができませんでした。そのとき、同じディスカバリー・ベイにいたジャスティン・カーに「ドロップショットで釣れ」とアドバイスされ、やっと熱くなっていた頭を冷やすことができました。スピニングタックルに5gのやや重めのドロップショットにロボワームをセットし、やっとバイトがとれるようになりました。タイドも上がって来た影響もあってか、食いも立ち始め、終了前の1時間で4匹のキーパーをキャッチすることができました。
 なんとか順位も68位まで上がり、総合の年間ポイントも20位でフィニッシュすることができ、ファルコンレイク行きが決まりました。児玉さんには本当に感謝です。児玉さんは5匹で6ポンド7オンスとウェイトが伸びず、賞金圏に1ポンド9オンス足りず、48位でフィニッシュとなりました。

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FLWウェスタンシリーズデルタ戦 初日レポート


 初日のパートナーはコディ・メイヤーでした。レディングに住んでいてレイク・シャスタがホームレイクの25歳の若手注目選手の1人です。第2戦終了時点で、年間ポイントは暫定6位につけており、スポンサーにジャッカルがついています。
 実は3年前、バスマスターオープンのレイク・シャスタ戦でボクがコアングラー部門で3位になったとき(2日目までトップ)に、最後に逆転負けした相手が彼でした。この年、ボクとコディ・マイヤー、そしてもう1人のクリス・ザルデンの3人は最後までコアングラー部門の年間ポイントチャンピオンを接戦で争ったことがあり、お互いよく覚えています。コディーは2007年にはプロに転向し、ストレーンシリーズ・ウェスタンディビジョンでは、2007年、2008年ともに年間2位でフィニッシュしています。
 コディはプラではそれほどいい手応えはなかったようで、彼の戦略は朝イチにビッグブレイクに走り、チュール際のシャローをセンコーのワッキーピッチングで攻め、その後、日が上がってからはシャーマンレイクに走り、ペニーウォートのフローティングマットをビーバーのパンチングで攻めるというものでした。ボクとしては願ってもない戦略です。というのも、バックシートのボクにもキャスト&ヒットのチャンスがありそうなボートポジションだからです。
 ただし、この日はファーストフライトで、2時には帰着しなければならず、釣りをする時間が短く、タイドはほぼ上がりっぱなしという状態です。条件的には悪く、早くキーパーを釣っておかないと厳しくなりそうな予感です。
 スタート前にトイレにちゃんと行ったのですが、この日は朝からお腹の調子が悪く、ビッグブレイクまで走った段階で、さらにお腹を冷やしてしまい、恐れていた状況が起きてしまいました。慌てて下痢止めの薬を飲んでしのごうとしましたが、釣りに集中できません。ビッグブレイクではコディーが1匹キーパーを釣っただけで、ボクにはアタリがありません。
 その後シャーマンレイクに走って、ボクのお腹は限界に達してしまいました。パンチングどころではなく、フッキングなんかしたら、完全に漏らしそうな状況になってしまいました。しかも最悪なことにコディーのボートにはトイレットペーパーがありません。カッパのポケットを探ると、神の救いかハンドタオルが1枚入っていて、これでなんとか緊急事態を脱しました。その後は薬が効いたのか、調子はよくなりました。
 シャーマンレイクでは2人ともノーバイトで、さすがにコディーも焦り始めました。時間は11時を回っており、フランク・トラクトに帰って、残りの時間を最後まで粘ろうということになりました。
 コディーはチュールの岬上になったポイントをバストリックス(5インチ)のジグヘッドリグで通しながら流すので、ボクはクランクやヘビダンでチュールに向かってショートキャストで打って行く戦略で対応しますが、さすがにコディーも焦っていて、ボートポジションがかなりきつく、流すスピードもかなり速くなってきました。コディーは次々とキーパーをキャッチし、リミットメイクに成功しました。ボクは待望の最初の1匹(4ポンドクラスのグッドサイズ)をスワンプクローラーでヒットさせるも、運悪くフックが外れてバラしてしまい、その後ヘビダンでも2ポンドクラスをバラしてしまいました。残り1時間を切った段階でしたが、その後諦めずに釣り続け、ヘビダンで2匹のスモールキーパーをキャッチしました。明らかに1時を回ったぐらいから、タイドがよくなったのか、食い始めた感じで、それまで釣れなかったノンキーも釣れ始めました。あと、30分あれば揃ったかもしれない状態でしたが、残念ながらその2匹でのウェイインとなりました。またしてもスタートで出遅れてしまいました。

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ファルコンでリベンジ


 帰る前にリベンジベイツのレイに会いに、工場に遊びに行ってきました。ファルコン・レイク用の秘策のスピナーベイトを作ってもらうのが目的で、快くボクのために作ってくれました。思い通りに動くなら、秋のファルコンできっと効くはずです。

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ただいまサンフランシスコ


 ただいまサンフランシスコ空港近くのホテルです。いよいよ明日こっちを発ちます。本当に長かった旅もこれで終わりです。といっても1カ月もしないうちに戻ってきますが・・・。それにしても1カ月以上も家を空けるのは本当に久しぶりです。10年ぶりぐらいかな。早く帰って、愛犬たちに癒されたいです。

もうすぐグランドオープニング


 昨日は決勝のウェイイン会場のウォールマートに向かう途中、工事中のマンテカのバスプロショップを近くまで見に行ってきました。グランドオープニングデイはなんと15日で、ボクは明日こっちを発つので、ギリギリ行くことができません。
 当日はイッシュのほか、エドウィン・イーバースやジェイソン・クインなども招待されているようです。隣には大きなショッピングモール&映画館、そしてフーターズもできるようです。これからデルタに来る楽しみが一つ増えそうです。それにしても、アメリカも不景気ですが、バスプロはこんな大規模なショップを次々とオープンさせて大丈夫なんでしょうか・・・。

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Good job, and congraturations, Ish!!


 決勝を見に行ってきました。イッシュが他を寄せ付けない強さで、見事優勝しました。4日間フリッピングロッド2本だけで1オンスと1.5オンスシンカーとスイートビーバーのパンチングのみで釣ってきました。プラクティスでそのポテンシャルを見せつけられただけに、優勝はほぼ間違いないとは思っていましたが、強風が吹いて他の選手が崩れる中、貫禄の強さでした。
 実は今回のトーナメントはモーテルに泊まらず、イッシュの近所の友人の家に泊まって、毎日迎えに来てもらって、一緒に会場まで往復していました。おかげで車中でいろいろためになる話をいっぱい聞かせてもらいました。プラの段階で優勝を確信したような感じで、試合前日は「楽しみで寝られない、試合が待ちきれない」なんて言っていました。
 決勝のウェイインステージでは各選手がどんな釣りをしたかをコメントしたのですが、ほとんどの選手がビーバーのフリッピング&パンチングだったのが印象的でした。

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