月別アーカイブ: 2008年4月

ワールドレコードバスの重み


 琵琶湖で上がった例の巨大バスがあちこちで話題となっています。中には次のワールドレコードは「琵琶湖や池原から絶対出る」と真剣に熱く語られる方がいます。確かにその可能性はゼロではないでしょうが、今の日本のバスを取り巻く環境ではなかなか難しい気がします。ところで、ワールドレコードって、最近の人はほとんど知りませんね。昔はそういう夢のある話もよく雑誌等で取り上げられたものですが、最近は薄っぺらい内容の新製品の提灯記事ばかりで、ワクワクさせてくれるような面白い記事が本当に少ないです。バス釣り歴の長い人なら、ワールドレコードなんて常識だったものですが・・・。まあ、興味がないと言われたら、それまでなんですが・・・。
Coniglibassbig  まずは現在の世界トップ25のビッグバス・ランキングを紹介します。このリストは新しくランク入りする度に更新されるもので、最も最近にランク入りしたのが12位の19.70ポンド(19ポンド12オンス)で、ミッション・ヴィエホでジョージ・コニグリオによって2006年3月31日にキャッチされたもの(写真)です。アメリカではこういうデータがしっかり残っていて、これ以外にもステイトレコードやレイクレコードが記録として残っています。アメリカ人から「日本のレコードは? 2位は? ホームレイクのレイクレコードは?」なんて質問をよくされます。日本ではこういう記録がしっかり管理されていないのは残念なことです。日本記録に関しても「実はもっとデカイのを釣ったヤツを知っている」といったたぐいの話をよく聞かされます。日本のバスフィッシングが真に成熟するのは、いつのことでしょうか?
The all-time heaviest black bass, as recorded by Bassmaster magazine
1.) 22.25; Montgomery Lake (Georgia); George Washington Perry; June 2, 1932.
2.) 22.01; Castaic Lake (California); Robert J. Crupi; March 12, 1991.
3.) 21.75; Castaic Lake (California); Michael Arujo; March 5, 1991.
4.) 21.69; Lake Dixon (California); Jed Dickerson; May 31, 2003.
5.) 21.20; Lake Casitas (California); Raymond D. Easley; March 4, 1980.
6.) 21.01; Castaic Lake (California); Robert J. Crupi; March 9, 1990.
7.) 20.94; Lake Miramar (California); David Zimmerlee; June 23, 1973.
8.) 20.86; Castaic Lake (California); Leo Torres; Feb. 4, 1990.
9.) 20.75; Lake Dixon (California); Mike Long; April 27, 2001.
10.) 20.25; Lake Hodges (California); Gene Dupras; May 30, 1985.
11.) 20.13; Big Fish Lake (Florida); Fritz Friebel; May 19, 1923.
12.) 19.70; Lake Mission Viejo (California); George Coniglio; March 31, 2006.
13.) 19.50; Lake Miramar (California); Keith Gunsauls; Feb. 29, 1988.
13.) 19.50; Castaic Lake (California); Mark Balloid; May 28, 1990.
13.) 19.50; Lake Casitas (California); Randy Crabtree; April 9, 2002.
16.) 19.44; Lake Dixon (California); Mac Weakley; May 20, 2003.
17.) 19.25; Lake Miramar (California); Chris Brant; March 22, 1998.
18.) 19.19; Lake Morena (California); Arden Charles Hanline; Feb. 17, 1987.
18.) 19.19; Lake Wohlford (California); Steve Beasley; Feb. 3, 1986.
20.) 19.15; Lake Ikehara (Japan); Kazuya Shimada; April 22, 2003.
21.) 19.06; Lake Miramar (California); Sandra W. DeFresco; March 14, 1988.
22.) 19.04; Castaic Lake (California); Dan T. Kadota; Jan. 8, 1989.
23.) 19.03; Success Lake (California); Larry Kerns; Jan. 27, 2001.
24.) 19.00; Lake Tarpon (Florida); Riley Witt; June 26, 1961.
25.) 18.94; Lake Isabella (California); Keith Harper; April 7, 1984

特大ベイトの可能性 その3


Bikinibrunettelogo_2   ビキニ・ベイトという意味不明なメーカーがオレゴンにあります。オレゴンにはマスキーがいませんが、なぜかマスキールアーを販売しています。
 ビキニ・ベイト・スイムベイトは9インチサイズのトリプルジョイント・リップレスビッグベイトです。プラスチック製で、価格は20ドルとお手頃価格ですが、クオリティはなかなかです。カラーはトラウト、ナチュラルサッカー、ファイアータイガーの3色しかありませんが、塗りもキレイですね。You Tubeの動画を見ると、けっこういいアクションしています。

Swimbait8

渋い


Shibuidelta1  タロンシリーズ・カスタムルアーズというテキサスの鉛モノ系のメーカーがあります。あのスイムベイトのタロンとは別物です。ベン・マツブもプロスタッフに加わっているようです。
 そのタロンシリーズから面白い名前のスピナーベイトを発見しました。その名も”シブイ”です。HP上では、わざわざ漢字表記まであって、シブイの意味を説明しています。アメリカではここ数年日本語ブームで、いろいろ日本語のメーカーや商品名も登場しています。中には全くの意味不明な物までありますが・・・。話が少し逸れますが、以前、見知らぬアメリカ人に、「日本語でブラックバスってどう書くんだ?」と聞かれて、紙に書いてあげると、「この通りにタトゥを彫ってもらう」って喜んでいました。このシブイは、要は究極のハイクオリティースピナーベイトだと言いたいのでしょう。スゴイの次はシブイというわけです。カラー名にもコハダやクロキン、ワカサギなんてのがあります。

唯一無二の名作クランク その4


Imgp4991  旧モデルのスピードトラップといってもアメリカ製とメキシコ製がある話は前回紹介しました。両者はかなり似ていますが、一番大きな相違点はリップの厚さです。アメリカ製はリップが薄い(約1.8ミリ)ですが、メキシコ製はリップが厚め(約2.5ミリ)です(写真上:左がアメリカ製、右がメキシコ製)。当然、これだけの違いがあれば、アクションのキレにも違いがあると思われますが、これまであまり気になったことはありませんでした。

Imgp4993  ボク自身使い込んだのはメキシコ製ですし、今となってはアメリカ製は入手も困難なので、ここではメキシコ製を旧モデルと呼ぶことにします。中国製の新モデルと旧モデルのボディー形状は、よく見るといろいろ相違点が見つかります(写真下:上が旧モデル、下が新モデル)。例えば、旧モデルの目玉はシールアイですが、新モデルはペイントになっています。ノギスで測ってみると、新モデルの方が体高も幅も2mm近く大きくなっています。リップは新モデルの方が薄く(約2.0ミリ)なっています。そして、旧モデルに比べて、新モデルの表面は非常にツヤがあって、コーティングも厚めな感じです。
 ボディーのつなぎ目の処理も新モデルは超音波溶着でキレイになっています。そして腹部&背部のつなぎ目及び両サイドのエッジは角が取れて丸くなっています。旧モデルの金型は痛んでいたのか、腹部やノーズ等に”引け”が出ていたのですが、新モデルはこの”引け”が当然ありません。そして、スピードトラップの特徴でもある背中のくぼみは新モデルでは溝が浅くなっています。スピードトラップはボディー内を自由に動き回るラトルボールが1個入っています。旧モデルはおとなしめのラトル音ですが、新モデルはラトルボールのサイズが大きいのか、ボールの素材が変わったのか、カン高く反響するラトル音に変わっています。
 そして一番の関心事がそのバランスです。フックやリングを外したボディーのみのウェイトは旧モデルが9.2~9.3gで新モデルは9.4gとほとんど違いはありませんでした。ただ、このボディーのみの状態で水に浮かべると違いは明らかでした。旧モデルはラトルボールの位置に関わらず真っ直ぐ浮くのに比べて、新モデルはラトルボールの位置によって左右どちらかに偏って浮いてしまうのです。つまり、旧モデルは重心となる固定ウェイトがしっかりあるのに対して、新モデルは固定ウェイトが軽く、ラトルボールのウェイトによって重心がズレてしまうことを意味しています。

特大ベイトの可能性 その2


Cisco3  ネイツ・ベイツはリップレスのジョイント系ビッグベイト専門の比較的新しいマスキールアーメーカーです。8.5インチサイズの”シャッド”、5.5インチサイズの”ブルーギル”、14インチサイズの”シスコ”(写真上)、11インチサイズの”トラウト”(写真下)の4種があります。特に圧巻は14インチサイズのシスコで、ウェイトは18オンス(500g超)もあります。これで75ドルというのは、けっこう安いかもしれません。ちなみにシスコとはマスキーのベイトにもなっているニシン系の魚の名前です。
Troutcolors  トラウトは未発売で値段も不明ですが、約8オンスということなので、それほど重くもなく、バスにも充分使えそうな感じです。You Tubeの動画を見る限り、かなりそそられるアクションをしています。カラーリングもかなりリアルな仕上がりで、アメリカン・クオリティーもバカにできなくなってきました。

TTBC最終結果


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1. Team 20 (Jordon, Smith, Vick, Walker): — 54, 228-00
2. Team 9 (Lane, Brauer, Matsubu, Velvick) — 48, 219-12
3. Team 16 (Morganthaler, King, Penso, Reed) — 50, 183-00
4. Team 8 (Scroggins, Dowling, Grigsby, Lane) — 51, 180-04
5. Team 17 (Iaconelli, Correia, Howell, Pace) — 37, 146-00
http://www.toyotatexasbassclassic.com/

ソフトワイヤー・スピナーベイト


 以前、アクション・ルアーズのスクイールRというB級ルアーを紹介しましたが、いつの間にかルアー名がアクション・ミノーに変わっていました。
 ところで、アクション・ルアーズ社はまだ健在で、新たにちょっと気になるスピナーベイトを発売しています。通常のステンレスワイヤーではなく、柔軟な5本撚りのステンレスワイヤーを使用しているのが特徴です。どんなバイブレーション(引き心地)なのか、非常に興味があります。

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特大ベイトの可能性


 DEPSのホームページを見て知ったのですが、琵琶湖でとんでもないバスが上がったそうです。釣れたバスが特大なら、ヒットルアーもまた特大です。やっぱりビッグベイト=ビッグバスというセオリーは本当なんですね。
 そこで思ったのですが、マスキールアーが一部のビッグバスハンターの間で、再び日本でも注目を浴びるかもしれません。かつてのマスキールアーといえば、ドリフタータックルのビリーバーを代表とする垢抜けない巨大なノイジー系ビッグトップウォータールアーを連想する人がほとんどでしょうが、最近ではリアルなハード系スイムベイトが次々と登場しています。
 たとえば、以前紹介したマスキースナックスは、さらに新作を次々と作っており、最近のリップレス系ジョイントルアーは動画を見る限り、かなり艶めかしい動きをしています。特にレインボートラウトはかなりいい感じです。ウッド製ハンドメイドで100ドルなら決して高くないと思います。レインボートラウトのYou Tubeの動画はコチラです。

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唯一無二の名作クランク その3


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 久しぶりにスピードトラップを購入して気がついたのですが、スピードトラップも知らないうちにマイナーチェンジしていました。ルーハー・ジャンセンがラパラグループの傘下に入ったことがきっかけで、いつの間にかメイド・イン・チャイナとなっていたのです。
Imgp4986  スピードトラップもけっこうストックがあったので、しばらく買っていませんでしたが、先日アメリカで欲しいカラーがあって購入して初めて気が付きました。おそらく、最新のウィグルワート等と製造工場は同じだと思われます。スピードトラップはラパラグループ傘下となる前はメキシコ製でしたし、その前はアメリカ製でした。
Imgp4983  メキシコ製とアメリカ製は同じパッケージを使用していて、メキシコ製は"Made in U.S.A."と表記されたところが白く塗りつぶされて、上から"Made in Mexico"とスタンプが押されています。

Imgp4982   新しい中国製は表のパッケージデザインは同じですが、オレンジ色で11gと書いたステッカーが貼られています。裏のデザインは変わって、バーコードステッカーに"MADE IN CHINA"と表記されています。少しマニアックな話ですが、アメリカ製やメキシコ製の旧モデルのスピードトラップは、パッケージを開けると独特の懐かしい香り(古いタックルボックスを開けたときの匂い)がありますが、新モデルにはあの匂いがありません。

唯一無二の名作クランク その2


Imgp4831  ボクの知る限り、スピードトラップほどハイスピードでリトリーブできるクランクベイトは他に見当たりません。大きなスクエアリップは、ワイドなアクションをイメージさせますが、クランクベイトといえば、浮力と低重心を生かすために、腹部側を小さく、背部側を大きくするデザインが一般的ですが、スピードトラップはまったく逆の発想です。スクエアリップの延長線がそのまま真っ直ぐ背中に向けて続くような美しいフォルムで、エッジの効いた背中のラインはリップで受けた水流を左右にスムーズに受け流す整流効果があるのだと思います。ただ、スピードトラップの特徴でもある背中のくぼみは、ただのデザイン上のアクセントで特に何か大きな効果はないと思います。
Imgp4837  腹部側の角度はちょうど120度となっていて、トリプルフックがピッタリとボディーに沿うデザインとなっていて、ベリーフックの横揺れを抑える効果があります。ボディー腹部の最大横幅はトリプルフック#4サイズの横幅とほぼ同じで、大きすぎず、小さすぎない絶妙なサイズのスクエアリップとの相乗効果で高いウィードレス効果を発揮します。
 内部構造はメインの固定ウェイトとボディ内を自由に動き回るラトルボールが一個のシンプルな構造です。ラトルボールはキャスト時の重心移動的な役割もあり、後方から見ても空気抵抗の少ない形状をしていて、重さの割には意外とよく飛びます。スピードトラップは”シン・ウォール・コンストラクション(Thin-Wall Constraction)”をうたい文句にしており、薄いボディ 壁で作られています。内部にも固定ウェイト以外に余分な仕切りを一切排除して、最大限の浮力を引き出しています。
 スピードトラップはシャローランニングにカテゴリー分けされますが、意外に水深2m近く潜ります。ただ、潜行角度が急ではなく、リップがグラスに突っ込みすぎず、グラスの切れもよく、ウィードレス効果も高いので、タイド(潮の干満)によってグラスのトップが水深1mから2mぐらいの範囲で変動しても、同じルアーでカバーできるメリットがあります。そのあたりがカリフォルニア・デルタでご当地ルアーとして長年実績を積み上げてきた理由ではないでしょうか?