唯一無二の名作クランク その4


Imgp4991  旧モデルのスピードトラップといってもアメリカ製とメキシコ製がある話は前回紹介しました。両者はかなり似ていますが、一番大きな相違点はリップの厚さです。アメリカ製はリップが薄い(約1.8ミリ)ですが、メキシコ製はリップが厚め(約2.5ミリ)です(写真上:左がアメリカ製、右がメキシコ製)。当然、これだけの違いがあれば、アクションのキレにも違いがあると思われますが、これまであまり気になったことはありませんでした。

Imgp4993  ボク自身使い込んだのはメキシコ製ですし、今となってはアメリカ製は入手も困難なので、ここではメキシコ製を旧モデルと呼ぶことにします。中国製の新モデルと旧モデルのボディー形状は、よく見るといろいろ相違点が見つかります(写真下:上が旧モデル、下が新モデル)。例えば、旧モデルの目玉はシールアイですが、新モデルはペイントになっています。ノギスで測ってみると、新モデルの方が体高も幅も2mm近く大きくなっています。リップは新モデルの方が薄く(約2.0ミリ)なっています。そして、旧モデルに比べて、新モデルの表面は非常にツヤがあって、コーティングも厚めな感じです。
 ボディーのつなぎ目の処理も新モデルは超音波溶着でキレイになっています。そして腹部&背部のつなぎ目及び両サイドのエッジは角が取れて丸くなっています。旧モデルの金型は痛んでいたのか、腹部やノーズ等に”引け”が出ていたのですが、新モデルはこの”引け”が当然ありません。そして、スピードトラップの特徴でもある背中のくぼみは新モデルでは溝が浅くなっています。スピードトラップはボディー内を自由に動き回るラトルボールが1個入っています。旧モデルはおとなしめのラトル音ですが、新モデルはラトルボールのサイズが大きいのか、ボールの素材が変わったのか、カン高く反響するラトル音に変わっています。
 そして一番の関心事がそのバランスです。フックやリングを外したボディーのみのウェイトは旧モデルが9.2~9.3gで新モデルは9.4gとほとんど違いはありませんでした。ただ、このボディーのみの状態で水に浮かべると違いは明らかでした。旧モデルはラトルボールの位置に関わらず真っ直ぐ浮くのに比べて、新モデルはラトルボールの位置によって左右どちらかに偏って浮いてしまうのです。つまり、旧モデルは重心となる固定ウェイトがしっかりあるのに対して、新モデルは固定ウェイトが軽く、ラトルボールのウェイトによって重心がズレてしまうことを意味しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください