日別アーカイブ: 2008年4月12日

幻のリザード


Imgp4954  バスフィッシングを長年している人ならご存じかもかれませんが、ハニーホール社のフリップテール・リザードというワームが昔ありました。ティファが正規輸入代理店として扱っていた商品でした。子供心に強烈な印象だったタイガーマスクに登場する悪役レスラー”ミスター・ノー”を連想させる不気味なヘッドは、まさにミスター・ノーのようにボディをつかんで持つと、頭を左右に振り振りします。
Imgp4934   リザードといえば、4本足と尻尾がカーリーテールとなっているのが定番ですが、このフリップテール・リザードはリザードらしくないデザインが斬新でした。このフリップテール・リザードの最大の特徴は、ボディー全体に無数の小さな気泡が入ったフローティング素材だったことです。一般のフローティングワームと比べて、明らかにプカプカ浮きました。その浮力を利用して、テキサスリグで底で立たせたり、キャロライナリグで中層で浮かせたり、ノーシンカーリグで、トップウォーターワーミングとして、いろいろ他のルアーではできない誘いでバスをキャッチすることができました。特に最近ご無沙汰のヘビキャロでは、本当によく釣れました。当時はまだドロップショットなんて釣り方がなかった時代ですから、ワームを中層でサスペンドさせて誘うのって、このワームの独壇場といった感じでした。
 今では比重が小さくてビヨーンと伸びるエラストマー系素材のプカプカ浮くワームもありますが、当時は完全に浮くワームといえば、フリップテール・リザードぐらいでした。
 このフリップテール・リザードは製法上、気泡が入ったマテリアルをインジェクションするので、気泡の多い少ないがあったり、型の中で冷えて固まるまでの間に気泡同士がくっついて大きなエアーポケットができたりする”当たり”もありました。ボクはそれらの浮力の違いで、一軍、二軍に分けて使っていました。
 ところが、ハニーホール社はなくなり、今はフリップテールという新しいメーカーがありますが、あの気泡を混入する製法ではワームが作れなくなったのか、もう10年以上フリップテール・リザードは作られていません。今や完全に世の中から消えてしまいました。ボクのお気に入りのワームだったのですが、今では数本思い出に残しているのみとなってしまいました。
 エラストマー系のフローティングワームをいろいろ試したのですが、素材が軟らかすぎるようで、個人的にはあまり好きにはなれませんでした。また、なぜかバスはこの素材が嫌いなような気がします。昔の石油臭い中国製のワームを使うと、極端に釣れなかった思い出がありますが、同じようにバスは塩ビ系ソフトプラスチックとエラストマー系のマテリアルの違いをかぎ分ける能力があるような気がします。
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