月別アーカイブ: 2009年4月

ポインターが人気ナンバー1


 世の中には数え切れないほどのルアーがあり、市場に溢れています。中には100年以上も前から売られ、今もなお現役のものから、あっという間に消えてしまったものまでさまざまです。
 もし、あなたが「10個しかルアーを持って行ってはいけない」と言われたら、どんなルアーを選びますか? スポンサーなんか関係なく、最低限これだけは外せない(これなしでは戦えない)というルアーです。アメリカのトーナメントプロにそんなアンケートをした結果を紹介している面白いサイトを紹介します。
 プロ・フィッシング・リサーチというサイトでアンケートに協力したプロはB.A.S.S.エリートやFLWで活躍する選手が多く含まれ、全体の85%がBASSFANのワールドランキングで半分より上にランクする人たちだそうです。
 日本の雑誌もよくプロの「タックルボックス拝見」なんてコーナーがありますが、抜き打ちでもないから、スポンサーメーカーの偏ったルアーばかりが紹介されて、リアル感ゼロでまったく面白くないですが、こちらは実名を明かしていないので、スポンサーの枠にとらわれない結果が出ていて、かなりリアルです。もちろん、若干はスポンサーの影響も出ているでしょうが・・・。
 釣り人は十人十色。それぞれ得意なスタイルもあるでしょうから、アンケート結果もばらけるでしょう。ただ、そんな中でも重複するトップ50で上位にランクインするルアーは、”なくてはならない定番”ルアーということになります。
 以前にも書きましたが、アメリカの試合で勝つには誰も持っていない秘密のルアーは必要ありません。適材適所でルアーを正しく選び、正しく使うことが何よりも重要です。
 そして、多くのプロから信頼されるナンバー1ルアーが、ポインター100という結果でした。ボクのタックルボックスにもたくさん入っています。ちょっと意外というか、もっとアメリカンなルアーかと思いましたが、深読みすれば、クランクベイトなどはいろいろ選択肢があって、結果がばらけたけど、ポインターは”代わりが効かない”ルアーだということなんでしょう。
 2位のフィネスワームはまさに最近の”困ったときのシェイキーワーム頼み”を反映した結果ですし、3位に唯一無二のクランク、ウィグルワートが入っているあたりが納得です。
1 Lucky Craft Pointer100
2 Zoom Finesse Worm
3 Storm Wigglewart
4 War Eagle Double Willow Spinnerbait 1/2 oz
5 Yamamoto Senko5"
6 Berkley Football Jig 3/4 oz
7 Heddon Zara Spook
8 Jewel Eakins Jig 5/16 oz
9 Zoom Super Fluke5"
10 Bill Lewis Lures Rattle Trap 1/2 oz
http://www.profishingresearch.com/eShop/top_50_lures.asp

児玉さんのハバスレポート


Cimg1067   肝心の自身のトーナメントレポートがなかなかアップできていませんが、同じくFLWウェスタンシリーズにプロで参戦している児玉一樹さんがメガバスのホームページで今回の試合のレポートをしていて、個人的にとても興味深く読ませていただきました。プラであんなデカイスモールマウスを釣っていたなんて羨ましすぎます。最後にはボクの写真も登場します。
 児玉さんには、”マエッチ”と呼んでもらい、バスマスターオープン時代から親しくさせていただいています。昨シーズンは最終戦の最終日でペアも組みました。児玉さんは自身でトラック&ボートを用意し、プロとして参戦しています。本当に尊敬しています。プロで出ることは並大抵のことではないです。毎試合エントリーフィーだけで40万円も払って、自分の力がどこまで通用するか、慣れないアメリカで腕試しをしています。そして今回の試合2日目では、命懸けのボートドライブとなり、度胸と根性も試されました。
 児玉さんは今回は見事31位入賞しました。昨年はコロンビアリバー戦で惜しくもトップ10カットを逃す13位でフィニッシュしていますし、一歩一歩、着実に成績を残しつつあります。今シーズンあたり、トップ10カットする勇姿が見られるかもしれません。来年のフォレストウッドカップには一緒にクオリファイしたいと思っています。
レイク・ハバス プラクティスレポート
http://www.megabass.com/topics_detail.php?keyid=1717
レイク・ハバス 本戦レポート
http://www.megabass.com/topics_detail.php?keyid=1718

スポッツギャラリー その2


 スポッツの判別の一つとして、広く知られていながら、実際どんな感じなのか本物を見たことがない人には想像すらできないのが舌歯、いわゆるTeeth on Tongue(Toothではなく、複数のTeeth)です。この舌歯はラージマウスやスモールマウスにはなく、スポッツにはあるので、トーナメントではこの舌歯があれば、スポッツまたはミーンマウスと判別します。
 たとえば、今年も5月にFLWツアーが開催されるビーバーレイクではスポッツとミーンマウスのキーパーサイズは12インチ以上、ラージマウスとスモールマウスのキーパーサイズは15インチ以上となっています。ラージマウスとスモールマウス、スポッツはじっくり見なくても釣り人なら簡単に見分けができるものですが、そこにミーンマウスが生息すると、それがスモールマウスなのか、ミーンマウスなのか、判別するのはかなり難しく、実際のところ舌歯の有無がミーンマウスの判別方法となっています。
 日本ではラージマウスの舌にも突起のようなものがあったりするので、これをスポッツの舌歯と勘違いされているケースが多くあります。実際は舌を確認しなくても、スポッツはラージマウスとはまったく違うので、簡単に見分けが付くのですが、舌歯という不要な知識があるばっかりに、どこからどう見てもラージマウスをスポッツと思いこんでいるようです。
 今回はこの舌歯の写真を撮るのが目的だったといっていいぐらいで、かなり詳しく撮ることができました。写真を見れば分かると思いますが、舌の上に小さなふくらみがあって、ヤスリ状の歯?の集合帯があります。指で触るとかなりザラザラしています。舌歯の写真はウェブでいろいろ検索しても、日本でもアメリカでもまったく出てこなかったので、参考資料としていろいろアップすることにしました。

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アンブレラ君


Imgp9311  バレーヒルブランドからシリコンラバーアンブレラという名前のスカートが売られています。このスカートは最近アメリカで流行のスピナーベイトやジグ用のバンドスカートですが、今までのバンドと違って、スカートがラバー製の中空の芯とバンドに挟まれるようにして止められていて、スカートが360度キレイにフレアするように工夫されています。
Imgp9308  ジグやスピナーベイトの交換スカートとして利用するのもいいですが、エサ釣り用の夜光ビーズ(ハード)の4号を芯部分に埋め込めば、テキサスリグのシンカーとフックの間に通して、”さびえる君”風にして使うことも可能です。カラーバリエーションも豊富で、値段も安いので、今シーズン、パンチングで使うのが楽しみです。

GYCBの新たな試み


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 GYCBのホームページを見ていると、なにやら新しい試みが始まるようです。その名はゲーリーズ・エリートシリーズ・ベイト。つまり、年会費25ドルの会員方式で、会員限定のカラーやワームを販売するというものです。日本ではメーカーが会員制度を設けるのは珍しくありませんが、アメリカではかなり珍しいと思います。

 第一弾の会員限定ワームとしてはスイミングセンコーの4.5インチサイズが登場するようです。GYCBにはアメリカで未発売の日本限定のワームがありますが、中にはシャッドシェイプやフラッピホッグのようにアメリカ人からの要望が大きく、アメリカでも発売されたものもあります。この会員方式で、会員のみに日本限定のワームを販売することも可能でしょう。
 詳しい会員専用のHPはまだアップされていませんし、入会方法なども不明ですが、近々アップされるでしょう。

スポッツギャラリー その1


 今回、アメリカで正真正銘のスポッツ(スポッテッドバス)の写真をたくさん撮ってきたので、参考資料になればと思い、いろいろアップします。ちなみにこの湖ではラージとスポッツが3対7ぐらいで釣れましたが、1匹として判別ができないような魚はおらず、一目で簡単に区別ができました。それどころか、じっくり見なくても、友人が掛けた魚でも水中の姿やジャンプしている姿だけでも100%間違いなく判別できました。
 まずはいろいろなサイズの全体写真です。

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日米のプロトーナメントの違い その6


 トーナメントにライブベイトを持ち込み、使用することはもちろん、アメリカでも禁止されています。FLWのルールブックには下記のような記述があります。

 Only Artificial lures may be used, with the exception of pork trailers and Berkley Gulp! baits and Berkley Gulp! alive.
 ただ、アメリカのトーナメントでライブベイトを使用してDQになったという事例は耳にしたことがありません。実はFLWの社長兼CEOのチャーリー・エヴァンスとある件でメールをやりとりしている際に、この話題となり、アメリカの実情を聞いてみました。
 彼によると、かなり珍しいケースだということでした。「コアングラーに簡単に見つかるから」という予想通りの答えでした。では、仮に発見されたら、という質問に対しては、「その日のウェイトがゼロになる、その試合自体がDQとなる、または今後永久にDQとなる、の3オプションで状況に応じて、トーナメントディレクターが判断を下す」という回答でした。つまり、詳しい調査なしに、問答無用のトカゲの尻尾切りはあり得ないということでした。
 そもそも、アメリカのトーナメントはライブベイトを使えばいつでも簡単に勝てるようなものではありません。ライブベイトは使用範囲が限られて効率が悪いからです。あらゆるシチュエーションでも、手が出せないということがないように、長い歴史の中で数多くのルアーが生み出されてきたのです。もちろん、オープンウォーターのそこにバスがいるのが分かっていて、ルアーでは食わせることができないような場合なら、ライブベイトは有効でしょうが・・・。アメリカのトーナメントは食わせるテクニックよりも広い釣り場の中から釣るべきエリアを絞り込む力が求められます。その経験値と状況判断が何よりも重要で、そのプロセスこそがバスフィッシングの本来の面白さだとボクは考えます。ボクは長年バスフィッシングを楽しんできましたが、今なお面白くてやめられないのは、バスフィッシングは奥が深すぎて、まだまだボクが知らない世界があるからです。
 最近の試合ではFLWシリーズでギド・ヒブドンがRCクランクを使用し、エリートでトミー・ビッフルがスイートビーバーを使用し、ともに優勝しました。2人の大ベテランが活躍できるのは、まさに経験値であり、秘密のルアーのおかげではありません。誰のタックルボックスにも入っている当たり前の定番ルアーを正しい状況で使用するという”正解”を導き出したから、2人は優勝したのです。仮に2人が同じ条件下でライブベイトを使用したとしても、それ以上のウェイトを釣ることはできなかったでしょう。
 一方の日本はフィールドが狭いので仕方がないかもしれませんが、集団の中で釣り勝つ”食わせ”ばかりが重要視されています。「エサを使ったら勝って当然」とヒステリックに騒がれるよりも、「エサなんか使っても勝てない」と言われるようなバスフィッシングを日本のバスプロも目指してほしいです。

日米のプロトーナメントの違い その5


 アメリカのトーナメントでは不正行為は刑事事件にも発展しかねません。バスをどこかに繋いだり、カゴに入れて隠しておくような悪質は不正は詐欺行為にあたり、過去には逮捕され、テレビのニュースで顔写真まで公開されたケースもあります。それだけに不正を行おうとする者にはそれなりの覚悟が必要となります。リスクが高いほど、不正への抑止効果もあります。
 過去にはラインをバスの口に繋いでスタンプ等にくくり付けて泳がせておき、他人に先に繋がったバスが見つかり、オフィシャル側が誰が犯人かを突き止めたケースもありました。このケースでは犯人はスタンプに向かってクランクベイト等をキャストし、フックがラインを引っかけると結果的にバスの口元までフックがずれていくので、同船のコアングラーまでも釣ったように欺こうとしたのでした。このケースはかなり特殊な事例ですが、一般にコアングラーといった第三者が同船する場合は、不正をするのはかなり難しく、実際あまり耳にしません。ただ、2人一組で参加するチームトーナメントは、不正の噂は絶えずあります。
 一方の日本では1人同船が普通ですから、バスをどこかに隠しておくような悪質な行為も、やろうと思えば、簡単にできてしまいます。参加者の理性と良識だけが頼りです。そして、不幸にも不正行為が発覚しても、臭いものに蓋をする、トカゲの尻尾切りで、何となくうやむやに解決してきました。そもそも、トーナメントのペイバックすら不透明な状態です。アメリカでは到底考えられません。結局、日本は仲良しクラブの身内の釣り大会のインチキ程度で、警察が介入できるようなレベルではないということなんでしょうか。今のままでは、不正行為が無くなることはないでしょうし、ますます日本のプロトーナメントの権威は地に落ちていくことでしょう。

日米のプロトーナメントの違い その4


 不正というと聞こえが悪いですが、日米でルールに違いがある場合があります。アメリカでは公式プラクティス中にコアングラーや試合に出場しないロコのアングラーやプロのガイドの情報を得てはいけないとルールがあります。もちろん、オフリミット期間中に第三者にプラをさせて情報を得ることもできません。いわゆるノーインフォメーションルールです。試合をできるだけフェアに行うのが目的です。ただし、インターネット等で公に公開されている釣果情報などは問題ありません。
 たとえば、B.A.S.S.やFLWでは公式プラクティスは家族以外は試合に出場する者同士しか一緒にプラクティスができません。つまり、プロは同じトーナメントに出場するコアングラーと一緒にプラクティスをすることができますが、プロがロコのコアングラーとプラクティスをして、コアングラーからポイント選択等のアドバイスをもらった場合は、厳密にはルール違反となり、プロテストを受けるとDQになる可能性があります。
 一方の日本ですが、情報戦が半ば常識となっています。有力な選手ほど自身のスポンサーメーカーの息が掛かったチャプターやショップ等のアングラーを各地方に抱え込み、一緒にプラクティスをしています。オフリミット期間中もロコのチャプターのアングラーに釣りをしてもらって情報を得ているとも聞きます。もちろん、日本ではルール上問題ないわけですから、それも戦略の一つでしょう。でも、個人的には日本のトッププロと呼ばれる人たちが、スポンサーというエサでロコの選手を釣る行為は情けなく思います。
 日本のトーナメントも2名乗船に変更しない限り、不正がなくなることはないでしょう。それでも2名乗船を断固として拒否する人たちがいると聞きます。アメリカと違ってボートが小さいので、2名は無理といいながら、実際はプラクティスでは小さなアルミボートでも2名で釣りをしていたりします。結局は実際に使っているルアーを見られては、プロモーション活動として、うまみがないと感じる人がいるというわけですね。