月別アーカイブ: 2009年4月

赤目のバス


 実は先日、カリフォルニアのレイク・ニューマロニーで釣りをしたとき、珍しいバスを釣ることができました。そのバスとはレッドアイバスです。
 当然日本では馴染みのないバスで、ボク自身本物を見たのは初めてでした。実はカリフォルニアにレッドアイバスがいるなんて知らなかったので、はじめはスモールマウスだと思ったのですが、よく見ると確かになんか変でした。実際、この湖にはスモールマウスはいないそうです。
 レッドアイバスはもともとはアラバマ州とジョージア州の一部の地域にしか生息しない種でしたが、経緯は分かりませんが、カリフォルニアの一部の湖でも生息が確認されているようです。しかしながら、このレッドアイバスは最大でも3ポンド止まり、ほとんどは豆サイズで、ゲームフィッシュの対象魚としては人気がありません。そのため話題にもほとんどならないのが現状のようです。
 レッドアイバスとスモールマウスの違いですが、レッドアイバスの方が口がやや大きく、全体に(特にヒレが)赤みがかっています。名前の通り目は赤いのですが、スモールマウスも目が赤いので、赤目というだけでは判断はできません。また、全体のボディーの形状が、なんとなくサンフィッシュ系の形をしています。そして、ブルーギルのようなエラブタに黒い模様があります。あと、これは個体差もあるのかもしれませんが、腹側が少し青みがかっていました。

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日米のプロトーナメントの違い その3


 アメリカでも不正は度々起こっていて、「アイツは怪しい」という話もよく耳にします。最近、ボクが一番ショックだった事件はデルタのある有名なロコアングラーの不正発覚でした。あえて名前は出しませんが、彼はデルタのトーナメントにしか出場しませんが、とにかく強く、以前から悪い噂がありました。
 彼のケースはなかなか巧妙でした。ドラム缶のような大きな筒状のものをある秘密の場所に縦に沈め、上からグラスやモスでフタをして分からないようにしていたのでした。デルタはタイダルウォーターで干満による水位差がありますが、ロータイド(干潮)でもその筒の口が外に顔を出すか出さないかの水深の場所だったそうです。彼は常日頃からバスを釣るとそこに放流?をしていたのです。満潮時には逃げ出すバスもいたでしょうが、それは仕方なしとして、とにかくビッグフィッシュをせっせと中に放流していたのでした。
 彼は試合になってピンチになるといつもそこに行き、フリッピングでビッグバスを抜いていたそうです。ただし、長居は無用で彼はそのシークレットポイントにはいつも数投で立ち去ったそうです。バックシートのコアングラーにはそこに何が沈んでいるのかも分からなかったそうです。そして、ついにその秘密がバレてしまったのでした。
 アメリカでは個人がブッシュやクリスマスツリーなどを沈めて、シークレットポイント作るのは違法ではありません。バスプロショップなどでも沈める用のプラスチック製のブッシュカバーが売られていたりします。また、公式プラクティス中でなければ、試合前にコーブなどの特定のポイントにバスを移動させて、バスの魚影を濃くするような行為もルール的には問題ありません。ただし、1日に1人あたり5匹以上のバスをライブウェルに入れる行為は違法となりますが・・・。
 つまり、個人しか知り得ない特定の場所に構造物を沈め、バスが居着くように放流を繰り返す行為自体は、ルール上はOKとなってしまいます。今回のケースでもバスは逃げ出そうと思えば逃げることもできたわけで、また、100%確実に釣れるというわけでもありませんでした。厳密には限りなく黒に近いグレーで、完全な黒とは言えないと判断されたと聞いています。結果、過去の戦績が抹消されることはありませんでした。ただし、彼はその後、完全にトーナメントシーンから姿を消してしまいました。スポーツマンシップに欠ける行為もまた許されないのです。

日米のプロトーナメントの違い その2


 アメリカのトーナメントは現行犯でない場合で、他のアングラーからプロテスト、つまり正式な抗議を受け、当の本人がそれを否定した場合はポリグラフ、いわゆるウソ発見器で白黒をハッキリさせます。
 このポリグラフテストは非常にポピュラーで、ローカルのトーナメントでもちょっとした団体なら行うことができます。例えば、よくあるケースで、”あいつはオフリミットのブイとブイを結ぶラインを越えてキャストをしていた”とか、”あいつはノーウェイクゾーンをアイドリングではなく走り抜けていた”など、第三者のアングラーからオフィシャルへプロテストがあると、当の本人がそれを認めない場合は同船のコアングラーが否定しても、ポリグラフテストを受けなければなりません。現場に公平な審判がいない限り、ポリグラフテストぐらいしか頼るものがないというわけです。
 もし、このポリグラフテストを拒否すれば、今度は裁判にも発展しかねませんし、結果として黒となった場合はその団体への出場は永久停止となることもあります。アメリカのトーナメントはスポンサー契約もシビアですから、違約金やら何やらでけっこうもめるそうです。
 ポリグラフテストをパス、つまり白と判断されれば無罪放免です。その後つべこべ言われることもありません。ポリグラフテストが本当に信用できる装置かどうかは関係ありません。もちろん、黒と判断されればDQ(ディスクオリファイ)となります。DQの程度はその日のウェイトが無効になるものから、試合の全日程のウェイトが無効になるものなどさまざまです。
 このポリグラフテストは何もプロテストを受けた選手のみに行われるわけではなく、たとえばトップ10カットで残った選手でランダムに選出して、フェアに試合が行われているかチェックしたり、大きな大会では優勝者が試合後にポリグラフテストを受けることもあります。実はボク、一度だけポリグラフテストの現場を見たことがあります。詳しくは書きませんが、ボクが受けたわけではありませんよ。
 一方の日本のトーナメント界ではポリグラフテストが行われたなんて話は聞いたことがありません。今回のような事件があると、残念ながら”過去のあの試合も怪しい”なんて批判が殺到します。事の真相は当の本人しか知り得ないわけで、今回が初犯だったと主張しても今さら証明のしようがありません。団体は除名処分で一件落着とし、過去の試合に関して白黒をハッキリさせません。初犯だったかどうかはボクには分かりません。ただ、噂話であれやこれやとおもしろおかしく個人を攻撃するのは大嫌いです。ボクは彼とはほとんど面識はありませんが、個人的な気持ちとしては初犯だったと願いたいです。そして、それをポリグラフテストで白黒ハッキリさせる機会を彼に与えてあげないのは残念に思います。

日米のプロトーナメントの違い その1


 日本に帰ってくると、例の事件で話題は持ちきりです。本当に残念な事件ですが、ボクは個人の過ちよりも団体の運営方法の方が問題で、結果的に有能なアングラーの将来を潰してしまったと考えています。もともとボクは某団体には辛口ですが・・・。
 ボクは2人乗船をずっと提唱してきました。本当に素晴らしいルールだと思います。でも一方で、2人乗船でも不正は100%防げていないのが、アメリカの本当のトーナメント事情です。不正といってもかなり悪質なものから、ちょっと魔が差したものまでさまざまですが・・・。
 意図的であれ、不慮のことであれ、アメリカではサイトフィッシングでフックがバスの口の外側に掛かった場合はキャッチしたとは認められず、条例違反の引っかけ行為と見なされます。そのバスは即座にリリースする必要があり、トーナメントでウェイインに持ち込んだことが発覚すれば失格となります。といっても、永久追放になるような重い失格ではありませんが・・・。
 今回、ボクも出場したレイク・ハバスの試合はサイトフィッシングパターンが完全にはまった状況でした。ボクはサイトは嫌いで絶対にしませんし、幸いボクの3日間のパートナーはほとんどサイトをしませんでした。コアングラーはプロがサイトフィッシングでキャッチした場合、バスの口の中にフックが掛かっているかを確認しなければいけません。実際、最終日の1日だけは2匹のバスのフックの掛かり具合をボクは確認しました。たとえば、食ったと思って合わせても、運悪く口の外にフックが掛かっていた場合は、たとえそのバスがキッカーフィッシュであろうとリリースしなければならないのです。
 もし、あなたが高額の賞金が掛かったトーナメントでサイトフィッシングを行い、優勝を決めるビッグフィッシュをキャッチしながら、口のわずか数ミリ外側に掛かっていたとしたら、1人乗船で誰も見ていなかったとしても、迷わずにそのバスをリリースすることができますか? 優勝すると喜んでくれる家族やスポンサーがいて、それでも潔くリリースできるような人って、本当にいるんでしょうか? ボクは正直疑問です。反対にコアングラーの立場で、それNGって言うのも酷な話ですが・・・。今回の試合ではボクのパートナーの釣ったバスは問題ありませんでしたが、仮に2匹のうちの1匹でも、ボクがNGを出していたら、パートナーは1万ドルをもらい損ねる結果になっていました。そうなったら、恨まされそうで怖いです。
 なかなか口を使わないベッドのバスが目の前にいた場合、誰も見ていなければ、実際のところ引っかけてでもキャッチしたいと、やましい心がよぎっても不思議ではありません。アメリカでもチームトーナメント(友人同士や夫婦、兄弟、親子など2人ペアで出場するので不正が起きやすい)では、度々こういう不正行為が発覚し、悪質な場合は警察沙汰になるケースもあります。
 ランダムに抽選でペアを決める2人乗船のアメリカのトーナメントでも100%フェアにトーナメントが行われているとはいえないのが現状であり、日本のトーナメントでは、その難しい決断を完全に個人の良識のみに委ねているというわけです。

ゼットリーブ・ステアリング・テクノロジー


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 アメリカ出発前にYou Tube動画を紹介して反響が大きかったシンクタンクルアーズのホームページが久しぶりにチェックすると完成していました。まだまだコンテンツが少なく、ルアーのスペック情報や価格なども不明のままですが、トリガーフィッシュがどんな形状のルアーであるのかは分かってきました。

 ヘッド部がジョイントとなって、舵の役目をすることでルアーの軌道をジグザグにすることができるのでしょう。これをゼットリトリーブ、ステアリング・テクノロジーと呼ぶんだそうです。出も、どうやって意図的に方向を変えているのかはまだ分かりません。それにしてもイカツイルアーです。まだアメリカでも発売はされていないようですが、発売されれば、日本にも入ってきそうなので、楽しみです。

プッシュポールの使い方


 プッシュポールって日本で売られているのは見たことがありませんが、アメリカではトーナメンターのバスボートの中には、ちょくちょく入っています。ESPNの放送でエリートシリーズの試合なんかを見ていると、特にサイトフィッシングのシーズンにエレキを踏まずに静かにポイントに近づきベッドを探すのに有効なアイテムです。
 ただ、このプッシュポールって、それ以外にもいろいろ便利な使い道があります。根掛かったルアーを外すのに使うことも可能でしょうし、バスボートが座礁して動けなくなったときにも威力を発揮します。
 実はレイク・ハバス戦のザックとのプラクティス中に、見事にシャローに座礁して動けなくなってしまいました。幸いアイドリング中で底は砂地だったので、ボートに大きな被害はなかったのですが・・・。そこでプッシュポールを使って、見事脱出に成功しました。プッシュポールがなかったら、2人でボートから降りて、押すことになっていたでしょう。
 プッシュポールのメーカーって、いろいろありますが、ドットラインの製品って安いです。でも日本ではサイト用には使わないでね。

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巨ギル


 レイク・ハバスでキャッチした巨大なギルです。比較する物がなくて、少し分かりにくいですが、30cmを余裕で超えています。こんなデカイのは生涯初です。
 でもよく見ると、日本で釣れるブルーギルとは微妙に何かが違います。詳しくは分かりませんが、おそらく違い種類なんだと思います。なんでもハバスのブルーギルのレイクレコードは3ポンドオーバーらしいですから、もっともっと巨大なヤツがいるということです。アメリカにはブルーギルもいろいろ生息していますね。

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