月別アーカイブ: 2009年5月

フロッグは本当にフッキングが悪いのか その3


Donkey  「バス用フロッグはシングルフックがいい」という人がいますが、ボクにはまったく理解できません。また、フロッグのフッキングの良し悪しを上から押さえてフックゲイブがどれだけスペースがあるかでチェックする人がいますが、それもナンセンスだと思っています。バスという魚はライギョのように文字通りバイトして(咬んで)エサを捕食するようなアゴの力があるわけでもなく、一気に吸い込んで丸呑みにするタイプです。水槽でバスを飼ったことがある人なら常識です。もちろん、一口で丸呑みにできないようなサイズのエサは結果として歯で逃げられないように咬みますが・・・。しかも、可能な限りバスは本能的にエサを前方から丸呑みしようとします。なぜなら、魚の場合後ろからではウロコが引っかかって呑み込みにくいからです。実際、バスはたいてい右回りに反転するように襲ってきます。つまり、ボディーサイズは丸呑みしやすい一口サイズが理想で、立ち浮き気味の姿勢よりも水平気味の方がノーズ部分をしっかり吸い込みやすいことになります。
Imgp3048  水面が割れ、フロッグが視界から消えたとき、フロッグはバスの口の中に入っていると思われます。このとき、バスは口を閉じています。フロッグがバスの口の中で上向きなのか下向きなのか、前向きなのか後ろ向きなのか、いろいろなパターンがあるはずです。フッキングが決まるかスッポ抜けるかの瀬戸際は、バスの口の中のフロッグが強引に引き出されようとすることで、フロッグがある方向に潰れ、ダブルフックのどちらか、または両方が口から飛び出すまでにどこかに引っかかるかどうかに掛かっているわけです。フロッグは必ずしも上下の向きに潰れるとは限りません。シングルフックが確率的にダブルフックに優る理由は、どう考えても思い当たりません。
 フロッグによっては、ボディーが潰れる前に鼻の部分が裂けたりしてズレ下がって、結果としてフックポイントが飛び出さずにスッポ抜けたりすることがあります。ボディーが軟らかすぎるフロッグもフックがボディに突き刺さってスッポ抜けやすく、ベコンと大きく凹むようなボディの硬さがボクは優れていると考えています。ただし、ライギョマンがするようなシーリングをしっかりすると、空気が抜けにくい分、ボディーが凹みにくいので、こちらもバスには向いていません。

フロッグは本当にフッキングが悪いのか その2


Imgp3053  フロッグゲームにおいてビックリ合わせは絶対に禁物です。伸びのないPEラインに硬い竿では、よほど大きなバスが本気で食ってこないかぎり、弾かれてしまいます。慣れも必要ですが、大事なことはイメージです。「ここで出そう」と思って食わせるのと、予期せぬ不意打ちバイトでは、心臓へのショック(ビックリ度)が違います。要は食わせるタイミングをバスに与えてやるのです。”ここぞ”というところでしっかりポーズを取ってやると、こちら側に余裕が生まれるのです。
 アクションの基本はネチネチと移動距離を抑えて水を押す左右の首振りです。そして、ワンアクションごとにロッドを前に戻してラインスラックを作ります。こうすることで、バスがフロッグにバイトして食い込むまでにラインがピンと張ってしまうことを防ぐことができます。バイトはドカンと激しく出ますが、絶対にフロッグを見失ってはいけません。慣れるまではホワイトやピンクなどの視認性のいいカラーがオススメです。この段階でフッキングをしているようではまだまだ修行が足りません。たとえ掛かったとしても掛かりが浅くバレてしまうケースが多いでしょう。水面爆発と同時に膝が落ち、ロッドを前方に押し出してラインをスラックを出すような反射行動ができるようになると、一人前のフロッグマスターです。
Imgp3057  水面が激しく割れても、フロッグは水中に消えなかった場合は、それはバスの空振りであって、釣り人側のミスではありません。すかさず、ワンアクションを入れると追い食いしてくるケースもよくあります。そして、フロッグが消え、ラインが走るのを確認したら、ロッドを前方に送ります。フッキング前にラインが張ってロッドが引っ張られるようなテンションを掛けてはバスはフロッグを瞬時にはき出してしまいます。そして、渾身の力でフッキングです。この間、約1-2秒です。へなちょこアワセは絶対にダメです。アワセ切れはまず起こりませんから、遠慮は不要です。フッキングは膝、腰、腕を使って、のけ反るぐらいしましょう。ドラグは目一杯締めておきましょう。ガツンとロッドにバスの重みが乗った瞬間こそが、この釣りのエクスタシーの頂点です。

フロッグは本当にフッキングが悪いのか その1


Imgp7106  フロッグはフッキング率が悪いイメージがあります。確かにすっぽ抜けてフッキングが決まらないシーンはよくありますが、他のルアーに比べて極端に悪いんでしょうか?
 例えば、スピナーベイトを引いていても「今のアタリ?」みたいな、体も反応ができないようなショートバイトってけっこうあります。でも、魚が見えないだけにあまり惜しいという感情が湧かず、バイトを逃した感覚がないものです。ワームでも、知らないうちに歯形が入っていたり、当たったと思ったらはき出される、そんなことはよくあります。ところがフロッグは飛び出してくるので、魚のサイズが見えてしまう分、逃したバイトを惜しく感じます。それが、フロッグはフッキングが悪いというイメージを増幅させているんだと思います。
 確かにトリプルフックの付いたトップウォータープラグに比べたら、掛かる確率は悪いかもしれません。トリプルフックなら、バスが確実にルアーをくわえなくても、掛かってくれますが、フロッグの場合、バスがフロッグをくわえてくれないと(一度は口の中にフロッグが入らないと)始まりません。そういう意味ではバイトの数の割には獲れないバスは多いと言えるかもしれません。ただ、明らかに食ってきているバスをミスするのは、フロッグのせいというよりも釣り人の腕のせいというケースがよくあります。そのため、経験&練習を積めば、フッキング率は随分上がってくるものです。これがこの釣りの奥深いところでもあります。

フローティングテール


Watermlnred

 日本では琵琶湖のガイドさんがデザインするルアーが人気というか、次々と登場して一つの流れになっていますが、アメリカではトーナメントプロのシグネーチャーモデルが次々と登場し、一つの流れになっています。

 ビッグバイトベイツがエリートプロのジェフ・クリートのシグネーチャーモデルの第3弾をリリースしました。スクアレルテールワームというストレートワームで、昨今のシェイキーヘッドブームを意識したワームのようです。
 一見すると、それほど特徴はありませんが、テール部分のふくらみ部分だけがフローティング素材でできていて、テールを持ち上げようとするのがセールスポイントとなっています。テールが持ち上がりやすいように、フトコロ部分より後方部分を細身にしているあたりは工夫が見られます。そうやって見ると、ネコリグで使ってみたい気がしてきました。特にチャートテールは個人的な好みですが、スモールマウスに使ってみたいです。
 4.5インチと6インチの2サイズで、それぞれ10本入りで4.5インチが3.79ドル、6インチが3.99ドルだそうです。

フロッグゲームの命


 フロッグゲームに関して、一番大事なことを書くのを忘れていました。それはラインです。フロッグゲームにはPEライン、アメリカンな言い方をすれば、ブレイドラインが絶対に必要です。PEラインなしにこの釣りは成立しません。高価なラインですから、釣りの度に巻き替えたりするわけにもいきませんから、必然的にフロッグゲームにはフロッグロッドと専用リールが必要になってきます。もちろん、PEラインでフリッピンをする人はリールの併用は可能ですが・・・。
 どこかの誰かが、「フロロの20ポンドラインでフロッグゲームは可能」なんて書いているのを見たことがありますが、ハッキリ言ってメチャクチャです。例えが適当かどうか分かりませんが、ボクにとっては「スローテーパーのグラスのクランキングロッドでフリッピングができる」と言ってるぐらい赤っ恥な素人の発言です。フロロではフロッグのポテンシャルを半分も引き出すことができません。
 ボクがメインに使っているラインは65ポンドで、どんなに細くても50ポンドまでです。正直、65ポンドよりも細くしてもメリットよりもデメリットを多く感じます。アメリカ人もほとんどが65ポンドを使っているように思います。
 65ポンドと聞くと、使ったことがない人にとってはすごくオーバーパワーな感じがするかもしれませんが、使っている側は強度をあまり気にしていません。もちろん、今までアワセ切れも含め、切られたことは一度もありませんが・・・。なぜ、65ポンドなのかというと、この太さが一番扱いやすいからです。飛距離も問題なく、スキッピングがしやすく(バックラッシュしても直しやすく)、フッキング後もスプールにラインがかみにくく、枝などの細いカバーも乗り越えやすく、トップガイドへの絡みが少なく、絡んでも直しやすい、等々。使えば使うほど65ポンドがフロッグゲームに合っているのが実感できます。ただし、強風で特に横風でラインが引っ張られるときだけは、少しでも風の抵抗が受けにくい50ポンドを使います。

フロッグゲームに必須のロッド


 ボクのいうフロッグゲームとは、ヒシモやウキゴミ等の上を引くだけの釣りではありません。スキッピング、ピッチングでフロッグをカバーの奥深くに送り込み、首を振らせてラバーで誘うウィードレス・ペンシルベイトまたはフローティングラバージグというスタイルです。だから、桟橋の下、リザーバーのオーバーハング、川の消波ブロックなどなど、フロッグが活躍するステージは無限です。
 そう聞くと、わざわざフロッグを投げなくても、ノーシンカーのワームなど、代用できるルアーはいくらでもあるように思うかもしれませんが、ボクはフロッグにしかバスが反応しない条件が必ず存在すると信じています。それは例えば着水音の違いかもしれません。フロッグの着水音はプラグでもジグでもノーシンカーのワームでもない独特のペタンというソフトな音です。着水後のアクション時はポッパーやペンシルベイトのようなスプリットリングやフックの擦れる音がない完全なサイレントでもあります。その違いこそが、重要だと考えています。
 だからこそ、フロッグはアメリカでは度々ウィニングルアーになるのです。昨年のFLWフォレストウッドカップでは、マイケル・ベネットがフロッグパターンで見事優勝し、賞金100万ドルを手にしました。フッキングが悪いだけのイメージしかない人にとっては、なんともリスキーな戦略ですが、マイケルにとっては唯一最強の戦略だったわけです。
 この釣りには専用タックルが不可欠です。何かで応用、対応できるようなものではありません。それが、この釣りを難しくして、今一つ流行らない要因にもなっています。フロッグゲームといえば、ライギョロッドを連想させるような長いグリップにガチガチの棒のようなブランクのロッドをイメージする人が多いようですが、それではフロッグゲームはできません。ショートグリップの7フィートまでのロッドが理想です。7フィート以上のロッドでフロッグを操る腕っ節の強いアメリカ人がいますが、ボク達日本人には真似できません。ボクは身長が176cmありますが、そのボクでも愛用ロッドは6フィート10インチです。ボクよりも身長が低い人なら、6フィート6インチでもいいぐらいです。
 ボクが愛用しているフロッグロッドは下記4本です。
CASTAWAY GRASS RAKE610
 ボクが長年愛用しているロッドです。6フィート10インチ。軽い割にトルクのあるブランクで、丸1日使っても疲れません。オープンウォーターからヘビーカバーまで使用範囲も広いです。グリップエンドがソフトなフォームでできていて、フッキングが強引なやりとりを繰り返してもお腹が痛くなりません。
FISHARROW MONSTER QUEEN NEO-610XXX
 フィッシュアローのフロッグ、カバージャック専用に作られたロッド。6フィート10インチ。先調子で硬すぎるのか、サイドキャストでポイントを打つのは苦手な感じですが、ピッチングでは狙ったポイントに決まりやすいです。ロッドが硬い分、フロッグに首を振らせるのは慣れが必要です。どちらかといえば、ヒシモ等のカバー向き。トップガイドはPE専用。
MAJOR CRAFT ARC-69DWF(Walking Frog Special)
 名前の通り、フロッグの首振り専用ロッド。6フィート9インチ。トルクのあるスロー気味のテーパーのブランクと短いグリップのおかげで、低い弾道でキャストが決まりやすく、フロッグも非常に動かしやすいです。若干パワー不足を感じるシーンもありますが、ヒシモなどのカバーでなければ十分。トップガイドはPE専用。
G-Loomis SWR843C
 ソルトウォーター用の7フィートで、マスキーロッドと同じ。ライギョも釣れてくるようなフィールドでヒシモの上を引くときにだけ使っています。ライギョと聞くと、ヒステリックなライギョフリークが「ライギョ用ロッドでないとダメ」と文句を言ってきそうですが、個人的に今までこのロッドで獲れなかったライギョはいません。基本はバスを狙うためで、遠投してヘビーカバーのど真ん中を狙うような釣りはしませんから・・・。

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テールが逆さま


Hightail_shad  昨年あたりからアメリカでもシャッドテールワームが次々とリリースされていますが、アメリカではフットボールジグによるスイミングはまったく流行っていません。アメリカではチャターベイトのトレーラーやカウンター付きフックによるウィードレス仕様で使うのが定番です。
 V&Mから発売されたハイテールシャッドはシャッドテールの向きが特徴的です。テールの向きが逆さまの上向きとなっています。今までにもテールが逆向きのスイムベイトもありましたが、定着しなかったというか、やはりテールは下向きがノーマルとなっていますが、あえて上向きにしたのは、それなりの自信があってのことでしょうか? ウェブサイトによると、より深い層を一定層をキープしてリトリーブしやすいと謳っています。果たして本当でしょうか? 今度ワームを反対にリグって試してみたいと思います。

フロッグゲームはオモムズカシイ


Imgp9595  フロッグゲームはバスフィッシングの面白い要素が凝縮されています。味が濃すぎて、これを味わうと、どんな釣りも薄味に感じてしまうかもしれません。
 狙ったピンポイントにキャストが上手く決まらないと、バイトは得られません。練習あるのみです。そして、せっかく完璧なキャストが決まっても、ワンアクションから180度ターンが決まらないと、フロッグは前に前に進んでしまい、バイトを得られる数は半減してしまいます。いかにスイートスポットでネチネチと誘うことができるか、ロッド操作の腕が試されます。
 食ってくるバスは型揃いです。ショートディスタンスのこの釣りではバイトシーンは迫力満点です。あまりの激しいバイトシーンに思わずリアクション・ビックリアワセをしているようでは、まだまだ半人前です。ところが分かっていても、思わず体が反応してしまいます。ミスすると、ますます熱くなってしまいます。失敗経験を積んで、心臓を鍛えるしかありません。フロッグゲームはフッキング率が悪い釣りというイメージですが、釣り人側の経験値の差でフッキング率は大きく変わります。
 ドッカーンと水面が割れても、冷静にバスがフロッグを咥えたかどうか(フロッグが水面から消えたかどうか)を見届けて、そして、体全体を使って渾身の力でフッキングをします。”へなちょこ”アワセは禁物です。PEラインが唸り、バスの重みがダイレクトにロッドに伝わった瞬間がこの釣りの絶頂の瞬間です。あとは問答無用でカバーの奥から一気に引き出します。ヒットしたバスが50cmだろうが60cmだろうがお構いなしです。ドラグなんて不要です。
 フロッグゲームは、そんな究極の静と動の釣りです。簡単そうで難しい釣りです。キャストの腕の差、ロッド操作の腕の差、経験値の差、タックルバランスがハッキリと釣果の差になって現れる釣りでもあります。それだけに習得する価値があります。

RCクランクの限定セット


B_prod_luckycraftrcsigkit_365x242  バスプロショップからRCクランクの2009年の限定セットが発売されました。バスプロのセットものといえば、かつては安物のイメージがありましたが、最近ではKVDのセクシーシャッドセットなど、使えるセットも販売されています。
 このRCクランクのセットの目玉はレギュラーでは販売されていない限定カラーのセットという点です。内容は下記の通りです。
RC 1.5 (River Red Craw)
RC 1.5 DRS (Homer)
RC 1.5 DD (Phantom Green Craw)
RC 2.5 (River Red Shad)
RC 2.5 Wake (Copper Green Chartreuse Shad)
RC 3.5 (Midnight Shad)
 あのRC1.5のリバーレッドクローやRC1.5DDのファントムグリーンクローが入っています。84.99ドルとセットによる割安感はあまりありませんが、円高の今のうちに通販するのもいいかもしれません。

ロッド&リールのライフジャケット


89777 バス用のタックルは高くなる一方です。ロッドもリールも3万円、4万円は当たり前の世界です。そんなロッド&リールを湖上で落としたら、目も当てられません。実はボクも一度だけ、大事なロッド&リールをワンセットボート走行中に落としたことがあります。
 そこで今回紹介するのが、ロッドガードです。フォーム状の筒で、ロッドのグリップに装着すると、万一湖上に落としても、沈まずに浮いてくれるというありがたいグッズです。言わばロッド&リールのライフジャケットです。
89749 ウェブサイト上ではエリートプロのビル・ローウェンが登場して、ロッドガードの説明をしています。この動画の中で面白いのが、ロッド&リールのセットがときには400ドルもしますってアナウンスがありますが、日本ならセットで10万円でも驚かないのが現状です。本当に日本のタックルで高すぎですね。
 このロッドガードは、正直、あまりカッコイイとは思えませんが、ロッドのグリップエンドに付けると、力一杯のフッキングを繰り返しても、お腹がミミズ腫れにならずに済みそうですね。最近の日本のロッドって、格好良さばかり追求して、ロッドのグリップエンドが金属製だったりして、けっこう痛いんですよね。
 ちなみに価格は2個入りで8.99ドルだそうです。