日別アーカイブ: 2009年4月7日

日米のプロトーナメントの違い その5


 アメリカのトーナメントでは不正行為は刑事事件にも発展しかねません。バスをどこかに繋いだり、カゴに入れて隠しておくような悪質は不正は詐欺行為にあたり、過去には逮捕され、テレビのニュースで顔写真まで公開されたケースもあります。それだけに不正を行おうとする者にはそれなりの覚悟が必要となります。リスクが高いほど、不正への抑止効果もあります。
 過去にはラインをバスの口に繋いでスタンプ等にくくり付けて泳がせておき、他人に先に繋がったバスが見つかり、オフィシャル側が誰が犯人かを突き止めたケースもありました。このケースでは犯人はスタンプに向かってクランクベイト等をキャストし、フックがラインを引っかけると結果的にバスの口元までフックがずれていくので、同船のコアングラーまでも釣ったように欺こうとしたのでした。このケースはかなり特殊な事例ですが、一般にコアングラーといった第三者が同船する場合は、不正をするのはかなり難しく、実際あまり耳にしません。ただ、2人一組で参加するチームトーナメントは、不正の噂は絶えずあります。
 一方の日本では1人同船が普通ですから、バスをどこかに隠しておくような悪質な行為も、やろうと思えば、簡単にできてしまいます。参加者の理性と良識だけが頼りです。そして、不幸にも不正行為が発覚しても、臭いものに蓋をする、トカゲの尻尾切りで、何となくうやむやに解決してきました。そもそも、トーナメントのペイバックすら不透明な状態です。アメリカでは到底考えられません。結局、日本は仲良しクラブの身内の釣り大会のインチキ程度で、警察が介入できるようなレベルではないということなんでしょうか。今のままでは、不正行為が無くなることはないでしょうし、ますます日本のプロトーナメントの権威は地に落ちていくことでしょう。