日米のプロトーナメントの違い その5


 アメリカのトーナメントでは不正行為は刑事事件にも発展しかねません。バスをどこかに繋いだり、カゴに入れて隠しておくような悪質は不正は詐欺行為にあたり、過去には逮捕され、テレビのニュースで顔写真まで公開されたケースもあります。それだけに不正を行おうとする者にはそれなりの覚悟が必要となります。リスクが高いほど、不正への抑止効果もあります。
 過去にはラインをバスの口に繋いでスタンプ等にくくり付けて泳がせておき、他人に先に繋がったバスが見つかり、オフィシャル側が誰が犯人かを突き止めたケースもありました。このケースでは犯人はスタンプに向かってクランクベイト等をキャストし、フックがラインを引っかけると結果的にバスの口元までフックがずれていくので、同船のコアングラーまでも釣ったように欺こうとしたのでした。このケースはかなり特殊な事例ですが、一般にコアングラーといった第三者が同船する場合は、不正をするのはかなり難しく、実際あまり耳にしません。ただ、2人一組で参加するチームトーナメントは、不正の噂は絶えずあります。
 一方の日本では1人同船が普通ですから、バスをどこかに隠しておくような悪質な行為も、やろうと思えば、簡単にできてしまいます。参加者の理性と良識だけが頼りです。そして、不幸にも不正行為が発覚しても、臭いものに蓋をする、トカゲの尻尾切りで、何となくうやむやに解決してきました。そもそも、トーナメントのペイバックすら不透明な状態です。アメリカでは到底考えられません。結局、日本は仲良しクラブの身内の釣り大会のインチキ程度で、警察が介入できるようなレベルではないということなんでしょうか。今のままでは、不正行為が無くなることはないでしょうし、ますます日本のプロトーナメントの権威は地に落ちていくことでしょう。

日米のプロトーナメントの違い その5」への5件のフィードバック

  1. 川越

    これまでの不正はもちろんルールに大いに問題があります。二人乗りでないのはもちろんのこと、ルールで以前のルール違反の話をしただけでも罰せられかねないので『あのときアイツは変なものを投げてた』みたいな話ができなくなってました。もっとオープンな雰囲気が某団体にあればもっと早く不正が発見できたかもしれませんね。

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  2. GRANBASS

     まあ、共に真剣に真面目に戦っていた側の人間から見れば、今回の事件に怒りを覚えるのは無理もないのかもしれませんが・・・。
     ただ、事件後、「アイツは昔から怪しかった」というたぐいの発言は、首を傾げたくなります。そんな怪しいと思うような試合なら、出ないか、団体に改善を求めてしかるべきです。選手は団体に何一つ発言することができないほど、団体は怖い存在なんですね。

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  3. popqueen

     基本的には単にルール違反で、犯罪にはならないのではないのでしょうか。ただそのルールの中には(参加者個々への通達ですが)、『不正を犯したものは過去獲得賞金の全額返金』とされており、それに同意・捺印したもののみが参加していますので、返金されない場合や返金を拒絶した場合は告訴されるべきと思われます。参加者の手取り賞金は源泉徴収されて10パーセントオフされていますので、返金時はその分損ですな。
     前田さん勝手に書いてスミマセン。

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  4. 匿名

    今回の件で団体の在り方を指摘されている方はこのHPくらいです。 だれか一人くらいプロの方が団体の在り方について触れているかなと思い、様々なブログを漁っていますがいずれも個人の批判ばかりでうんざりです。有力な彼を目標とし、彼と勝負することを糧にトーナメントを戦っていた方にしてみれば思いっきり批判したい気持ちも分かりますが、彼はすでに団体から処罰されています。それに対して同じ選手の立場にいた方がさらに個人のブログ等で批判するのはどうかと思います。個人ばかりを責めるのではなく今は団体の在り方をプロ選手の方々で変えて行くべきだと思います。団体は対策をしてルールを変更して行くことが責務だと思います。そうしなければいつまで経っても同じことを繰り返すばかりだと思います。
     自分はトーナメントに関して全くの無知ですので関係者の方にしてみれば判ったような口きくなと言われるでしょうね。一般素人の勝手な思い込みです。
     その6楽しみにしてます。。。

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