日米のプロトーナメントの違い その4


 不正というと聞こえが悪いですが、日米でルールに違いがある場合があります。アメリカでは公式プラクティス中にコアングラーや試合に出場しないロコのアングラーやプロのガイドの情報を得てはいけないとルールがあります。もちろん、オフリミット期間中に第三者にプラをさせて情報を得ることもできません。いわゆるノーインフォメーションルールです。試合をできるだけフェアに行うのが目的です。ただし、インターネット等で公に公開されている釣果情報などは問題ありません。
 たとえば、B.A.S.S.やFLWでは公式プラクティスは家族以外は試合に出場する者同士しか一緒にプラクティスができません。つまり、プロは同じトーナメントに出場するコアングラーと一緒にプラクティスをすることができますが、プロがロコのコアングラーとプラクティスをして、コアングラーからポイント選択等のアドバイスをもらった場合は、厳密にはルール違反となり、プロテストを受けるとDQになる可能性があります。
 一方の日本ですが、情報戦が半ば常識となっています。有力な選手ほど自身のスポンサーメーカーの息が掛かったチャプターやショップ等のアングラーを各地方に抱え込み、一緒にプラクティスをしています。オフリミット期間中もロコのチャプターのアングラーに釣りをしてもらって情報を得ているとも聞きます。もちろん、日本ではルール上問題ないわけですから、それも戦略の一つでしょう。でも、個人的には日本のトッププロと呼ばれる人たちが、スポンサーというエサでロコの選手を釣る行為は情けなく思います。
 日本のトーナメントも2名乗船に変更しない限り、不正がなくなることはないでしょう。それでも2名乗船を断固として拒否する人たちがいると聞きます。アメリカと違ってボートが小さいので、2名は無理といいながら、実際はプラクティスでは小さなアルミボートでも2名で釣りをしていたりします。結局は実際に使っているルアーを見られては、プロモーション活動として、うまみがないと感じる人がいるというわけですね。

日米のプロトーナメントの違い その4」への10件のフィードバック

  1. GRANBASS

     ボクもエリート選手や元エリート選手の知り合いや友人がいますから、陰の情報戦があることは承知しています。そもそも3日間のプラクティスで、広大な釣り場からエリアを絞り込むわけですが、すべてを見て回ることができないのに、試合で大きく外すことがほとんどないという人は冷静に客観的に見れば奇跡に近いですね。マリーナを出て、まずは右に行こうか左に行こうか、たったこれだけの選択で、試合結果に大きく影響が出るはずですが、有名選手はいつも、”正解”エリアを選択しています。
     ただ、少なくともプラクティスで堂々とロコのアングラーと釣りをするようなことはありません。エリート戦に関してはコアングラー制度すら廃止してマーシャル制度とし、より公平に試合を行おうとする努力が見られます。その意味では評価に値すると思いますよ。

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  2. 毎回爽快な御意見に共感しております。
    某団体に関しては、自浄作用は有り得ないでしょう。

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  3. Living in Alabama

    アメリカでも似たような事はいつも噂ですよ。大手釣具メーカーは地元ガイドやローカルプロをスポンサーして、得たポイント情報をEliteプロに提供するとか。電話でどんな話をしても、近くで誰かが聞いて録音でもしない限りは、証拠が残らないですし。噂が嘘か本当かは当事者以外には誰も知る由もないですが。

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  4. サンデーアングラー

    川越プロのコメントは、現場の生の声のような気がして説得力ありますね。
    雑誌の中のメーカーの宣伝ページで、でかいバスが釣れてそこに新品みたいなルアーが置いてありますけど、
    あれって恥ずかしくないんですかね?
    てか、あれは消費者(釣り人)をバカにしてる気がします….
    それから取材でバスを釣ったら、釣った人は口を開けて吠えるような写真を撮るのが流行ってるんですかね??
    JBについてはノーコメントですw

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  5. GRANBASS

     トーナメントの怪しいウィニングルアーよりも琵琶湖のガイドがブログ等で発信するヒットルアーの方が最近は売れているのは、まさに不特定多数の証人がいるからで、説得力というか信用度からでしょう。それだけ、JBのマーケットへの影響力はなくなったということでしょうね。最近のトップ50の試合なんて、スモラバ・マスターと名前を変えた方がいいぐらいですし・・・。
     『不正を行った場合は過去獲得賞金の全額返金と永久退会』という誓約をするのは知りませんでした。過去の獲得賞金までとは厳しいですね。でも、回収した賞金は、繰り上げで他の選手に配らないと、団体だけが丸儲けですよね。

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  6. gama-s

     ご無沙汰しています。
     ひさしぶりに拝見させていただきました。さすがに面白いLoudMouthDiary。
     不正の話、そろそろ収束といった感じですが、日本の会員は年度始めに誓約をするそうですね。『不正を行った場合は過去獲得賞金の全額返金と永久退会』。
     大変ですね。これは。踏ん切りが付いていいかもしれませんが、高くつきそうです。
     右腕が重度の腱鞘炎になってしまい、鍼灸通いです。直ったらまた海にお付き合いください。
     

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  7. 川越

    トーナメントのみならずガイドでも釣れたルアーを自己スポンサールアーに付け替えてブログに載せ宣伝していた虫ケラのような人間がいました。ガイドブログの信用もがた落ちです。もう彼は世間には出られませんが。釣れたルアーを隠すなら名前を出さないというのは分かりますが売りたいルアーにすり替えるという行為も詐欺にあたりますよね。

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  8. TK

    関東の湖で、以前有名プロが取材をしていたのを見た事があります。
    その時も、その湖のスーパーロコが付き添って、釣れる場所、地形、投げる場所等々、レクチャーを受けながら釣りをしてました。
    正直がっかりでした。

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  9. Cranky

    「実際に使っているルアーを見られては、プロモーション活動として、うまみがない」
    これがメーカーやトッププロと呼ばれる人たちが隠していたい最大のポイントなのでしょうね。
    TVやラジオなどのメディアでも同じような隠ぺい行為は日常茶飯事です。番組にお金を出してくれるスポンサーは神様です。悪口言えば即契約解除が待っています。
    JBもルアーメーカーの宣伝場所に過ぎない以上、レボリューションは不可能なのですかね~。

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  10. 匿名

    2名乗船を頑なに拒んでいるのがいったいだれなのかが気になったりします・・・。
    にしても,そういった反対を押し切ってでも不正の起きない仕組み作りは大切だと思うんですけど・・・。

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