日別アーカイブ: 2009年2月15日

トーナメントのペイバック率とは その2


 アメリカのトーナメンターにとって、トップカテゴリーのB.A.S.S.エリートシリーズやFLWツアーに参戦するのは、憧れであり名誉でもあります。ただし、名誉のためだけに大金をつぎ込んでも長続きはしません。選手にとってはトーナメントは賞金を勝ち取り、スポンサーを獲得するための仕事でもあるのです。
 トップトーナメンターにとって、エリートに出場するかFLWツアーに出場するかは大きな決断です。スポンサーの絡みも当然ありますが、そういうしがらみがなければ、ペイバック率は大事な決断の要素となります。つまり、どっちが”おいしい”かです。
 今年のエリートシリーズの場合、何度も変更がありましたが、結局当初のペイアウトに近い形で決着がつきました(ただしAOYランキングのボーナスは減額)。エントリーフィーは1試合5200ドルで101人が出場しますから、エントリフィーの総額は52万5200ドルとなります。一方の賞金総額は計算すると63万8000ドルとなりました。つまり、ペイバック率は121.5%となります。1万ドルの賞金圏は50位なので、2人に1人はエントリーフィーの倍額が返ってくる確率となります。そして、1位から10位までの賞金総額は23万6500ドルと、全体の10%の選手が約37%の賞金を獲得することとなります。※シーズン終了後にAOYポイントランキングに応じてボーナスが支払われます。
 今年のFLWツアーの場合、レギュラートーナメントとスポンサーの冠のついたオープントーナメントがありますが、レギュラートーナメントの場合、エントリーフィーは4000ドルで150人が出場するのでエントリーフィーの総額は60万ドルとなります。一方の賞金総額は計算すると79万ドルとなりました。つまり、ペイバック率は131.75%となり、エリートシリーズよりも高いペイバック率であることが分かります。1万ドルの賞金圏はやはり50位なので、3人に1人はエントリーフィーの2.5倍が返ってくる確率となります。そして1位から10位までの賞金総額は35万ドルなので、全体の6.7%の選手が約44%の賞金を獲得することとなります。つまり、FLWツアーの方がハイリスク・ハイリターンの試合であることも分かります。※賞金額はレンジャーボートオーナーが優勝することを想定した計算です。
 もし、どちらからに出場できるとしたら、どっちに魅力を感じますか? トーナメントってギャンブルですよね。いずれにしても、ペイバック率が100%を超えているのは、多くのスポンサーのおかげです。それでも、全戦出場して、エントリーフィー分だけでも回収できる選手は半分もいないのが現実ですが・・・。

幻のワールドレコード その3


 不可能と思われてきたラージマウスバスのワールドレコード更新が現実的となったのは、南カリフォルニアにフロリダバスが放流されてからとなります。1959年、フロリダバスがカリフォルニア州サンディエゴに持ち込まれ、周辺のダム湖に放流されます。その後、他州では考えられないスピードでバスは巨大化していきました。
Bigbass  1973年6月、レイク・ミラマーで約21ポンドという巨大なバスがキャッチされます。ジョージ・ペリーがワールドレコードバスをキャッチした1932年以降、ほとんど不可能といわれた20ポンドの壁が41年振りに破られたのでした。これは当時、相当なビッグニュースだったに違いありません。20.9375ポンドのビッグバスはデイブ・ズィンマーリーによって、ライブ・ナイトクローラー(生き餌のミミズ)でキャッチされたのでした。
 その後もサンディエゴ周辺では15ポンドを超えるようなビッグバスが数多くキャッチされますが、1980年代のピークを境に久しく20ポンドを超えるようなバスは姿を消してしまいます(後に第2次のビッグバスブームがやってきますが・・・)。
 その後、サンディエゴ周辺に放流されたフロリダバスの子孫たちは、ロサンゼルス周辺にも移植されます。最初に注目されたのはレイク・カシタースでした。1980年3月4日、当時の世界ランク2位となる21.2ポンドのビッグバスがレイモンド・イースレイによってキャッチされたのです。ちなみルアーではなく、ライブ・クローフィッシュ、つまり生き餌のザリガニだったそうです。
 ボクが持っているIn-Fisherman監修の"LARGEMOUTH BASS"の43ページにはレイモンド・イースレイの写真が載っていて、現存する最も大きなバスの写真と紹介されています(当時はジョージ・ペリーの写真は未発見)。

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