日別アーカイブ: 2009年2月18日

幻のワールドレコード その6


 ポール・デュカロスの事件以降、再び数年の沈黙があります。スプリング・レイクからもピークを過ぎたレイク・キャステイクやレイク・カシータスからも20ポンドの壁を破るジャイアントバスがキャッチされることはありませんでした。
Long  21世紀に入り、最初に20ポンドオーバーをキャッチしたのはビッグバスハンターで知られるマイク・ロングでした。2001年4月27日、サンディエゴ郊外のレイク・ディクソンで20.75ポンドのビッグバス(写真上)がキャステイク・スイムベイトのサイトフィッシングでキャッチされたのでした。このジャイアントバスは、殺すことなくリリースされました。後にドッティーと呼ばれたこのバスは多くのビッグバスハンターを巻き込んで数奇な運命をたどることになります。
 ドッティーは2003年3月31日、21.69ポンドにまで成長して再びキャッチされ、さらに2006年3月20日、ワールドレコードをはるかに超す25ポンドオーバーとなってボク達の前にその姿を現すこととなります。残念ながら公式な記録とはならなかったとはいえ、全米のテレビに動画として25ポンドオーバーの本物のバスの姿が配信され、ワールドレコードは不可能ではないことを証明することとなります。そして、2008年5月9日、ドッティーはその生涯を閉じます。
 マイク・ロングは現在、最もワールドレコードに近いビッグバスハンターの1人です。今の世の中、ワールドレコードはアクシデントで釣れることはほぼあり得ないと言われ、真剣に狙っている経験豊富なアングラーにだけ、その禁断の果実を味わうチャンスがあると言われています。マイク・ロングはまさにそんな中の1人です。今までにキャッチした10ポンドオーバーは数知れず。おそらく史上最も多くの15ポンドオーバーのバスをキャッチしているアングラーでしょう。
Big_fish_winnerb  マイク・ロングは2007年3月16日にも、将来が有望なダイヤモンドバレーレイクで、16.43ポンドというレイクレコードとなるビッグフィッシュ(写真中)をキャッチしてます。このときのヒットルアーは6インチのレゴ・ベイツのリアル・トラウトだったそうです。
 ビッグバスハンターにとって、ワールドビッグバス・トップ25にリスト入りすることは大きな名誉でもあります。現在、このトップ25に2回リスト入りしているのは、ボブ・クルーピーただ1人です。そして、2005年4月23日、マイク・ロングは2人目のトップ25に2回リスト入りする名誉のチャンスが巡ってきたのです。
 この日、マイク・ロングはレイク・ミッション・ヴィエホに友人に誘われて釣りに出かけました。レイク・ミッション・ヴィエホは200エーカーのスーパークリアウォーターのダム湖で、周辺住民の会員メンバーまたは、メンバーと一緒のゲストしか釣りをすることができないプライベートレイクです。数多くのニジマスが放流されていたり、多くのレギュレーションに守られている(ほとんどのエサ釣りが禁止)こともあり、最近では数多くのビッグバスがキャッチされている注目のレイクでもあります。当時のレイクレコードは18.00ポンドでしたが、それ以上と思われるモンスターが数多く目撃されていました。
Long_mike  マイク・ロングは20ポンドオーバーと思われるバスを目撃しますが、キャッチすることはできず、その後午後7時30分、別のポイントでハドルストンROF12で19ポンド2オンスのビッグバス(写真下)をキャッチしたのです。そのバスは全長が28.5インチ、胴回りが27.75インチあったそうです。残念ながら、すでにパークレンジャーは帰っていたので、バスは公式に現認されることはなく、写真だけ撮ってリリースされたのでした。この湖はスロットルールがあり、12インチ未満または20インチ以上のバスはキープすることができなかったのです。公式な記録となっていたなら、2度目のトップ25入りの名誉だったのですが・・・。
 レイク・ミッション・ヴィエホでは、その後、2006年3月31日に19.7ポンドがキャッチされ、公式な記録としてトップ25入りしています。近い将来、この特殊なプライベートレイクで、ワールドレコードを更新するバスが釣れるかもしれません。今年の3-4月、事件は起きるでしょうか?