モンスターキング・スピナーベイトってご存じですか? かつてダイリツが世に送り出した歴史に名を残すオリジナルのスピナーベイトです。当時としてはかなり斬新なフィッシュ形状の後方重心ヘッドは、その後、多くのメーカーが採用することとなりました。
ヘッドはホイルフィニッシュで、スカートは少なめでティンセルをコンボしてハンドタイイングし、赤いエラを模したモールをタイイング部に巻いてあり、かなり凝った作りでした。そして、このスピナーベイトは当時本当によく釣れました。ただ、ティンセルが使っているうちにチリチリにカールしてしまうのが難点でしたが・・・。また、”モンスター・キング”というなんともチープな名前が当時のボク的にはイマイチに思ったものでした。
そんな隠れた名品スピナーベイトが、実はアメリカで生き続けています。ダイリツとはまったく関係のないロッドストレイナー社(かつてティムコが代理店として扱っていましたね)から、名前もまんま、ヘッド形状も当時のダイリツのオリジナルヘッドをそのまま型取ったクリソツで販売されているのです。スカートやティンセル、モールまで同じですが、ロッドストレイナー社のものは、ペイントがよりチープな作りで、メイド・イン・チャイナではありません。ただし、フックは本気のがまかつ仕様です。どういうきっかけで、名前まで同じでモンスターキングがアメリカにあるのかは不明です。実はモンスターキングという名前はアメリカ人にとっては、かなりイケてるセンスだったんでしょうか? いずれにしても謎多き名品です。
いろんな形で、いいものは、譲渡されて、受け継がれていくんでしょうねぇ。
モンスターキングの中国製といっても、ダイリツが、日本で開発したモノを、中国で、それなりのノウハウをつぎ込んで、クオリティの高い形で、生産を確立したモノでした。
ネクストワンや、柳さんのナッソあたりのジグとかは、ダイリツ系の流れの、同じと方が、制作依頼されていたモノだったはずです。
メーカーがつぶれると、いろいろあるんでしょうねぇ。
たしかにダイリツに限らず、チャイナメイドのルアーが同じ金型のまま海外に流出する話はけっこうありますよね。でも、へリックスバスに関しては、ネクストワンからのデッドストックをいろいろ買い取ったもので、流出ではないと聞いていますが・・・。
このモンスターキングも中国製ではなく、ロッドストレイナーがオリジナルのモンスターキングを気に入って、そのままコピーしたと聞いています。
http://m-lure-collection.blog.so-net.ne.jp/2008-03-05
このバズベイトも、イエローマジックやターゲットミノー共々、出所というか、企画したビルダーさんは、同じですね。
このスピナベは、ダイリツがつぶれて、再度立ち上げられた、メガテックからも出ていましたが、そこもつぶれて・・・
日本製ルアーの、中国生産の拠点は、この辺の系譜から、確立された遺産のようですね。