月別アーカイブ: 2008年5月

2人のマイクの珍しいDQ


Mikefolkestad  今回ボクが参戦した2試合で、珍しいDQ(ディス・クオリィファイ:失格)が2つありました。
 1つ目はFLWウェスタンシリーズ、レイクミード戦の初日、ウェスタンの大ベテラン、マイク・フォークスタッドがDQとなりました。マイク・フォークスタッドといえば、USオープンを3度制し、レイク・ミードを得意とするアングラーであり、今大会でも優勝候補の1人でした。ところが、マイクは初日オフリミットエリア内で釣りをしてDQとなり、初日のウェイトがゼロになってしまいました。大ベテランのはずのマイク・フォークスタッドがなぜオフリミット内で釣りをしてしまったのでしょうか?
 実は今大会のレイク・ミードは大減水の影響で、スタート地点となるカールビルベイが狭く細くなってしまい、FLWはほぼカールビルベイ全体を岬から岬までを結んでオフリミットとしたのでした。カールビルベイ内は魚影も濃く、多くの選手がプラをしたように、WONBASSや過去のトーナメントでは釣りが可能な場合が多く、むしろ今大会のオフリミットの設定が異例とも言える状況でした。ベテランのマイクは、オフリミットの場所を確認せず、いつものように釣りをしてDQとなってしまったのでした。
Mikeandrews  もう一つはストレーンシリーズ・ウェスタンディビジョン、デルタ戦で起こりました。初日に36ポンド3オンスというビッグバッグを持ち込み、3日間トップを守り抜いて決勝に進んだマイク・アンドリュースでしたが、4日目の決勝でDQとなり、この日のウェイトはゼロとなり、最終10位でフィニッシュとなりました。
 実はマイク・アンドリュースは決勝のウェイインで6匹のバスをライブウェルに入れて帰着したことが分かり、DQとなってしまったのでした。マイク・アンドリュースは地元のアングラーで、これまではストレーンやFLWシリーズにコアングラーで参戦しており、今大会がマイク・アンドリュースにとって初の大きなトーナメントのプロデビューだったのでした。デビュー戦にして、トーナメントリーダーで決勝を迎え、緊張したのでしょうか? まさか、考えられない失態を犯してしまったのでした。ちなみにマイクの最終日のウェイトは優勝するには十分ではなかったというのが、せめてもの救いでしょうか。

バス好きの証し


 FLWシリーズ・レイクミード戦は残念な結果でしたが、楽しいトーナメントでした。毎晩マイケル・ルークが晩ご飯を作ってくれるので、バーベキューパーティー感覚で釣り談義に盛り上がりました。ところで、写真左から2番目のリチャード・スミスは足にバスのタトゥーを入れていました。日本にもバス好きはたくさんいますが、「日本人でバスのタトゥーを入れている人なんて、まずいないだろう」というと、「タトゥーは日本の文化だろう?」と、リチャードは不思議がっていました。

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アレジーの薬


 毎年5月にデルタに出かけると、日本では体験したことがないようなヒドイ花粉症に悩まされます。今回もミードからデルタに到着し、釣りを開始した途端にくしゃみは止まらない、鼻水はエンドレス、目は痒く、ボートで湖面を走ると涙が止まらない、釣りに集中するのは不可能な状態になってしまいました。おそらく、湖岸線に無限に広がるアシ(チュール)の花粉が原因だと思われます。
Imgp5213  そこでクラリティンを購入して飲んでみると、見事に直りました。眠気も起きず、のどが渇いたりもせず、ただアレルギーがピタッと治まりました。1日1錠で24時間効くらしく、おかげで試合中、釣りに集中することができました。この薬、アメリカではポピュラーな薬なようで、どこのスーパーでも普通に買えます。実際、アメリカ人の釣り人の何人からも、ボクが花粉症で苦しんでいるのを見て、「クラリティンを飲めば治るよ」と同じようなアドバイスをもらいました。今後はこの薬のおかげで、5月のデルタ戦が怖くなくなりました。日本では売っているのかどうか分かりませんが、医薬品なので、服用は自己責任でお願いします。

気になるハイパーシリーズ


Image  先日行われたFLWツアー・ビーバーレイク戦はレイクフォークタックル・オーナーのマーク・パックが優勝しましたが、彼のウィニングルアーがFLWのサイトで紹介されています。彼はRC2.5によるクランキングとレイクフォークタックルのプロトワームをセットしたジグで釣ったそうです。
 その気になるプロトワームですが、大きなパドルテールが特徴のスピードワーム系の”ハイパーワーム”と同じく大きなパドルテールが特徴のクリチャー系の”ハイパーフリーク”というそうです。大きなパドルテールは高速でリトリーブをすると大きくバタバタとはためくフラッピングアクションを発生しますが、マーク・パックはこれをバイブレーションと表現しています。ハイパーワームはライブマジックシャッド同様のジョイントボディーとなっているのが特徴で、他のワームの2倍のバイブレーション効果を生み、それがバスを呼ぶと説明しています。スピードワームが大好きなボクとしては、とってもそそられるワームですが、日本ではパテントの関係があるので、手に入れるのが難しそうです。アメリカでの発売は6-8週間後ということです。

今さらマンズ


Hardnose  マンズからも流行の中空バストリックス系スイムベイトがリリースされたようです。ハードノーズ・スイムシャッド・スイムベイトというそうです。 ちなみに5.5インチサイズで4本入り5.99ドルだそうです。
 今頃あえてマンズがこれを出す必要性がどこになるのか、全くもって疑問です。同社パテントのハードノーズ(頭部が硬いマテリアルでフックがずれにくい)を採用しているのが売りなんでしょうが、この手の釣りは、ほとんどの人がスクリューキーパー付きのウェイテッドフックを利用しているので、頭部のズレが気になることなんてほとんどないと思われます。しかも、この商品は付属でイーグルクローの特大7/Oのウェイテッドフックが付いているのですが、スクリューキーパーではなく、ただの真っ直ぐ一本のケン付きペグが付いているだけなので、ハードノーズでもズレそうな気がします。どうも矛盾していて、マンズの意図がよく見えません。

絶対リアル値、倍増チューン


 最近の雑誌を読むと、加藤誠司プロがヴェイロンの記事で”絶対リアル値”なるものをよく口にしています。要はバスが本物のベイトと見間違う究極のリアリティの追求というわけですね。天才ルアーデザイナーが行き着いた悟りの境地といったところでしょうか。
 バスはそれが本物のエサかどうかを視覚、嗅覚、聴覚によって判断していると思われます。水の透明度が高いほど視覚に頼る度合いが大きくなり、透明度が低いほど聴覚(側線で感じる波動)に頼る度合いが大きくなると思われます。
 ソフトベイトの場合、フォーミュラ等を表面に塗って、プラスチック臭や塗料の匂いをかき消すことも絶対リアル値を上げるには効果があると思われます。聴覚に関しては、人間のボクにはバスがベイトの波動をどんな風に感じているのかはさっぱり分からないので、どうすればいいのか検討がつきませんが、視覚に関してはいろいろ工夫ができると思います。
 前回紹介したハドルストンの赤エラチューンは、まさに視覚的”絶対リアル値”を上げる有効な方法だと思います。ボクが考えるスイムベイトの”絶対リアル値”の要素は、バスが斜め後方下からチェイスしながら見上げる視点での見え方です。だから背中のカラーリングのリアルさは、実際はそれほど重要ではないような気がします。だから腹側のフックはできるだけ排除するかヒレ等で目立たない位置にセットした方がいいと思います。
Imgp5018  そこでさらに”絶対リアル値”をパワーアップさせるハドルストンのチューンを考えてみました。それが胸ビレチューンです。水槽の魚をよく観察すると、一番忙しく動いているのが胸ビレです。そして、胸ビレはバスの視点からは絶対的に目に付く存在だと思います。ところが、ハドルストンは背ビレ、脂ビレ、腹ビレ、尻ビレは立体的にデザインされていますが、胸ビレだけはボディーにくっついたデザインとなっています。それは胸ビレを立体的に作ると、ボックス等で収納する際に曲がってクセが付きやすく、結果的にアクションの妨げになる恐れがあるからだと思われます。ならば、こちらでよりリアルな胸ビレを作って取り付けてみましょう。
Imgp5017  まずは白いフェザーを一枚ずつ用意し、適度な長さでカットして、根本部分を2-3mmむしり取ります。次に小さなワームフックを用意し、ラインアイ側からボディに突き刺し、シリコンラバーのムシチューンをする要領でフェザーを通して抜いてやります。少しフェザー部分がボディの中に入った状態の方が抵抗になって抜けにくくなります。余りをカットして、最後に瞬間接着剤で止めてやれば完成です。個人的にはかなりいい出来だと思うのですが、いかがでしょうか?

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またしても赤字


 昨日、無事に帰ってきました。疲れがどっと出て、フラフラです。今回は12日間も釣りをして、贅沢な旅行でしたが、結果はレイクミード戦が11位で賞金が947ドル、デルタ戦が23位で賞金が520ドルでした。今回はゴールデンウィーク中の出発ということもあり、航空券が高めで、航空券代を取り戻した程度で、エントリーフィー、宿泊代、ガス代等で約30万円の赤字です。3月に続いての連続の大赤字で、残り2試合分の経費がなくなってきました。FLWウェスタンシリーズのコアングラー部門の年間ポイントランキングは25位までジャンプアップできたので、フィッシュオフ出場権の30位以内入りは見えてきました。

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釣り三昧旅行も終了


 今日、こちらを発ちサンフランシスコ空港から関空へ帰ります。前回のようなダブルブッキングはたぶんないと思うので、今度は月曜日の夕方には日本に帰ってきているはずです。釣り三昧の贅沢な旅行でしたが、疲れが今頃出てきています。機内ではたっぷり寝れそうです。

トラックも自己主張


 デルタ戦のトーナメント会場で見かけた面白いトラックです。上はマイク・レイノルズのトラックです。スポンサーのラッピングではないところが彼らしいところです。下はザック・トンプソンのピックアップトラックです。後ろのガラスからバスが飛び出しています。

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結局決勝進出ならず


 残念ながら今日は釣りをしていません。もう少しだったトップ10入りですが、またしてもあと1匹の入れ替えがならず、23位でフィニッシュとなりました。3日間最後まで5ポンドオーバーのキッカーが釣れることはありませんでした。ちょっとスランプです。やることがすべて裏目になります。年間チャンプをとった時はけっこうやることがうまくいく感じだったのですが・・・。

 とにかくいろいろあって、いい勉強になりました。小さな油断が大きなミスを招くことも改めて思い知らされましたし、メンタル面の弱さも痛感しました。ただ、昨年は1試合しか出ませんでしたが、今年は残り2-3試合残っています。そろそろ試合感も戻ってきた感じなので、次回までに日本でいろいろ練習して、1つ1つのルアーに絶対的な自信を持てるようにしたいと思います。

 試合中、応援のコメントやメールをいろいろいただきありがとうございました。