日別アーカイブ: 2008年5月24日

もう一つのDQネタ その1


 空き巣が家に忍び込み、部屋を物色したものの、盗むものがなくそのまま立ち去った場合、FLWの裁定なら、この空き巣は無罪となるようです。
Gregpugh  ちょうどボクがアメリカにいる最中、アメリカではFLWの裁定について話題となる出来事がありました。事の発端は4月24-27日に行われたFLWツアー第3戦、レイクノーマン戦でした。 スニッカーズプロのグレッグ・プーはこの試合、予選2日間を9位で通過し、最終4位でフィニッシュしたのですが、2日目にオフリミットエリア内で釣りをしていた(?)のが5-6艇のバスボートによって目撃されたのでした。このオフリミットエリアとは、FLWによって目印がされており、ウェイインされたバスをリリースするエリアとなっていました。通常、オフリミットエリア内で釣りをしたアングラーはDQとなり、その日のウェイトはゼロとなります。仮にボートはオフリミットエリア外でもキャストしたルアーがオフリミットエリア内に入った場合でもDQとなるのがFLWのルールです。

 当然、グレッグ・プーはプロテスト(抗議)を受けたのですが、ポリグラフ(ウソ発見器)テストをパスし、DQにはなりませんでした。そして、その後のグレッグのコメントが物議を呼びました。グレッグは間違ってオフリミットエリアに入ったことは認めたものの、手にはロッドを持った状態でベッドフィッシュを探していたのですが、入れ替えが可能なバスを発見することができず、1度もキャストをすることはなかったというのです。もし、ベッドフィッシュを発見していたら、キャストしていただろうし、DQになっただろうともコメントしたのでした。
 これについて多くの他のFLWツアープロがBASSFANにコメントを寄せているのですが、多くの選手が反論的な意見となっています。特に予選ラウンドを11位でトップ10カットを逃したアンディー・モーガン(現在ポイントランキング1位)にとっては他人事ではありません。辛口なデビッド・ダッドリーは「ショットガンを持って猟犬を連れて森を歩いていたが、獲物に出会えず、最後まで引き金を引かなかった場合、ハンティングをしていたとは言わないのか」とコメントしています。果たして、グレッグ・プーはオフリミットエリア内で”釣り”をしたのか、していないのか。なんとも納得がいかない裁定です。
 そもそもグレッグ・プーがDQとならなかった背景には、彼がスニッカーズのプロだからという見方もあります。FLWの大手スポンサーのチームメンバーでなかったら、DQとなっていた可能性が高いと思います。ちなみにグレッグ・プーは現在ポイントランキングで7位に付けています。

2人のマイクの珍しいDQ


Mikefolkestad  今回ボクが参戦した2試合で、珍しいDQ(ディス・クオリィファイ:失格)が2つありました。
 1つ目はFLWウェスタンシリーズ、レイクミード戦の初日、ウェスタンの大ベテラン、マイク・フォークスタッドがDQとなりました。マイク・フォークスタッドといえば、USオープンを3度制し、レイク・ミードを得意とするアングラーであり、今大会でも優勝候補の1人でした。ところが、マイクは初日オフリミットエリア内で釣りをしてDQとなり、初日のウェイトがゼロになってしまいました。大ベテランのはずのマイク・フォークスタッドがなぜオフリミット内で釣りをしてしまったのでしょうか?
 実は今大会のレイク・ミードは大減水の影響で、スタート地点となるカールビルベイが狭く細くなってしまい、FLWはほぼカールビルベイ全体を岬から岬までを結んでオフリミットとしたのでした。カールビルベイ内は魚影も濃く、多くの選手がプラをしたように、WONBASSや過去のトーナメントでは釣りが可能な場合が多く、むしろ今大会のオフリミットの設定が異例とも言える状況でした。ベテランのマイクは、オフリミットの場所を確認せず、いつものように釣りをしてDQとなってしまったのでした。
Mikeandrews  もう一つはストレーンシリーズ・ウェスタンディビジョン、デルタ戦で起こりました。初日に36ポンド3オンスというビッグバッグを持ち込み、3日間トップを守り抜いて決勝に進んだマイク・アンドリュースでしたが、4日目の決勝でDQとなり、この日のウェイトはゼロとなり、最終10位でフィニッシュとなりました。
 実はマイク・アンドリュースは決勝のウェイインで6匹のバスをライブウェルに入れて帰着したことが分かり、DQとなってしまったのでした。マイク・アンドリュースは地元のアングラーで、これまではストレーンやFLWシリーズにコアングラーで参戦しており、今大会がマイク・アンドリュースにとって初の大きなトーナメントのプロデビューだったのでした。デビュー戦にして、トーナメントリーダーで決勝を迎え、緊張したのでしょうか? まさか、考えられない失態を犯してしまったのでした。ちなみにマイクの最終日のウェイトは優勝するには十分ではなかったというのが、せめてもの救いでしょうか。