日別アーカイブ: 2007年3月14日

コ・アングラーについて その2


 アメリカではトーナメントバブルが起こり、コ・アングラーの賞金額が上がるにつれて、プロ並みの実力がありながら、コ・アングラー専門で賞金を狙う人たちが出てくるようになってきました。中にはコ・アングラーでありながら、スポンサーがたくさん付いた人までいます。高いリスクを払うプロにとっては、プラで苦労して見つけたスポットでバックシートでガンガン釣られてはたまったものではありません。プロにとっては(セミプロ)コ・アングラーは厄介な存在です。中には同船のプロの戦略や釣り方に口出すコ・アングラーまで出ているのも事実です。ルール上は問題なくても、コ・アングラーのあり方についていろいろ議論が起こるようになりました。
 現在のノー・インフォーメーションルールでは、プロはいかなる情報もコ・アングラーから得てはいけないので、さすがにコ・アングラーもプロに口出しできなくなりました。
 2005年のB.A.S.S.プロツアーではプロ(組合)の意向を受けて、コ・アングラーはリミットを3匹として、コ・アングラーの成績は自身が釣った3匹+同船者のプロの5匹のウェイトを加算した計8匹の重量で競うというルールが採用されました。これだとコ・アングラーがいくら釣って入れ替えしても、プロが釣ってくれないと上位を狙うことはできません。コ・アングラーは3匹釣ったら釣りを止めて、プロの邪魔をせず、気分良く釣ってもらうように心がけなさいという主旨でした。さすがに、このルールは不人気で1年で終わってしまいました。
 翌年の2006年はB.A.S.S.エリートシリーズ及びノーザン&サザンツアーはコ・アングラーのリミット数を単純に3匹としました。ただ、コ・アングラーにとってはリミット数が3匹だろうと5匹だろうと、釣りに手を抜くわけではないので、必ずしもプロたちの思惑通りにはいきませんでした。むしろ、コ・アングラーはリミットメイクを気にせず、ビッグフィッシュを狙う戦略に絞りやすくなったおかげで、コ・アングラーのビッグフィッシュのキャッチ率が上がり、コ・アングラーに釣られた同船のプロは精神的ダメージがより大きくなったなんて話まであります。
 2007年のエリートシリーズはコ・アングラー制度を廃止して、完全オブザーバーにしようという動きがあったのも事実です。トッププロ、エリート選手の生の釣りを見ることができるので、同船するオブザーバーはボランティアで参加しなさいというわけです。凍える日や大雨&嵐の日もあるトーナメントで、オブザーバーが毎回100人集まったかどうかは疑問ですが、結局はコ・アングラー制度は存続となり、久しぶりに5匹リミットのルールに戻ったようです。

コ・アングラーについて その1


 最近、ちょっと話題になっているコ・アングラーに関するネタですが、ボクの認識とは少し違うかな?と感じることがありました。ボクが感じた話、実際にアメリカで話題になった話など、もう少し詳しく紹介したいと思います。この件はボクが以前からいつかは紹介したいと思っていた内容なので、けっこう長く続きます。文字だらけの退屈な内容ですので、興味がない方はすっ飛ばしてください。もちろん、中にはコ・アングラーで参加された方で「異議あり!」と反論される方もおられるでしょうが、ボクの個人的な主観だとお許しください。もちろん、コメントは大歓迎です。
 アメリカのトーナメントはボーターとノンボーターが同船する方法が普及しています。特に高額な賞金が掛かっているトーナメントにおいては、不正を防ぐ上でもオブザーバーとしてコ・アングラー(ノンボーター)を同船させるのは必要不可欠です。ボーターとコ・アングラーは抽選で毎日違う組み合わせとなります。この方式は非常に賢いやり方だと思います。業界にとってはアマチュア選手たちの底上げ効果があるからです。日本のトーナメント団体もぜひ採用するべきだと思います。
 コ・アングラーはプロの本気の釣りを間近で見ることができるので、バスフィッシングをより深く学ぶことができますし、プロが使っているタックルやルアー、ボート等を見て、さらにアドバイスを聞いて自身の購入基準にしています。コ・アングラーの優勝にバスボートが賞品としてよく出されるのも、「これを機会にプロへステップアップしなさい」という意味が込められていると思います。コ・アングラーの中には将来プロを目指している人もいますし、単にプロと同船して釣りを楽しもうという人もいます。コ・アングラーが参加することでトーナメントの参加人数は単純に倍になるので、宿泊や飲食等で、地元へ落ちるお金も大きくなるので、各自治体も積極的にトーナメントを誘致してくれます。
 ただ、コ・アングラーはあくまでオブザーバーです。プロによってはコ・アングラーは完全に素人扱いです。実際、コ・アングラーの中には仕事をリタイアして、最近バスフィッシングを覚えたという程度のキャストもままならないおじいさんも数多く出ています。「フリッピングはできるか? ドロップショットはできるか?」なんてプロから言われることだってあります。コ・アングラーはガイド代を払って釣りをする程度の気軽なスタンスで誰でも釣りを楽しむことができるのです。
 コ・アングラーはバックシートで遠慮しながら釣りをしなければなりません。プロによっては投げるルアーを制限する人や持ち込むロッド数まで制限する人までいます。あからさまに不利なボートディスタンスをとる人もいます。あまり釣る気満々のオーラを出していると怒られることもあります。プロの言い分は「高いエントリーフィー(リスク)を払って、プロで参戦しているのに、バックシーターに釣られてはたまらない」というわけです。サイトフィッシングのパートナーと組んでしまうと、ジッと待っていないといけません。プロより先にリミットメイクに成功して入れ替えまでしたら、不機嫌になって、「もういいだろう」と釣りを止めるように言われたことだってあります。根掛かりさせても、ルアーを回収に行ってくれないことだってあります。
 もちろん、すべてのプロがこんな意地悪な感じではありません。むしろ、いい人の方が多く?、同船をきっかけに友達になったり、次回のトーナメントでプラクティスに誘われたりすることだってあります。ただ、コ・アングラーはあくまで付属のアングラーであることに違いありません。

B.A.S.S.が新スポンサー獲得


Special_offers2  B.A.S.S.は全米&世界各地にチェーン展開するモーテル・ホテルグループのラマダ・ワールドワイドとスポンサー契約を結んだそうです。そして、今季のバスマスターメジャー、8月23ー26日にアーカンサス・リバーで開催されるレジェンド戦の冠スポンサーにもなるようです。今回のスポンサー契約によってB.A.S.S.のメンバーは誰でもラマダグループの宿泊代が10%オフで利用できるそうです。ボクもラマダはよく利用します。ネットで簡単に検索できて、予約も簡単ですし、ハイスピードインターネットが完備なので便利です。
 バストーナメントにおいて、モーテルやホテルは切っても切れない関係です。数多くの選手が試合会場の近くのモーテルに滞在します。トーナメンターは一度やって来ると、一週間は滞在しますから、いいお客さんに違いありません。トーナメンターにとっても年間の試合経費に占める宿泊代金の割合はかなり高額ですから、たとえ10%でも削減出来れば、かなり大きいと思います。B.A.S.S.はなかなかいいスポンサーを獲得しましたね。今回の契約はB.A.S.S.、ラマダ双方にとっていい関係で長く続くといいですね。
320mark20tyler  そういえば、昨シーズンに引き続き今季もマーク・タイラー(写真)がやはりホテルチェーンのトラベロッジと契約しています。ラマダは対抗して誰か個人的にスポンサー契約するんでしょうか? こちらの動向も注目です。
http://sports.espn.go.com/outdoors/bassmaster/news/story?page=b_news_BASS_ramada_sponsor
http://www.Ramada.com/bass