随分、更新が遅れてしまいましたが、エバースタート最終日のレポートです。
エバースタートの決勝は予選を通過したトップ10のプロとコアングラーが同じ順位同士でペアを組みます。1位で通過したボクのパートナーは、やはり暫定1位のチャーリー・ウェイヤーでした。実はこのシリーズで最終日をトップで迎えるのは2度目なんですが、前回も優勝は逃してしまいました。正直、追われる立場はプロもコアングラーも余裕がなく、釣りをするのも気を遣います。
チャーリーは初日32ポンド9オンスというビッグウェイトを持ち込み、2日目は16ポンド12オンスと一気にウェイト落とし、完全に追われる立場でした。サイトフィッシングで釣っているのは間違いなく、予選通過後1位で通過したにもかかわらず、多くの友人から"I am sorry"と同情されてしまいました。
サイトフィッシングができないぐらいの風さえ吹いてくれたら、ボクにもエドモンでのチャンスがあったんですが、期待に反して神風は吹かず、チャーリーは朝イチからサイトフィッシングを始めてしまいました。ただ、初日、2日目で釣り残した(釣れなかった)バスを狙うこととなり、当然難易度の高いバスばかりが相手となっていました。1匹釣るまでにも時間が掛かるばかりか、30分も粘って、結局、諦めてしまう場面もありました。
チャーリーのエリアはどこも浅くて、底はトロロ藻だらけ。バックシーターのボクにとって沖側ではほぼバスを釣るチャンスはなく、手を変え品を変え、諦めずにキャストを続けましたが、結局ギリギリのキーパーを3匹しか釣ることができませんでした。ヒットルアーはフォールシェイカーのノーシンカーワッキー。水深60cm程度のシャローを底に着かないように中層を引いてなんとかキャッチしました。
チャーリーは結局2位で逆転を許し、ボクは8位まで落ちてしまいました。この時期はサイトフィッシングになることも覚悟の上での参加でしたが、なんとも後味の悪いトーナメントでした。
月別アーカイブ: 2011年5月
心臓に毛の生えたウッチー
こだわりのスイムジグ
2010年までFLWツアーに参戦、今季からB.A.S.S.エリートツアーに参戦中のネイト・ウェルマンのシグネーチャーモデルのヘビーカバー・スイムジグが、バス・アサルト・ルアーズから発売されました。
ちょうど、スイムジグをテーマに書いているタイミングなので、ピッタリのネタです。アメリカのジグといえば、どちらかといえば大味なイメージがありますが、最近のアメリカはそうとも言えません。このスイムジグはウェイトが1/8オンス刻みで全6サイズ(1/8oz~1/2oz)もあります。スカートのカラーコンビネーションに合わせて、ヘッドカラーもペイントされて、全32色も用意されています。しかも、基本はバンドで束ねたスカートを使用していますが、25セント追加でハンドタイイングに変更することも可能です。価格は4.09ドルです。
正直、これほどまでの微妙なカラーの違いをバスが見分けられるとは思いませんが、アメリカのバスアングラーは日本のアングラーよりも、カラーに関してのこだわりがはるかに強いですね。
http://bassassaultlures.com/tackleshop/product_info.php/nate-wellmans-heavy-cover-swim-jig-p-681
スイムジグと巻きラバの違い その3
巻きラバはどちらかといえばフットボールジグは脇役で、シャッドテールワームが主役といったイメージがあります。ジグよりもはるかに大きなトレーラーを狙いの水深に届ける役目がジグで、スカートも太いトレーラーの頭部にくっついて、あまりなびいていません。
一方のスイムジグはジグ自体の役目が大きな割合を占める感じです。ヘッドには目玉が付いているのがほとんどで、ジグ&トレーラー全体のシルエットが重要視されます。当然スカートのカラー(コンビネーション)もこだわります。トレーラーはシングルテールグラブやツインテールグラブなどのコンパクトなものが主流です。当然、スカートはトレーラーにピッタリくっつくことはなく、水流抵抗でユラユラなびきます。ロッドでアクションを加えたりもするので、スカートのアクションもバイト誘発に大きな役割があります。
スイムジグの基本的な使い方は二つ。スピナーベイトのようにストレートリトリーブ(カバーにもガンガン当ててすり抜けさせていく)する方法と、シェイキングやトゥイッチングを繰り返して、誘いながらリトリーブする方法です。あくまで浅いレンジを釣るのが基本ですが、縦ストラクチャーに対して、一度底まで沈めて、一気に巻き上げる方法も有効みたいです。
スイムジグと巻きラバの違い その2
アメリカのスイムジグは、日本の”巻きラバ”スタイルとは、コンセプトや使い方、シチュエーションがまったく違います。巻きラバが深めのレンジを広く線で釣るのに対して、スイムジグは浅いレンジのカバー狙いが基本です。これは日本とアメリカの釣り場の違いもあると思います。
アメリカの釣り場にはウッドカバーやボートドック(桟橋)などが数多くあります。ブッシュカバーもあちこちにあります。日本中の釣り場にある桟橋の総数よりも、アメリカの有名な湖一つにある桟橋の数の方が多いでしょう。そんなカバーををクランクベイトやスピナーベイトよりもスピーディーにタイトに探っていくために生まれたのがスイムジグなのです。クランクベイトやスピナーベイトはスキッピングできませんが、スイムジグならスキッピングできるので、よりカバーの奥深くを探ることも可能です。
スイムジグは30度アイフックが基本です。ヘッド形状はすり抜け重視の先細りです。当然、重心はアイの支点よりもはるか後方に位置します。つまり、スローにリトリーブすると尻下がり気味になるので、基本的なリトリーブスピードは速めとなります。当然浮き上がりも早く、浅いレンジ用(時には水面直下やバジング)となります。逆を言えば、ディープのグラスをスローにすり抜けさせて釣るなら、スイムジグを使わなくても、テキサスリグでやればいいわけです。
スイムジグと巻きラバの違い その1
アメリカでスイムジグが流行る以前から琵琶湖ではフットボールヘッドのラバージグにシャッドテールワームを組み合わせた”巻きラバ(スコーン)”スタイルの釣りが独自に進化・発展してきました。広大なフラットのウィードエリアを探るには巻きラバは理にかなった釣り方でした。フットボールヘッドは重心がラインアイ近くにあるので、ヘッドが浮き上がりにくく、スローに引いてもトレーラーは水平なスイム姿勢をキープしやすくて、ウィードをかすめるように一定層をキープしやすい(レンジコントロールがしやすい)からです。
ところが、この巻きラバスタイルの釣りは、アメリカではほとんど流行っていません(最近、フレッド・ラームバニスがやっています)。理由は簡単。アメリカには琵琶湖(南湖)のような釣り場が少ないからです。フロリダに行けば、広大なフラットレイクはいくらでもありますが、水深が違います。水深のあるフラットエリアでも南湖のようにウィードが豊富な釣り場はあまり見かけません。
巻きラバの定番のトレーラー、シャッドテールワームもまた、日本で独自に進化・発展してきました。つまり、ジグトレーラーにシャッドテールを使うという発想自体が、アメリカにはほとんどなかったのです。最近になってアメリカでもようやくシャッドテールワーム(アメリカではシャッドテールワームという呼び方はしません)が続々とリリースされています。