月別アーカイブ: 2011年5月

エバースタート3日目レポート


Morning  随分、更新が遅れてしまいましたが、エバースタート最終日のレポートです。
 エバースタートの決勝は予選を通過したトップ10のプロとコアングラーが同じ順位同士でペアを組みます。1位で通過したボクのパートナーは、やはり暫定1位のチャーリー・ウェイヤーでした。実はこのシリーズで最終日をトップで迎えるのは2度目なんですが、前回も優勝は逃してしまいました。正直、追われる立場はプロもコアングラーも余裕がなく、釣りをするのも気を遣います。
 チャーリーは初日32ポンド9オンスというビッグウェイトを持ち込み、2日目は16ポンド12オンスと一気にウェイト落とし、完全に追われる立場でした。サイトフィッシングで釣っているのは間違いなく、予選通過後1位で通過したにもかかわらず、多くの友人から"I am sorry"と同情されてしまいました。
 サイトフィッシングができないぐらいの風さえ吹いてくれたら、ボクにもエドモンでのチャンスがあったんですが、期待に反して神風は吹かず、チャーリーは朝イチからサイトフィッシングを始めてしまいました。ただ、初日、2日目で釣り残した(釣れなかった)バスを狙うこととなり、当然難易度の高いバスばかりが相手となっていました。1匹釣るまでにも時間が掛かるばかりか、30分も粘って、結局、諦めてしまう場面もありました。
P1020562  チャーリーのエリアはどこも浅くて、底はトロロ藻だらけ。バックシーターのボクにとって沖側ではほぼバスを釣るチャンスはなく、手を変え品を変え、諦めずにキャストを続けましたが、結局ギリギリのキーパーを3匹しか釣ることができませんでした。ヒットルアーはフォールシェイカーのノーシンカーワッキー。水深60cm程度のシャローを底に着かないように中層を引いてなんとかキャッチしました。
 チャーリーは結局2位で逆転を許し、ボクは8位まで落ちてしまいました。この時期はサイトフィッシングになることも覚悟の上での参加でしたが、なんとも後味の悪いトーナメントでした。

心臓に毛の生えたウッチー


P1020681  27日はウッチーと琵琶湖に出たと報告しました。二人してフロッグを投げ倒してきたんですが、ウッチーは今度ダイワから発売予定のプロトのDフロッグをキャストしていました。
 フロッグって、バイトがあっても乗らないイメージが強いですが、経験値を積む(心臓を鍛える)と、フッキング率ってけっこう高くなります。個人的には普通のワームの釣りやスピナーベイトなどとフッキング率は大きく変わらないと思います。ただ、バイトが強烈なだけに、「逃した魚はデカイ」となってしまうわけです。
P1020676  バスの口に一度はフロッグがスッポリ入らないとフッキング動作に移ることもできませんから、不意打ちバイトでもビックリアワセをしてはいけません。PEラインは伸びがありませんから、バスが違和感を感じるとフロッグをはき出してしまうので、バイトと同時にラインを送り込んで、バスがフロッグを持っていったのを確認してから、全身を使ってのフッキングとなります。
 頭では分かっていても、「ココで出そう」なんて思っていても、激しいバイトだと、思い通りのフッキングはなかなか決まらないものですが、ウッチーのフッキングは完璧でした。慌てず、ラインを送り込んで、ラインが走るのを目で確認してから、ラインの方向に対して反対方向に、ロッドのトルクを最大限生かした力強いフッキングを決めていて、この日のキャッチ率は100%でした。まさにボクが目指す理想のフッキングでした。
P1020677  フロッグはバスフィッシングの面白さの要素が凝縮した釣りだと思っています。キャストの精度が求められ、アクションの付け方でバイトの数に差が出て、フッキングに経験値の差が大きく出ます。バイトは強烈で、比較的釣れるサイズはデカイ。ピンスポットに正確にキャストを決め、フロッグを首振りさせると、ドカン。そして完璧にフッキングが決まった瞬間の感覚は一度経験すると、もう中毒になるはずです。フロッグをやってみたい、マスターしたいという人は、ウッチーガイド、オススメですよ。

こだわりのスイムジグ


Sj_logo1  2010年までFLWツアーに参戦、今季からB.A.S.S.エリートツアーに参戦中のネイト・ウェルマンのシグネーチャーモデルのヘビーカバー・スイムジグが、バス・アサルト・ルアーズから発売されました。
 ちょうど、スイムジグをテーマに書いているタイミングなので、ピッタリのネタです。アメリカのジグといえば、どちらかといえば大味なイメージがありますが、最近のアメリカはそうとも言えません。このスイムジグはウェイトが1/8オンス刻みで全6サイズ(1/8oz~1/2oz)もあります。スカートのカラーコンビネーションに合わせて、ヘッドカラーもペイントされて、全32色も用意されています。しかも、基本はバンドで束ねたスカートを使用していますが、25セント追加でハンドタイイングに変更することも可能です。価格は4.09ドルです。
 正直、これほどまでの微妙なカラーの違いをバスが見分けられるとは思いませんが、アメリカのバスアングラーは日本のアングラーよりも、カラーに関してのこだわりがはるかに強いですね。
http://bassassaultlures.com/tackleshop/product_info.php/nate-wellmans-heavy-cover-swim-jig-p-681

スイムジグと巻きラバの違い その3


 巻きラバはどちらかといえばフットボールジグは脇役で、シャッドテールワームが主役といったイメージがあります。ジグよりもはるかに大きなトレーラーを狙いの水深に届ける役目がジグで、スカートも太いトレーラーの頭部にくっついて、あまりなびいていません。
 一方のスイムジグはジグ自体の役目が大きな割合を占める感じです。ヘッドには目玉が付いているのがほとんどで、ジグ&トレーラー全体のシルエットが重要視されます。当然スカートのカラー(コンビネーション)もこだわります。トレーラーはシングルテールグラブやツインテールグラブなどのコンパクトなものが主流です。当然、スカートはトレーラーにピッタリくっつくことはなく、水流抵抗でユラユラなびきます。ロッドでアクションを加えたりもするので、スカートのアクションもバイト誘発に大きな役割があります。
 スイムジグの基本的な使い方は二つ。スピナーベイトのようにストレートリトリーブ(カバーにもガンガン当ててすり抜けさせていく)する方法と、シェイキングやトゥイッチングを繰り返して、誘いながらリトリーブする方法です。あくまで浅いレンジを釣るのが基本ですが、縦ストラクチャーに対して、一度底まで沈めて、一気に巻き上げる方法も有効みたいです。

スイムジグと巻きラバの違い その2


 アメリカのスイムジグは、日本の”巻きラバ”スタイルとは、コンセプトや使い方、シチュエーションがまったく違います。巻きラバが深めのレンジを広く線で釣るのに対して、スイムジグは浅いレンジのカバー狙いが基本です。これは日本とアメリカの釣り場の違いもあると思います。
 アメリカの釣り場にはウッドカバーやボートドック(桟橋)などが数多くあります。ブッシュカバーもあちこちにあります。日本中の釣り場にある桟橋の総数よりも、アメリカの有名な湖一つにある桟橋の数の方が多いでしょう。そんなカバーををクランクベイトやスピナーベイトよりもスピーディーにタイトに探っていくために生まれたのがスイムジグなのです。クランクベイトやスピナーベイトはスキッピングできませんが、スイムジグならスキッピングできるので、よりカバーの奥深くを探ることも可能です。
 スイムジグは30度アイフックが基本です。ヘッド形状はすり抜け重視の先細りです。当然、重心はアイの支点よりもはるか後方に位置します。つまり、スローにリトリーブすると尻下がり気味になるので、基本的なリトリーブスピードは速めとなります。当然浮き上がりも早く、浅いレンジ用(時には水面直下やバジング)となります。逆を言えば、ディープのグラスをスローにすり抜けさせて釣るなら、スイムジグを使わなくても、テキサスリグでやればいいわけです。

スイムジグと巻きラバの違い その1


 アメリカでスイムジグが流行る以前から琵琶湖ではフットボールヘッドのラバージグにシャッドテールワームを組み合わせた”巻きラバ(スコーン)”スタイルの釣りが独自に進化・発展してきました。広大なフラットのウィードエリアを探るには巻きラバは理にかなった釣り方でした。フットボールヘッドは重心がラインアイ近くにあるので、ヘッドが浮き上がりにくく、スローに引いてもトレーラーは水平なスイム姿勢をキープしやすくて、ウィードをかすめるように一定層をキープしやすい(レンジコントロールがしやすい)からです。
 ところが、この巻きラバスタイルの釣りは、アメリカではほとんど流行っていません(最近、フレッド・ラームバニスがやっています)。理由は簡単。アメリカには琵琶湖(南湖)のような釣り場が少ないからです。フロリダに行けば、広大なフラットレイクはいくらでもありますが、水深が違います。水深のあるフラットエリアでも南湖のようにウィードが豊富な釣り場はあまり見かけません。
 巻きラバの定番のトレーラー、シャッドテールワームもまた、日本で独自に進化・発展してきました。つまり、ジグトレーラーにシャッドテールを使うという発想自体が、アメリカにはほとんどなかったのです。最近になってアメリカでもようやくシャッドテールワーム(アメリカではシャッドテールワームという呼び方はしません)が続々とリリースされています。

スイムジグ”マツラバ”


P1020612_2   19日は琵琶湖ガイドのMBLOW松下君にマツラバの釣りを教えてもらいに行ってきました。マツラバは正統派のスイムジグです。松下君自身、2008年にFLWイースタンシリーズにコアングラーでフル参戦し、その際にプロの本場のスイムジグテクニックを見て、この釣りをマスターしようと思ったそうです。
 ボクも2008年にはスイムジグに関して、いろいろ書いたことがありますが、あれから3年目。今はほとんどすべてのジグメーカーがスイムジグを販売するまでになって、ジグの一つのカテゴリーとなっています。その間、松下君もしっかりスイムジグで釣り込んで、マツラバの試作を繰り返して、ようやく今季販売を開始したというわけです。
 ちなみに2008年当時のボクは”スイミングジグ”と表記していますが、アメリカでは”スイムジグ”と表記するのが正しいみたいです。どうでもいいようなことかもしれませんが、スイミングワームとスイムベイトの違いみたいなものでしょうか。
P1020631  マツラバが正統派のスイムジグと書いたのは、なんといってもすり抜け重視の30度アイフックを使用している点です。3/8オンスながら、スキッピングがしやすいように、ウェイトはワームキーパー部にまで分散して、後方重心となっています。その分、浮き上がりとスイム姿勢の保持のために、ヘッドの下部に水の抵抗を受けるカップ状のデザインが施されています。ブラシガードも少なめの軟らかめで、フッキングの妨げにならないようになっています。
P1020632  スカートはいわゆる”ウォーイーグル巻き”の外向きだけのハンドタイイングで、スカートはなびきやすく、スキッピング時の抵抗にもならないように工夫されています。本当に感心させられっぱなしで、ちょっとスイムジグをかじった程度ではないことがよく分かりました(アメリカのメーカーでも流行りに便乗して出しているメーカーが多いのが現状)。それだけに、松下君の解説には自信のようなものがみなぎっていました。間違いなく日本のスイムジグの第一人者でしょう。
P1020620  実はスイムジグがアメリカで流行っているとはいえ、ボクがよく行く西海岸では、まだまだスイムジグをやり込んでいるアングラーが少ないのが現状で、実際にスイムジグで釣るプロは1度しか見たことがありません。どちらかといえば、チャターベイトの方が圧倒的に流行っているような感じです。そのため、ボク自身もスイムジグを正しく理解できていなかったというか、有効性、必要性を見いだせないでいました。今回、松下君と釣りをして、ようやく開眼しました。
過去のスイムジグネタ
http://granbass-blog.teckellure.com/2008/02/post_8784.html”>http://granbass.blog.ocn.ne.jp/granbass/2008/02/post_8784.html
http://granbass-blog.teckellure.com/2008/02/post_1bdb.html”>http://granbass.blog.ocn.ne.jp/granbass/2008/02/post_1bdb.html
http://granbass-blog.teckellure.com/2008/02/3_a076.html”>http://granbass.blog.ocn.ne.jp/granbass/2008/02/3_a076.html
http://granbass-blog.teckellure.com/2008/02/post_4ae6.html”>http://granbass.blog.ocn.ne.jp/granbass/2008/02/post_4ae6.html

USオープンまで2カ月


 今年も7月18-20日にWONBASS主催のレイク・ミードでUSオープンが開催されます。今年もICASTショーの後の日程なので、大いに盛り上がりそうです。ところが、一つ大きな問題が発生しています。
 実はFLWツアーのテーブルロック・レイク戦が洪水で中止となり、その振り替え戦が7月21-24日のピクウィック戦となったことで、FLWツアーに参戦中のウェスタンアングラーが出場できない事態となってしまいました。その中には過去のUSオープンウィナーであるジャスティン・カーやクリフォード・パーチといった選手も含まれます。正確にはどちらか一方を選ぶということになりますが、年間ポイントを争っている選手にとっては1戦でも欠場すると大きな痛手となります。せっかくのUSオープンですから、顔ぶれは豪華なほど盛り上がるんですが・・・。

何がニューテクノロジー?


P1020529  http://granbass-blog.teckellure.com/2011/05/hunt_7bb0.html”>先日も紹介したB.A.S.S. TIMESネタですが、こんな一面広告もありました。正直、内容にビックリです。http://granbass-blog.teckellure.com/2011/02/rc_ae44.html”>RC²(スクエア)シリーズって、「3年前なら作るのが不可能だった」そうです。ニューテクノロジーって、いったい何のことなんでしょうか? 3年前ならこの安い価格で、このクランクベイトを作ることが不可能だったのか、それとも3年前の技術では、こんなアクションをするクランクベイト自体を生み出すことが不可能だったのか・・・。いずれにしても、意味深で大げさなコピーです。凡人のボクには、それほどすごいクランクベイトには思えません。
 とにかく、BPS&ラッキークラフトコラボのRCシリーズは、もう発売されて3年どころの話じゃありませんから、これって、RCシリーズに対する当て付けみたいな感じがしないでもないです。

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エバースタート・デルタ戦 2日目レポート


 2日目のパートナーはハワード・ヒューというおじさん。実はハワードとペアを組むのは2回目です。前回は2005年、ハワードのホームレイクであるレイク・シャスタで開催されたバスマスターオープンでした。この試合は初日にペアを組み、ボクはハワードよりも大爆釣。ハワードもコツをつかんで、2日目以降がんばって、なんと優勝してしまったのでした。それがきっかけで、ハワードはボクを見るといつも話しかけてくれて、前週のアングラーズチョイスでも話をしたばかりでした。
 ハワードは仕事もとっくにリタイヤして、今はキャンピングカーでトーナメントにいろいろ参戦して悠々自適な生活をしています。ちょっと動くと、息が切れて辛そうですが、それでもボートドライブはクレージーです。自分の父親みたいな年齢ですが、このタフさには感心します。
 ハワードの釣りはブラインドのドロップショットがメインで、スローに釣ってくれるので、バックシーターには最高のパートナーなんですが、初日でも10ポンドちょっとしか釣っておらず、エリア的にはビッグウェイトが出そうなポテンシャルは、まったく感じられません。結局釣れるのはボクばかりですが、ノンキーの嵐。なんとかキーパー4匹を昼までかかって釣りましたが、ハワードはキーパー2匹。
 さすがに辛抱たまらず、風が少し吹いたタイミングで移動してくれました。ハワードはリップラップのバンクをチャターベイトで流す作戦に変更しました。リップラップから約3mぐらいの距離に平行にグラスのラインがあって、ハワードはアウトサイドのウィードラインに沿ってチャターベイトを投げてボートを流します。当然、ボクにはスペースがないので、バンクからウィードのインサイドラインまでの短い距離が勝負となります。タイドも下がって、底が丸見えな感じで、正直これはダメかと思いました。
P1020584  普段ならフロッグを投げるところですが、なぜかエドモンに手が伸びました。ピッチングやサイドキャストでバンクギリギリに落とし、リールを半回転ずつ、または1回転ずつストップ&ゴーで巻き、フラットサイドならではの平打ちで誘うといきなり3ポンド半のグッドサイズがヒット。これでリミットメイク。さらに3ポンドクラスがヒットして入れ替えに成功。これで予選通過を確信します。底が丸見えなんですが、ヒラッ、ヒラッとエドモンを目で追うと、どこからともなくバスが出てきて、引ったくっていきます。ハワードもチャターでリミットメイクに成功しましたが、ボクはキーパーを6匹ぐらいキャッチし、さらに入れ替えに成功しました。
 ボクの予想では、コアングラーの優勝は3日間で45ポンド(15ポンド平均)。2日間の予選通過ラインは26ポンドで、2日間のトップは35ポンドぐらいだろうと読んでいたのですが、フタを開けると約30ポンドのボクがトップという予想外の展開となってしまいました。
 結局、この試合はボクにとってエドモンがキーとなったわけです。あのとき、エドモンをとっさに結んでいなければ、予選は通過できなかったでしょうが、エドモンが釣れすぎて1位で予選を通過したことが決勝での敗因となってしまいました。

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