トーナメントのペイバック率とは その1


 先日、いつもコメントを入れてくれる"Living in Alabama"様からペイバック率に関するコメントをいただきました。日本ではペイバック率なんて気にしながらトーナメント参戦する人はいないと思いますが、アメリカではこのペイバック率は非常に大事です。
 例えて言うなら、よく出すパチンコ店とそうでないパチンコ店、よく出す日とそうでない日、どちらを選んでパチンコをするか、みたいなところでしょうか?
 アメリカのトーナメントは明朗会計です。フルフィールドといって定員を決め、定員に対して、賞金額がすべて公表されます。ペイバック率とは、エントリーフィー総額に対する賞金の総額です。たとえば、エントリーフィーの総額が1万ドルで、賞金総額が8000ドルだと、ペイバック率は80%ということになります。
 出場する側からすれば、ペイバック率が悪いほど、割に合わない試合となります。言いかえれば、トーナメント団体自体がそれで儲けていることを意味します。もちろん、団体は運営経費が掛かるので、ペイバック率を100%に近づけるためには、スポンサーの協力が必要となってきます。
 スポンサーからすれば、広告宣伝効果が大きい試合ほど、協賛金も大きく出せますが、広告宣伝効果が小さいローカルの試合では協賛金も出せません。一般にローカルの小さな試合ほどペイバック率は悪く、メジャーの大きな試合ほどペイバック率は高くなります。言いかえれば、エントリーフィーが安いほどペイバック率は悪く、エントリフィーが高いほどペイバック率は良くなるものです。考えれば当然で、団体が儲けていると思ったら、高いエントリーフィーなんてバカらしくて払えません。最近のUSオープントーナメントの出場者が激減しているのは顕著な例です。
 アメリカではトーナメント団体もたくさんあるので、選択肢が豊富です。結果、各団体が少しでもペイバック率を高くする運営努力をしなければ、出場者は減ってしまい、結果スポンサーも減り、団体自体の存続が難しくなるのです。
 一方の日本。選択肢もなければ、ペイバックは不透明。結果トーナメント離れする釣り人とスポンサー。残念ながら廃れるべくして廃れているといった感じがしますね。

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