トーナメントの未来の姿 その1


 今回のバスマスタークラシックはアマケンのツイキャストのおかげで、日本にいながらにしてマーシャルの気分が味わえました。一昔前では考えもしなかったことですが、インターネットの力って偉大です。近い将来には、本当にすべての選手をオンラインで生中継で見ることが可能になるかもしれません。
 ところで、このライブ中継は選手にとって大きな問題も抱えています。それはポイントや釣り方、使用しているルアーまで赤裸々に暴露することになるからです。アメリカのトーナメントはウソが溢れています。プロが公式にコメントするウィニングルアーなんて半分も信用できません(経験上)。プロがバスをキャッチ後、ルアーを外すとポイッとカメラの視界の外に投げてしまうシーンをテレビでよく見ます。これはルアーを映されるとまずいからです。
 一昔前のトーナメントならともかく、今のトーナメントはお金が掛かります。当然、自身の資金力だけで出場するにはリスキーで無理がありますから、スポンサーに頼らざるをえません。スポンサーメーカーにしてみれば、大金払って他社のルアーを宣伝されたらたまったものじゃありませんから、当然、プロはスポンサーメーカーのルアーを使ったと言わなければなりません。ライバル他社を宣伝したらクビなんて契約もあると聞きます。
 確かに本当に自身のスポンサーメーカーの商品をメインに試合に臨む選手もいます。また、ウソはつかないまでも、ルアー名を公表しない選手もいます。BASSFANのレポートでよく”unnamed”と表記されるものがそれです。これは契約上言えなかったり、言いたくなかったり、と理由もいろいろです。
 中には正直にスポンサーメーカー以外のルアーを正直に公表する選手もいます。代表的なのが大森貴洋さんやアーロン・マーテンス、スティーブ・ケネディーなど。ただ、彼らはあくまで少数派です。

トーナメントの未来の姿 その1」への2件のフィードバック

  1. GRANBASS

    西根さん、ボクがこれから書こうとしているあたり、フライイング気味ですよー。西根さんのようにルアーを本気作っている方には、今回のツイキャストは臨むべき姿ですよねぇ。
     でも、最近はスポンサーメーカーも賢くなって、ただ契約するだけでなく、シグネーチャーモデルを出して、売れた分のロイヤリティーを払うケースが増えてきているような感じです。結果、プロも積極的にウソついてまで自身のルアーを宣伝しまくる・・・。結局、トーナメントにお金が掛かりすぎるのがすべての悪の元凶みたいな感じです。

    返信
  2. Nishine

    雨貝さんのツイキャスを見ながら、自分も全く同じ事を思いました。
    今のアメリカトーナメントって、あまりにも参戦経費が高くなりすぎた反動か、プロもお金を出してくれるスポンサーの言いなりにならざるを得ないというようなケースが多くなっているのでは?って感じています。
    例えは悪いですが、トーナメントをプロモーションの場として考えるメーカーにとっては、ある意味お金を積んだもん勝ちってところがありますよね。
    だから、逆にプロのコメントを信じられなくなってしまうという悪循環も生まれてしまっているように感じています。
    そんな流れの中でも、スポンサーメーカー以外の製品を正直に公表するプロは本当に尊敬に値しますよね。
    今後、トーナメントの世界がどう進んでいくか分かりませんが、ただ単にお金を積めばプロモーションになるというような構造ではなく、全てが赤裸々になる事によって嘘が通じない世界。
    契約プロやメーカーにとっても、真の意味で必要とされる製品開発しなければ勝てないし売れない!と言うような世界が生まれてくれれば最高だろうなぁって願っております。
    長文スミマセン!

    返信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください