月別アーカイブ: 2010年3月

凸凹ラバーの可能性


Imgp2290  先日、サナギマンにそっくりなジグ、ジュエルベイツのJロックフリッピングジグを紹介しましたが、ウェブ上の写真では分かりづらかったので、現物を取り寄せてみました。
 分かりづらかったというのは、凸凹が特徴の”ハイパーフレアスカート”です。現物を手に入れて分かったのは、凸凹は片面のみで、もう片面は従来と同じ平らなままです。拡大写真を撮ったので、よく分かると思います。ウォーターメロン系のカラーは海ブドウみたいです。
 スカート表面が凸凹になる分、スカートの表面積が増して水カミがよくなるのが想像できますが、実際にアクションをチェックすると、水中でのフレア感やスイミング時のスカートのなびき加減が増していい感じです。また、スカート同士がくっつきにくい効果もあるでしょう。バスがジグをくわえた際の粒々感がよりリアルに感じるかもしれません。これは今後、流行るかもしれませんね。個人的にはジグだけでなくスピナーベイトでも使ってみたいです。注目です。

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リアルなボックスを覗き見


1  先日も紹介したラッキークラフトUSAの開発部の公式ブログ「The Daily Jerk」に、大森さんのタックルボックスの一部の写真が掲載されていました。おそらく、デルタ戦用のものだと思われます。こういう写真って、大好きです。ちなみに、ボクのデルタ戦用(シャー専用)ボックスはコチラです。
 何がいいかって、リアルだからです。日本の雑誌の”タックルボックス拝見”なんて企画は、リアリティーのかけらもありません。事前にアポとって、釣り人はスポンサーメーカーのルアーばかりを詰め直して、特に新製品を目立つ位置に置いたりして、フックマークもない新品ルアーばかりを撮影して、正直何の参考にもならないし、興味も湧きません。ハッキリ言って誌面の無駄。できない編集者のお助けクソ企画。どうせやるなら、抜き打ち検査でやってみてほしいものです。広告クライアントに頭が上がらない出版社では、絶対できない企画でしょうが・・・。
 そんなわけで、「The Daily Jerk」には、今後もラッキークラフト・プロスタッフの”リアル”なタックルボックスをどんどん紹介して欲しいなと期待しています。ラッキークラフトルアーしか入ってないようなボックスなら見たくないですけど・・・。

世界のダミキ


Bryan3  注目のFLWツアープロ、ブライアン・スリフトを紹介しましたが、ブライアンには2009年から韓国を代表するブランド、ダミキがスポンサーについています。なかなかダミキはいいところに目を付けます。ダミキのルアーやタックルはすでにアメリカマーケット進出を果たしており、最近はアメリカのオンラインショップなどでもちょくちょく目にするようになってきました。アメリカ用のウェブサイトも近々オープンの予定です。またダミキはヨーロッパや南アフリカにもすでに売られています。

Image  ダミキといえば、日本のルアーをいろいろパクったり、アレンジして大きくなったようなブランドですが、最近はアメリカマーケット用にアイテムを絞った展開も見せています。
 先日のFLWツアー・テーブルロック戦で4位となったブライアンはダミキのマンバジグとクランクベイトのDC200(写真)を使ったとコメントしています。また、FLWのウェブサイトに掲載された写真ではダミキ・ダークエンジェルロッドにダミキ・フィネス・ミキワームを持ってポーズをとっています。
Ddc2005  先日はイタリアのモリックスがアイクと契約した話を紹介しましたが、日本のメーカーも本当にウカウカしてられません。エバーグリーンもようやく重い腰を上げて、ついに今年アメリカマーケットに参入するようですが、頑張らないとアメリカで先を越されたモリックスやダミキのパクリと見られたらシャレになりませんよね。
アメリカのダミキのウェブサイト
http://www.damiki.com/
韓国のダミキのウェブサイト

要注目のブライアン・スリフト


Bryan  ブライアン・スリフトというアングラーを知っていますか(覚えていますか)? 先日はブレント・アーラーを紹介しましたが、FLWではこのブライアンも注目のアングラーです。
 ノースキャロライナ州のブライアンはまだ30歳の若手アングラーですが、今、FLWのAOYに最も近いアングラーの一人です。
Bryan2  ブライアンは2005年まではローカルでコアングラーで活躍している選手でした。2005年のストレーンシリーズ・サウスイーストディビジョンでは4戦中2試合で優勝し、年間総合2位でフィニッシュしています。プロに転向したのは2006年のストレーンシリーズで、プロ初試合のレイク・オキチョビー戦で優勝(写真下)してしまいました。あのチャターベイトブームを巻き起こした張本人です。このシーズン、ブライアンは年間総合4位でフィニッシュします。
 2007年、満を持してブライアンはFLWツアーに参戦します。初戦のレイク・トラヴィス戦を2位という好成績でデビュー戦を飾り、第3戦のレイク・ノーマン戦でもトップ10カットに成功し、年間総合28位でROYを受賞しました。また、この年、初出場を決めたフォレストウッドカップでは5位でフィニッシュしています。あのブレント・アーラーがFLWツアー参戦して3年間一度もトップ10カットがなかったことと比べれば、鮮烈なデビューでした。
 翌2008年のFLWツアーは年間総合5位、2009年も年間総合5位と、AOYには一歩届きませんでしたが、毎年AOYレースの常連となっています。
 そして始まった2010年シーズン。事実上の開幕戦となったテーブルロック戦は4位でフィニッシュし、いいスタートを切っています。先日のFLWイースタンシリーズ第2戦でも2位でフィニッシュしており、イースタンシリーズでは2試合終了時点で暫定3位につけています。今季も絶好調といった感じです。ブレントとの今季のAOY争いの行方も楽しみです。

元祖なモップジグ?


Big20square20rubber  モップジグのオリジナルはラウンドではなく、四角いフラットラバーだったと前回紹介しましたが、その四角いラバー(フラットラバー)を使用した極太ラバーのジグを発見しました。
 ノースキャロライナ州のローカルメーカー、シュータールアーズのビッグスクエアラバージグがそれです。詳しいスペックや値段等はまだ何も載っていません。

Squarerubber  写真を見ると、確かに断面が四角いです。リビングラバー社もこんな太いフラットラバーは販売したことがなく、独自のルートで見つけたのか、それともオリジナルでラバーを作ったのか、興味深いです。値段や詳しいスペックは何も紹介されていませんが、再びフラットラバー回帰の流れが生まれるでしょうか?
http://www.shooterlures.com/

10代のエリートアングラー


 いよいよエリートシリーズが開幕です。今年はどんなドラマが繰り広げられるか、どんなルアーがブレイクするか、誰がAOYに輝くか、楽しみがいっぱいです。
Bradley  そんなエリートアングラーの顔ぶれの中で、ボクが注目したのがルーキーのブラッドレイ・ロイです。1990年11月2日生まれのブラッドレイはまだ19歳の史上最年少エリートアングラーなのです。1990年生まれって・・・。10代の若者がエリートシリーズで全米をトレールするなんて・・・。個人的に非常に興味深いです。
 ケンタッキー州のブラッドレイは昨シーズンがプロデビューイヤーで、サザンオープンに出場し、初戦(ハリスチェイン)を33位、第2戦(レイク・ウィーラー)を27位、第3戦(サンティー・クーパー)を10位でフィニッシュし、年間総合5位でエリート出場権を見事に獲得しました。当時はまだ18歳だったことになります。
 彼のプロとしての戦績はその3試合だけなので、そのポテンシャルは未知数ですが、強豪のエリート選手に混じって、どれだけ通用するのか注目です。実は彼はかつて、2004年と2008年のバスマスター・ジュニアワールドチャンピオンシップで優勝した経験を持っています。まさに若くしてトーナメンターを夢見てきた若者が、ついにエリートデビューを果たすわけです。彼のセカンドネームのロイはROYと書きますが、名前のごとく今季ルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝くでしょうか。
Roywrap  ブラッドレイは10年後、20年後に第2のKVDとしてバスフィッシングの第一線で活躍しているかもしれません。今季、ブラッドレイはピュアフィッシングのサポートを受けてトレールをするようです。アメリカ市場を目指す日本のメーカーも、契約金が安い今のうちに青田買いしておくのもありかもしれませんね。http://www.purefishing.com/node/609
 

サナギマン・ジグ


44  エイキンスジグで有名なジュエルベイトから面白いジグが発売されました。名前はJロック・フリッピンジグといいます。まずは写真を見てもらいたいんですが、見た瞬間にボクはサナギマンを連想してしまいました。
 エリートプロのKピンクこと、ケヴィン・ショートがデザインしたというこのジグは、非常に興味深い要素が詰まったフリッピング用ジグです。
 サナギマンのようなヘッドデザインは水流抵抗によるバイブレーションやフラッシング効果があるそうです。ボトムをズル引いても、抵抗感があって感度が高そうですが、トロロのエリアでは使いもんにならん気もします。
 一番興味深いのは片面が凸凹の表面処理がされたシリコンラバーです。ハイパーフレアスカートと呼ぶそうです。水カミが良さそうで、気泡をつかんでラバー1本1本の浮力も増しそうです。また、光の屈折率の関係で、水中でのフラッシング効果も期待できそうです。最近はモップジグ系のネタが多かったですが、シリコンラバーのカラーバリエーションもまた魅力です。
K2  もう一つ、このジグの面白いところは、Jロックシステムというトレーラーキーパーシステムが付いている点です。トレーラーをフックに装着後、ワイヤーキーパーの先端部分をワームに突き刺して、フックのシャンク部分に引っかけて固定する仕組みです。これなら、トレーラーはそう簡単にズレたりしません。
 ヘッドサイズは3/8、1/2、5/8オンスの3サイズがあって、4.35ドルとアメリカのジグの値段としては、かなり高めの設定となっています。

ラバースカートの歴史 


Imgp2244  最近、極太ラバーのネタが続きますが、特別な意図があるわけではありません。個人的に興味があるだけなんです。バスという魚は見慣れたアクションにはスレてしまっても、見慣れない動きにはいとも簡単に反応したりするものです。ボクのような下手くそは人と同じことやったり、流行を追いかけていたんでは、絶対に釣り負けるので、人と違うことをしたり、人が持っていないものを使うことで努力しています。
 この極太ラバーもしかり。かつてラバージグといえば、リビングラバー社の断面が四角いレギュラーラバー(フラットラバーと呼ばれる)が主流でした。その後、リビングラバーのファイン(フラット)ラバーが大流行し、みんなラバーをタイイングしてソークしたものです。
 その後、リビングラバーのフラットラバーは廃盤となり、断面が丸いラウンドラバーの販売を開始しました。アメリカでは今やフラットラバーを巻いたジグはほぼ皆無で、ラウンドラバーが巻かれたジグが市場で受け入れられましたが、日本ではこのラウンドラバーは、なかなか受け入れられず、今ではリビングラバー社以外のルートでフラットラバーのジグが流通しています。もちろんアメリカでも今や入手困難となったフラットラバーにこだわる根強いファンがいます。おかげで、アメリカに行く際にファイン(フラット)ラバーをお土産で持って行くと、非常に喜ばれることがあります。
 ちょうどその頃、カラーが豊富なシリコンラバーが日本で台頭してきました。スモラバやスイミングジグといった流行がシリコンラバー人気に拍車をかけました。今やジグの主流はシリコンラバーといえるでしょう。ただ、浮力の高いリビングラバー系のアクションも捨てがたいです。シリコンラバーとリビングラバーをコンボしたりするのもアメリカでは人気です。
 そのタイミングで登場したのがモップジグ(写真)です。オリジナルのモップジグは四角い断面の極太ラバーが使われていましたが、今のモップジグはラウンドタイプが使われています。ラバー一本一本が生きているがごとく、水を押して大きく動くわけですから、見たことがない(感じたことがない)ジグを見て、ビッグバスも思わず飛びつくというわけです。妄想ですが・・・。

ブレント・アーラー、33歳 その3


Brent3  FLWツアー・ルーキーイヤーの2005年、ブレントは年間総合で73位という成績でフィニッシュしました。ウェスタンとは違う釣り場に慣れず6試合中、3試合で3桁の順位でフィニッシュしたほどです。ところが、翌年の2006年、ブレントはついに覚醒を始めます。FLWツアー年間40位で、チャンピオンシップ初出場を決め、なんとチャンピオンシップ(ローガンマーチン・レイク)で優勝(賞金50万ドル)してしまったのです(写真)。当時まだ29歳、まさにサクセスストーリーです。
 2007年からはブレントはFLWツアーと新しく始まったFLWウェスタンシリーズの両サーキットを回ることになります。2007年以降のブレントはそれまでのブレントとは何かが違うというか、久しぶりに会って、オーラというか貫禄を感じました。もちろん、今でも気さくに話しかけてくれるナイスガイなんですが・・・。
 2004年以来離れていた古巣のウェスタンですが、2007年は4戦中2試合でシングル入賞を果たし、年間総合2位となりました。2008年も4戦中2試合でシングル入賞&年間総合6位、昨年の2009年は初戦を優勝(この試合でボクもコアングラーで優勝)、デルタ戦でも6位となって年間総合2位、今年の初戦でも優勝したばかりです。
 FLWツアーもチャンピオンシップ優勝以降、安定感が増し、2007年は年間総合9位、2008年はツアー戦レギュラーシーズンで初のトップ10カットも果たして年間総合2位、昨年の2009年も2試合でシングル入賞&年間総合3位、そして今シーズンの事実上の開幕戦を優勝でスタートしました。
 まだ、FLWツアー、FLWウェスタンシリーズでの年間チャンピオンというタイトルは獲っていませんが、今季、両サーキットでダブルAOYの偉業も夢ではない好スタートを切ったブレントから目が離せません。実は長年ウェスタンで試合に出ていますが、なぜかブレントと試合でペアになったことは一度もなく、一度、今のブレントの本気の釣りを見てみたいと思っています。

ブレント・アーラー、33歳 その2


 ブレント・アーラーは2000年のWONBASSのウェスタンクラシックでノンボーターのAAA部門で優勝し、その後ボーターデビューを果たしました。2000年秋からB.A.S.S.ウェスタンインビテーショナルにも出場し、その後2002年までB.A.S.S.のウェスタンの試合には8試合出場します。最高位は2002年のB.A.S.S.ウェスタンオープン・レイクミード戦での2位でした。
 ボクが初めてブレントと会ったのは、2000年のウェスタンインビテーショナルのレイク・シャスタ戦でした。当時はドロップショットがまだまだ浸透していなかった頃でしたから、ドロップショットの釣り方を実は苦手なボクが指南したのを覚えています。その後、彼とは仲良くなって、南カリフォルニアの実家に泊めてもらって、彼のホームレイクのレイク・ペリスに一緒に釣りに行ったり、USオープンのプラを一緒にしたこともありました。ベイトブレスのサポートを受けたこともあって、家族で日本に訪れたときに、なぜか東京でボクが浅草の案内をしたこともありました。当時のブレントはどちらかといえばライトリグが得意なアングラーでした。育ちがよく、上品なおぼっちゃんといった印象で、とても全米のツアーを回るようなタイプではありませんでした。
Brent2  そんなブレントが頭角を現すのは2003年から始まったFLWエバースタート戦でした。初年度、初戦のレイク・プレザントを3位、得意のレイク・ミード戦を3位、第3戦のクリアレイク戦をまたしても3位でフィニッシュ。第4戦は当時はまだ不得意だったデルタを41位でフィニッシュし、年間総合で1位となったのでした。2004年シーズンも2試合でシングル入賞を果たし、年間総合で3位となり、ウェスタンでの存在感を示しました。そして、レイク・カンバーランドで開催されたエバースタートのチャンピオンシップで見事優勝(写真、当時27歳)を果たし、全米規模でも通用することを証明したのでした。
 ブレントは翌年からFLWツアーに転向し、古巣ウェスタンでの試合では、しばらく顔を見ることがなくなってしまいました。