ストレーン・デルタ戦 3日目レポート


 2日目、20ポンドオーバーも十分可能だったのに、バラシを連発して16ポンドどまりとなってしまいましたが、3日間トップ10カットラインは1日15ポンド平均で45ポンドぐらいだろうと予想していたボクは、3日目しだいでは十分決勝進出のチャンスもありました。目標は16ポンドです。
Zack  3日目のボクのパートナーは、なんと友人のザック・トンプソン。かつてはバスマスターツアーにも参戦していましたが、エリートシリーズを断念してウェスタンに戻ってきました。過去にプラを一緒にしたりと、以前からよく知っていますが、パートナーとなるのは初めてです。デルタがロコのザックは、2日目終了時点でなんと2位。優勝も狙える位置につけています。
 ザックは丸1日フランク・トランクト内の3カ所をローテーションして回る戦略で、特に1カ所、チュール(アシ)の島と島の間のタイドのカレントが効くピンポイントでほとんどのビッグフィッシュを釣っているということでした。水深が60cm程度のアシ島の先端に何度も何度もしつこいぐらいルアーを入れて、ほかの方向・ポイントには目もくれません。テキサスリグはブラッシュホッグとパワーワーム、クランクベイトはブリッツ、メソッドクランク、ファットCB・BDS1、CB100などをローテーションさせながら、必ずバスが回遊で回ってくると信じて投げ続けました。
 この日のザックは何かが違うのか、バラシを連発させて完全にリズムを崩しているような感じでした。前日までは風が吹いていましたが、この日は無風の快晴、しかもすでに2日間、叩いているポイントだけにバスのバイトが浅かったのかもしれません。ここで大事件が発生してしまいます。ボクはいつもの癖で最初の1匹を釣った段階で、ライブウェルにレジュメネイド(バスメディックス)を入れました。ほどなく、ボクはリミットメイクに成功、ザックも4本目のキーパーをキャッチし、ライブウェルに入れようとしたとき、ボクたち二人は目を疑いました。8匹のバスすべてが腹を見せて浮いているのです。今にも全部死にそうな感じです。まだ朝の9時にもなっていませんが、もし、ボクの5匹すべてが死んでしまえば、ペナルティーを1匹あたり1/2ポンドもらうだけでなく、入れ替えをすることすら許されません。つまり、朝の9時にして、釣りをストップしなければならないのです。ザックにとっても状況は同じで、一気に優勝戦線から脱落してしまいます。
 実はこれには訳がありました。ザックのライブウェル(ザック側)にはオキシゲネイターが取り付けられていたのでした。もちろん、ボクは知りませんでした。実際にオキシゲネイターを使っているアングラーに会ったのもザックが初めてでした。そして、この水を電気分解するオキシゲネイターは、レジュベネイドなどのイオン成分を入れると、なんらかの化学反応を起こし、バスを殺してしまうのでした。確かにオキシゲネイターは海水では使えないとは書かれていますが、レジュベネイドが使えないとは聞いたことがありませんでした。
 とにかく、まだかろうじて生きているバスをすべてライブウェルから取り出し、ランディングネットに入れて、新鮮な水に漬けました。その後、ライブウェルの水を強制排除してから、新しい水を入れてから再度ライブウェルに移し直しました。この時点で、ザックのバス1匹は完全デッド。ボクの5匹は元気を取り戻しかけてはいましたが、小さい2匹はリリースすることにしました(泳いで帰っていくならOK)。まだ時間はたっぷりあるので、2匹釣る以上釣ることは十分可能だと思ったからです。しかし、この一件ですっかりリズムが狂ってしまいました。
 ザックは怒ってしまうし、ボクは申し訳ない気持ちでいっぱいでした。知らなかったとはいえ、ザックの2ポンドのキーパーをデッドにしてしまい、事実上1.5ポンドのバスを入れ替えできないことになってしまいました。優勝を狙うザックにとっては大きな大きなハンデです。ボクはライブウェルを5分おきにチェックして、ザックのバスが大丈夫かチェックしました。
Imgp5196  そんなこんなで、ボクはリミットメイクはできたものの、ウェイトアップできず、11ポンド5オンスという結果でトップ10カットできず、23位という結果で試合を終えることとなりました。一方のザックも13ポンド9オンスとスコアを伸ばせませんでしたが、前日までのリードでなんとか6位で決勝に残り、最終6位でフィニッシュしました。試合後、ザックとは仲直りでき、今はメールでやりとりしていますが、もう少しで友人を一人失うところでした。これからはパートナーがオキゲネイターを付けているかどうか必ず確認したいと思います。試合は残念な結果でしたが、いい教訓もでき、いい勉強もでき、楽しいデルタの試合でした。

ストレーン・デルタ戦 3日目レポート」への2件のフィードバック

  1. GRANBASS

     優勝すれば10万ドルの試合で、2日目まで2位の選手の足を引っ張ったらさすがにエライことです。ボート上ではかなり気まずい雰囲気になりましたよ。ボクは必死で謝りました。ザックもボクが悪気があってやったわけではないので、その怒りをどこにぶつけたらいいのか分からない感じでした。
     それにしてもオキシゲネイターとレジュベネイドを同時に使うのは絶対に厳禁です。

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  2. 相棒鮎瀬

    こんにちは。
    それは、背中がザワザワ・・・冷や汗ダラダラだったでしょうねぇ・・・・。
    大きなお金が絡む試合・・・まして生き物ですから。
    大事に至らなくてなによりでしたね。
    やはり、5分おきにチェックしている姿がザックさんにも伝わったんでしょうね!!仲直りできてよかったです^^

    返信

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