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自身でステイトレコードを11年ぶりに更新


Out12_bass_11122006_o38utqj  去る10月28日、アイダホ州のスモールマウスのステイトレコードがドゥオァシャック・リザーバーで更新されたそうです。釣り人は11年前に同場所で8ポンド5オンスのスモーリーをキャッチしたレコードホルダー自身だったというから驚きです。アイダホ州在住のダン・ステイガーズ(49歳)は、新レコード、9ポンド11.52オンスの超ビッグスモーリーをスイートビーバーでキャッチしたそうです。ドゥオァシャック・リザーバーは大量のコカニーサーモンの幼魚が毎年放流されており、これを補食するスモールマウスが巨大化する傾向にあるそうです。
 ちなみにスモールマウスのワールドレコードは1955年7月にケンターキー州とテネシー州の州境に位置するデイル・ホロー・リザーバーでキャッチされた11ポンド15オンスです。10ポンドオーバーのスモールマウスのほとんど(すべて?)は、デイル・ホロー(ケンタッキー/テネシー)、ウィーラー(アラバマ)、ハイワシー・リザーバー(ノースキャロライナ)でキャッチされています。これら3つの湖にはすべて北緯約36度線付近に位置しています。この位置は本来のスモールマウスの自然分布域の南限であり、スモールマウスを巨大に育む絶好のエサとなるスレッドフィンシャッドの分布域の北限でもあります。冷水を好むと言われるスモールマウスでも、低水温期は成長が止まってしまいます。そのため、冬期は氷結するような場所では、大型には育ちにくく、温暖で成長期間が長く、高タンパクのシャッドをたっぷり食べることができるこの特殊な地域だけがスモールマウスの限界とも言える10ポンドの壁を超えることができると言われてきました。今回、アイダホというやや北部で10ポンドの壁を超えそうなビッグスモールマウスがキャッチされたことで、この定説が覆されそうです。50年以上破られていないワールドレコードはアイダホでキャッチされるかもしれません。

襟巻きスカート


 ラバージグを自分でタイイングする人なら分かると思いますが、タイイングのコツは、スレッドまたはワイヤを可能な限りきつく締め込んで、ラバーを立たせることだと思います。タイイングの仕方でラバーの水中でのフレア感が全然違います。ところが、いかにきつく締め込んでもラバーを立たせるには限界があります。そこで、さらにラバーを立たせる工夫があります。
Erimaki2  またまたシリコンチューブの登場です。エアーポンプの”ブクブク”に使うサイズが使いやすいです。これを薄く輪切りにしてラバーのタイイングの付け根の前後でサンドイッチするのです。具体的にはタイイングを始める前に前側にチューブの輪を1つ通しておき、タイイング後にもう1つのチューブの輪を通します。非常に簡単ですが、あるのとないのとでは仕上がりが全然違います。最近流行のエーキンス風のカットの場合、前側は襟巻き状に垂直立ちさせることもできます。ラバー一本一本が水を押して、アピール度が違います。
Erimaki_1  気にいらなければチューブをカットしてしまえばいいですし、チューブの輪のはさみ具合を調整すれば、ラバーの立ち具合も簡単に調整できます。シリコンは劣化しにくいので、使っていて切れることもほとんどありません。シリコンの輪自体は細くて透明なのでまったく気にもなりません。同じような小ワザはスピナーベイトにも使えます。

フック絡み防止法


Tube1   ボクはフッキング率アップを狙って、一回り大きいトリプルフックによく交換します。また、メキシコなどビッグフィッシュ狙いの際も、太軸の一回り大きなフックに交換します。ところが、いかにもといったナイススポットに見事にキャストが決まっても、前後のフックが絡んだり、ベリー部のフックがリップやラインに絡んだりすると、せっかくのチャンスが台無しとなってしまいます。そこで出番なのが、シリコンチューブを使った小ワザです。シリコンチューブは東急ハンズでいろいろな径のものが売っています。今回は3~5ミリ径ぐらいの細めのものを使います。
Tube2  先ず、フックをスプリットリングごと外して、シリコンチューブを1~2mm厚の輪切り(斜めにカットするとベター)にして、フックアイに差し込んでから、スプリットリングを装着します。そうすることで、スプリットリング&フックの遊びの幅が狭くなって、フックが絡みにくくなります。非常に簡単な小ワザですが、効果抜群です。また、結果としてフックがボディーに当たりにくくなるので、ノンラトルのルアーの場合は完全なサイレントチューンにもできます。ただし、装着したチューブが大きすぎて、スプリットリングの動きを完全に妨げるようだとルアー自体のアクションに影響が出るので要注意です。
 ボクの一軍ルアー、バンディットのフットルースもこの小技が効きます。フットルースはボディーが小さすぎて、デフォルトのフックはシャンクの短いマスタッドのトリプルフック付いています。確かにこのままだとフック同士が絡まないのですが、フッキングが凄く悪いので、ボクは必ずフックを交換します。スプリットリングを一回り小さくして、シリコンチューブを装着すると、ほとんどフック絡みがありません。

オーマイ、バンディッド!


 バンディットのフットルースはどこへでも必ず持って行くボクの信頼する一軍ルアーです。数多くのシャロークランク(ウェイクベイト)がありますが、フットルースを超えるルアーはないと信じています。フットルースを丸パクリのOSPバジングクランクですら、フットルースを超えていません。そんなボクが愛してやまないバンディッドのフットルースがいつの間にかダメダメルアーに変わっていました。かつてはMade in USAだったのが、今はMade in Chinaになっていたのでした。別に中国製だから悪いという意味ではありませんが、モールドがすっかり変わっているのです。アクションも違えばラトル音も違うのです。潜らないのが最大の武器のはずが、他のシャロークランクみたいに潜ってしまうし、立ち上がりも悪く、アクションもタイトになっているのです。フットルース自慢の激しい首振りは見る影もありません。なんちゅうことしてくれるねん! 買いだめしていて、ほとんど買わなかったので、最近まで気がつきませんでした。
Foot1  よくよく調べてみるとアメリカ製にも2タイプあって、秘かにマイナーチェンジしていることが分かりました。具体的にどう変わったかといえば、セカンドモデルでは初期モデルに比べ、ボディーの全長が微妙に大きくなって全体に丸みが増している感じです。一番顕著なのは先端部です。初期モデルは先端がつぶれた豚鼻なのに対して、セカンドモデルは先端に丸みがあって馬面になっています。ただ、初期モデルとセカンドモデルはボク自身最近まで気がつかなったように、アクション等はほとんど変わりません。ところが、サードモデル(中国製)はセカンドモデルに近いシェイプながら、ルアーの命とも言えるラインアイの位置がボディー先端部に移動しているのです。
Foot2  初期&セカンドモデルはメインウェイト以外のラトルボールはボディー内を自由に動き回るいい加減な作りでしたが、そのおかげでキャスト時は重心移動効果があり、小粒ながら遠投ができました。また、ラトル音もかなり大きく反響しました。サードモデルはメインウェイトおよびラトルボールがすべてルームで仕切られたのか、ボールの自由度が低く、キャストしにくく、ラトル音もおとなしくなってしまいました。サードモデルはボディーのセンターラインがきれいにサンディング処理され、ペイントもきれいになっていますが、ボクにとって見た目なんて二の次でしかありません。
Foot3  名前もパッケージももちろん本物でも、ボクにとっては中国製は全くの別物、偽物、クソルアーです。コスト削減で中国で作るのはけっこうなのですが、作るならしっかり作って欲しいものです。バンディットというメーカーは釣れるカラーも豊富で、こだわりのブランドだと思っていましたが、ガッカリです。

ただ者ではない


Wareagle  ウォーイーグルスピナーベイトがアメリカのツアーレベルの選手の間で大人気です。バレット型のオーソドックスなヘッドをワイヤー&フックごとメッキ処理、ハンドタイイングのシリコン・スカートは段カット、バランスの良いワイヤーバランス。何の飾りもないですが、釣れる要素は十分備えています。流行に左右されない頑固な仕事人といった感じで、ウォーイーグルスピナーベイトをキャストしている人を見ただけで「ムム、コイツ、ただ者じゃないな」と思ってしまいます。そういえば、頑固一徹なショップ、エルモにはウォーイーグルがレジ前に置かれていました。やはり、ただ者ではない・・・かな?
 ウォーイーグルは使うと分かるのですが、他のスピナーベイトと違うバイブレーションを感じます。といってもすごい抵抗があるわけでもなく、ちょっとした違いなんですが・・・。いわゆる心地いい引き抵抗ってやつです。これが釣れる”何か”なのでしょうか? その理由がワイヤーシャフトの素材だと言われています。一般にスピナーベイトのシャフトはステンレスワイヤーが使われていますが、ウォーイーグルはピアノ線ワイヤーを使用しているというのです。ステンレスとは違う弾性が釣れる何かに作用しているのかもしれません。1つ難を言えば、フックがしょぼく、しかもその上からメッキまで掛かっていて、フックポイントはかなりイケてません。これさえ、クリアすれば、ボク的には文句なしなんですがね・・・。

本物を超えたリアル感


Huddleston_deluxe_8inch_side 10月30日に紹介したスイムベイトネイションの動画でアイクがキャストしているのはハドルストンの8インチデラックスレインボートラウトです。西海岸で今、最も流行っているスイムベイトの一つです。ただのソフトベイト系スイムベイトなのに、40ドルとかなり高価なのですが、それでも入手が困難なことがあります。

Huddleston  デラックスレインボートラウトの特徴は本物と見間違えるほどのリアルなシャイプとペイント、そして、ナチュラルなアクションをするテールです。水中で泳ぐ姿を見れば、本物のニジマスにしか見えません。ボク自身、キャストしていて、自分のルアーにドキッとすることが何度もあったほどです。もう一つの大きな特徴は4タイプの重さがあって、ほとんどすべてのレンジをカバーできる点です。タイプ0はフローティングで表層用、タイプ5はスローシンキングで水深5フィートレンジ、タイプ12はレギュラーシンキングで水深12フィートレンジ、タイプ16はファストシンキングで水深16フィートレンジを狙うことができます。特にデラックスレインボートラウトを有名にしたのは、タイプ12とタイプ16です。今まで狙うことができなかった深いレンジを狙うことで、スレたビッグバスがバンバン釣れたのでした。今年のストレーンシリーズ、ウェスタンのレイクシャスタ戦でもウィニングルアーになり、ビッグバスハンターだけでなく、トーナメンターの間でも実績を残しつつあります。

11lb  実は北カリフォルニアのレイク・ドンペドロでキャッチしたボク自身のパーソナルレコードの11ポンドのバスもデラックスレインボートラウトを丸飲みしてくれました。キャスト後、どんどんラインを出して沈めてから、ゆっくりリトリーブしていると、ガツンガツンと何度も当たった後にヒットしました。おそらく、ヒットした水深は5m以上あったと思います。日本にはアメリカ西海岸ほどニジマスを大量にリリースしている湖がないので、効き目が低いかもしれませんが、スイムベイトのディープ攻略は開拓の余地があると思います。

http://www.huddlestondeluxe.com/homepage.html