年別アーカイブ: 2006年

My Best Lure Of The Year


Imgp1814  今年最も印象深い、活躍したルアーは?といえば、スイート・ビーバーのフライド・ウォーターメロンカラーでした。このカラーリングを初めてアンドレから見せられたときは、さすがにアンドレのセンスに感心しました。一見すると、ただのウォーターメロン、ファイImgp1817ヤーティップに見えますが、実はベースカラーはすべてウォーターメロンなのです。わざわざ、テールの先部分だけ赤ラメを大量に入れて、赤っぽくみえるようにしているのです。このカラーの凄さは水中に入れて見ないと分かりません。水中に入った途端、テール先端の赤ラメが乱反射してギラギラと輝くのです。ボクはノーシンカーのバックスライドで使うのが好きなのですが、テール先端だけが強調されて赤く光りながらユラユラとフォールする姿はまさに赤爪のザリガニそのものです。
 今年のストレーンシリーズ・デルタ戦では、ボクは運良く予選を通過し、3日目にはセンコーをフリップするボーターのバックシートで、このフライドウォーターメロンのバックスライドで釣りこぼしを狙いました。その結果、推定8ポンドのビッグバスをキャッチすることができ、暫定トップに立ち、夢を見させてもらいました。残念ながら優勝はできませんでしたが、あのバスはボクの今年一番のメモリーフィッシュとなりました。

お正月の暇つぶし


Logo_fhtx  正月番組って面白くないと思いませんか? 毎年ワンパターンで出演者の顔ぶれも同じでいい加減飽きてしまいます。といっても寒くて釣りに行く気もしません。そこでオススメなのが、今回紹介するサイトです。アメリカのFSN系釣り番組「Fishing & Hunting Texas」の過去の放送分が3年分アーカイブで見ることができます。実際にアメリカで放映されているCMまですべて見ることができます。特に普段アメリカの放送を見たことがない人にとってはCMも新鮮で面白いです。英語の勉強にもいいです。特に充実しているのがFLW系のTTT(テキサス・トーナメント・トレール)の試合の模様です。たくさんあって、すべてを見る時間がないという人に一つオススメを挙げるとすれば、2005年8月に開催されたトップガンの放送分です。B.A.S.S.とFLWの垣根無しに当時のワールドランキングのトップ25だけが招待されてテキサス州イーグルマウンテンレイクで行われたトーナメントで、優勝賞金10万ドルをブレント・チャップマンと並木さんが最後まで争います。
「アーカイブ・リスト」
http://216.240.150.89/FHT.html
「トップガンの放送分」
http://216.240.150.89/wmfht63.html

ヘビは苦手ですか?


Promo200608  ついに冬らしい本格的な寒さがやってきました。もうこうなると、釣りに行く気がまったくしません。ボクは寒いのが苦手です。せめて気分だけでも釣りに行った気分になりたい人にオススメのサイトを紹介します。バスプロフェッサーことダグ・ハノンがデザインしたスネークは11インチサイズのフローティングワームです。ビヨーンと伸びて切れない例に高浮力マテリアルでできていて、フリックシェイクもビックリのグネグネ状態でクセがついています。ボディーが伸びてもとに戻ろうとする動きと、目の錯覚で水面を泳ぐ本物のヘビのようなリアルな動きをします。ホームページではいくつもの動画が用意されていて、迫力あるバイトシーンが次々と登場します。見ていると反対に釣りに行きたくなってしまうかも。 
http://www.naturalmotionlures.com/index.php

バスオブジャパンに物申す


Logo_3   バスオブジャパンを知っている人ってどれぐらいいるんでしょうか? ホームページもなければ、活動報告もほとんど知られていません。会員を広く募っているって聞いたこともありませんし、どこにコンタクトすればいいのかも分かりづらいです。聞くところによると、メンバーの推薦状がなければ、入会も難しいそうです。でもそんなバスオブジャパンがB.A.S.S.のジャパンフェデレーションとして、毎年フェデレーションチャンピオンシップに日本代表の選手を送り続けています。いわば、日本にいながら唯一バスマスタークラシックへの道があるわけです。JBでいくら年間チャンピオンになっても、バスマスタークラシックへのチャンスすらありません。
 ボクは今のバスオブジャパンって、次々と知事が逮捕されて問題になっている最近の談合事件に似ているような気がします。バスオブジャパンはB.A.S.S.から毎年与えられるチャンピオンシップ出場権という利権・予算を少数のメンバーだけでトーナメントという名の談合を行って、出場選手を決めているように見えます。今のフェデレーションはチャンピオンシップの前に6つのブロック別にフェデレーションから上位12人が参加できるディビジョントーナメントを行っています。このディビジョントーナメントに出場し、フェデレーション別にトップとなった選手がチャンピオンシップに出場できる権利があるのですが、日本はこのディビジョントーナメントにすら出場せずに内輪の試合で年間トップになった選手を代表にしています。いわば、おまけの参加が許されているわけです。
 日本ではチャンピオンシップという存在する知らない人も多いですし、毎年どんな結果なのかも知らされていません。チャンピオンシップ出場者がプリプラをしてという話もほとんど聞いたことがありません。一発勝負で勝てばクラシックという夢の舞台に立つチャンスがあるというのに、そんなビッグチャンスの価値を実感してる人がどれぐらいいるのでしょうか? せっかくなのでみんなが文句なしの日本代表がチャンピオンシップに出場してほしいと思いますし、どうせなら勝ってクラシック出場を手にしてほしいと思うのです。少なくとも、他のフェデレーションの選手はチャンピオンシップ出場を目標に、真剣にトーナメントを運営しています。レベルもかなり高いです。今回、バスクラブワールドチャンピオンシップが発表されましたが、日本はリージョン10。明らかに最初から出場しない(だろう)ことを前提に区分されています。大森さんを始めとする多くの日本人はアメリカのトーナメントで活躍しているのに、ジャパンフェデレーションはなぜいつも下位なんだ、とアメリカ人の友人がボクに尋ねます。
 チャンピオンシップ出場権を他の団体に譲れとは言いませんが、せめて組織を一新、新しい会長を専任して、バスオブジャパンをもっと大きくして盛り上げてほしいと思います。クラシック出場への唯一の道があるジャパンフェデレーションは、人気に陰りが出ているJBよりもよっぽど夢があると思います。

You’ve never seen anything like it…


Termlogo_grey  タイタニウムワイヤーが有名なターミネータールアーズ社はロブ・キルビーがデザインしたハイブリッドブレードを装着した新しいコンセプトのワイヤーベイトのプロモーションをホームページ上で大々的に動画配信しています。オープニングから映画のプロモーションみたいに、カッコよくできています。ロブ・キルビーといえば、バスマスタークラシック11回出場の大ベテランで、最近は活動の拠点をFLWに移し、チャンピオンシップに7回出場しています。ハイブリッドブレードとは、スピナーベイトとバズベイトの両方の特徴を持つ、特殊な形状のブレードで、これ一個で表層から中層まで幅広くカバーでき、今までにないイレギュラーなフラッシングとバイブレーションを発生するというのがセールスポイントとなっています。動画ではロブ・キルビーのほか、ジミー・ヒューストンも登場してかなり面白いです。ジミー・ヒューストンはすっかり老けてしまいましたが、カリメロ頭と独特の訛りは健在です。
 それにしても「今まで似たようなものも見たことない」とかなり大げさなコピーが踊っていますが、ボクには動画を見る限り、バスプロショップのトルネードにすごく似ている気がするのですが・・・。2006年はクランクベイト&スイミングジグのハイブリッドであるチャターベイトが流行しましたが、2007年はスピナーベイト&バズベイトのハイブリッドが流行するでしょうか?
http://www.terminatorlures.com/index.html

もう一つの秘密


Imgp1689  ついに探していたバンディッド・フットルースの初期(ブタ鼻)モデルのクロームカラーを手に入れることができました。自宅周辺のショップでは、全く見つからなかったので、知り合いに頼んでバスショップ・ナイルさんにある分をすべて買ってきてもらいました。今あるストックと合わせれば、当分は困りそうにないので、前回は触れなかったフットルースのもう一つの秘密を紹介します。
   フットルースには初期モデルとセカンド(丸顔)モデル、それに中国製のクソモデル(サードモデル)があると以前に紹介しましたが、実は初期モデルのクローム系カラーだけ、乳白色のいわゆるボーン素材が使われています。初期モデルのクローム系はリップまですべてメッキ処理されているのに対して、その他のペイント系初期モデルとセカンドモデル以降はクローム系カラーでもリップが透明になっているので一目瞭然です。そして、同じ初期モデルでも、クローム系(ボーン素材)はペイント系(クリア素材)に対して、約1gも軽いのです。具体的にはクローム系が8.5gなのに対して、ペイント系は9.5gもあります。このサイズで1gはかなりの差だと言えます。
Imgp1672 そして、この初期モデルのクローム系カラーだけが、素材の硬度や比重の違いから、より乾いた高音ラトルを轟かせ、着水後の立ち上がりがよく、キレを増したアクションでビッグバスをガンガン誘い出すのです。大げさかもしれませんが、初期モデルのクローム系は全く別物です。そして今ではアメリカでもほとんど見つからない隠れた名品なのです。ボク自身、先入観なしに何年も使って、その差を実感してきて、最近になって、その違いに気が付いた(鈍すぎる?)ので、間違いないです。こんな素晴らしいルアーが世の中から姿を消していくのは本当に悲しいというか、不思議で仕方がありません。

ハイドロソニックが魚を呼ぶ?


Nps_cagi  今年のICASTでターミナルタックル部門(小物部門)で賞を受賞したのがCAGIアウトドア・プロダクツのCAGIフィッシュコールです。ちなみにCAGIとはキャッチ・アンド・ゲット・イットの略だそうです。これはバス専用というわけではありませんが、ルアやトローリングベイトの前に繋いで使うもので、2つのペラが回転する摩擦によって発するサウンドがあらゆるフィッシュ・イーターにアピールするというものです。
 なんでも、CAGIフィッシュコールが発する音は弱ったり死にかけたベイトの発する人間には聞き取れない周波数の音なんだそうです。テストでは100m離れたところからでも魚はCAGIフィッシュコールを認識し、ある場合とない場合では釣果が3倍から8倍になったそうです。ホームページではそれらしいテストの結果が紹介されていて、いかにもそれっぽいのですが、本当なのかどうかの検証のしようがありません。信じるかどうかは釣り人次第というわけですね。
 確かにバイオソニックは効果があると言われているし、もしかしたらコイツは本当にスゴイのかも・・・。それにしても安っぽい小物ですが、これで10ドル以上もするんですから、かなり強気な商売です。
http://www.cagifishcall.com/

フックを呑み込まれたらどうします?


 ついついワームフックを呑み込まれてしまうことってありますよね? ラインを引っ張ると、喉の奥から焼き肉のテッチャンみたいなのがビローンと出てくると、「あちゃー、ゴメン! やってもたー」って感じで焦ります。せっかくボクの下手くそな誘いのワームに食いついてくれたかわいいバスちゃんですから、できるだけダメージを少なくしてリリースしてあげたいと思うのですが、正直どうするのが一番いいのか困ってしまいます。荒療法でペンチでグイッと一気にフックをヒネリ返して外すと、出血はあるもののその場は元気よく帰っていきます。ラインを切ってリリースすれば、勝手にフックが外れるという話も聞きますが、本当に外れるのかどうかも疑問です。というのも、たまにフックを呑み込んだままのバスが釣れたりしますから・・・。あのバスって喉にエサを通らず、すごくお腹がすいているんでしょうか? トーナメントの場合も同じで、バスを殺してしまったペナルティーまでもらって、ダブルでブルーです。こっちを向いたフックポイントをバーブごとカットしてしまえば、フックは簡単に外れるのですが、なかなかいい道具がありません。ニッパーでは届かなかったり、エラ側から突っ込むとうまくフックポイントが見えなかったり、エラを傷つけたりしてしまいます。
Dbarb  そんなことを思っていたら、実は今年いい物を見つけて愛用しています。さすがはアメリカなんでもあります。Dバーブというこの特殊なニッパーは、フックが呑み込まれたときにフックポイントをバーブごとカットするためにデザインされています。喉の奥まで突っ込んでも握り部分が邪魔にならず、手が視界を妨げず、フックポイントを簡単にカットできる優れものです。バーブごとフックポイントさえカットしてしまえば、フックは簡単に外すことができますし、バスへのダメージは少なくて済みます。このDバーブはカットしたフックポイントが飛んでいかないような工夫がされていて、目などに飛んでいく危険もありません。フック一本でバスの命を救うことができるなら安いものです。
http://www.dbarb.com/
Hp1  さらに面白いものを見つけました。その名はフックピストル。コンセプトはDバーブと同じで、フックポイントをバーブごとカットするための道具です。こっちは手に入れていないので使い心地は分かりませんが、握り部分が邪魔にならないので、さらにフックポイントをつかむのが簡単そうです。こちらもカットしたフックポイントが飛んでいかないように工夫がされています。使い方が分かりにくい方はホームページをご覧下さい。テキストだけではうまく説明できません。
http://www.hookpistol.com/

KAMATSUって・・・


1160097645 Kamatsu_logo  KAMATSUという、なんとも怖いもの知らずのネーミングのブランドを発見してしまいました。それにしてもコピーのバリエーションはメチャクチャです。見覚えのあるアメリカ、日本、北欧のルアーがいっぱいいです。そのセンスの無さには笑うしかないです。ホームページに載っている以外にもかなりのコピーを作っているようです。しゃあしゃあと、Japanese engineered design and qualityとは、中国恐るべし・・・。
http://bassfishamerica.com/BFA_Lures.htm

日本にスポッツ? その6


 アンドレとキムが来日中に、スポッツのことが話題になって面白い話が聞けました。実はFLW系のトーナメンターの間でスポッツとラージマウスの判別において悩むことがあるというのです。というのも、FLWツアーのトーナメントディレクターのビル・テイラーはトーナメント中のルールとして、Teeth on Tongue、つまり舌に歯があるバスはすべてスポッツまたはミーンマウスと判断してよいと発言したからだそうです。外観の特徴で判断するよりは、舌を触ってザラザラの有無で判断した方が明解というわけです。つまり、どこからどう見てもラージマウスでも、舌にザラザラさえあれば、スポッツとして見なしてよいというのです。トーナメントレイクの中には、ラージマウスとスポッツのキーパーサイズに違いがあったり、ラージマウスのみスロットルールが適用されるところが数多くあります。同じバスでもラージマウスと判断すればキープできませんが、スポッツと判断すればキープできるケースがあるのです。ここで言う、「舌の上の歯」は生物分類学上の基準ではなく、あくまでFLWツアー・トーナメントを円滑に運営するためのルールといえるでしょう。つまり、昨年までFLWツアーで活躍された下野さんが琵琶湖でキャッチしたという例のバスも、確かに舌の上にザラザラがあったなら、FLWツアーのルール上はスポッツということになるわけです。
 ところが、FLWシリーズやストレーンシリーズのトーナメントディレクターのクリス・ジョーンズはビル・テイラーとは見解が違うらしく、これが問題になっているというのです。今季FLWシリーズのレイク・オブ・ザ・オザークス戦で、キムは3日目、14インチのバスを釣ったというのです。外観はラージマウスですが、舌を触ると確かにザラザラがあったというのです。このバスがラージマウスならキーパーの15インチに足りませんが、スポッツと見なせばナイスキーパーになります。キムは悩んだ末、ビルの言葉を信じてキープしたそうです。結果はウェイマスターを務めたクリスにラージマウスと判断され、ペナルティーまでもらってしまったそうです。同じトーナメント団体でもディレクターやウェイマスターが違うだけで、判断基準が変われば、選手は困ってしまいます。ときにはその1匹が賞金に関わるケースもあるだけに、FLWとしてはルールを統一する必要があると思います。