年別アーカイブ: 2006年

グアダルーペ・バス?


 来シーズンのFLWツアー初戦は、毎年恒例のフロリダのオキチョビーではなく、テキサス州のレイク・トラヴィスというところで開催されます。アメリカのトーナメンター達にとっても、あまり聞き覚えのない湖です。いったい、どれぐらいのポテンシャルの湖なのかも不明ですが、調べていると面白いことが分かりました。レイク・トラヴィスはラージマウス以外にグアダルーペ・バスが釣れる珍しい釣り場なのです。
 グアダルーペ・バスとは7種のブラックバスの中の1種で、ラージマウスやスモールマウス、スポッツとも違う別種です。グアダルーペ・バスはテキサス州中部のグアダルーペ川水系にしか生息しない希少種で、テキサス州の魚(テキサス・ステート・フィッシュ)にも認定されています。ネットで調べてもなかなか写真が見つかりませんが、外観はスモールマウスにかなり似ている感じです。ちなみに、あまり大きくは成長しないようで、現在のワールドレコードはレイク・トラヴィスで1983年にキャッチされた3ポンド11オンスということです。

日本にスポッツ? その5


Spobas  「その4」で紹介したスポッツとラージマウスの外観的な違い(特徴)以外に、第二背びれの付け根部分や尻びれの付け根部分にウロコがあるのがスポッツで、ラージマウスにはウロコがないという記述もよく目にします。実は今まで意識して見たことがないので、なんとも言えませんが、今度スポッツを釣ったら、確かめておこうと思います。

目の錯覚でクネクネ


Kunekune  昔、流行った?ドゥ・ナッシングワームにそっくりなガイリーワーム(The Guiley Worm)というものがあります。こちらは「何もしない」のではなく、投げて巻きまくる正反対のワームです。カチカチでワーム自体が曲がっているためにリトリーブすると、水の抵抗でクルクル回ってしまいます。その動きが目の錯覚でクネクネ動いているように見えるから不思議です。ホームページ上でも小さいながら、艶めかしい動きが動画で見ることができます。もちろん、ラインはヨレヨレになってしまいますから、先端にはスイベルを繋いで使います。
 ちなみに、この手のフックが最初から付いたワームを総称して、プリ・リグドワーム(pre-rigged plastic worm)と呼びます。「すでにリグられたワーム」という意味です。
http://www.guileyworm.com/default.htm

ミーンマウスバス?


 スポッツとスモールマウスのハイブリッド、ミーンマウスバスというバスがいるのをご存じですか? もともとミーンマウスバスというのは、ラージマウスとスモールマウスの人為的交配によって作り出したバスに名付けられたそうですが、今ではスポッツとスモールマウスのハイブリッドをそう呼ぶそうです。スポッツとスモールマウスは別種ですが、生物学的には類縁関係が近い種同士で、スポーニング期も同じなので自然交配がまれに起こりうるそうです。一方、資料によるとラージマウスはスポッツやスモールマウスとは類縁関係が遠く、自然交配は起こらない(起こりにくい)とされています。
 ミーンマウスバスは毎年FLWツアーが開催されるビーバーレイクで特によくキャッチされています。ビーバーレイクのキーパーサイズはラージマウス&スモールマウスは15インチ以上、スポッツ&ミーンマウスは12インチ以上となっています。ミーンマウスは外見はスモールマウスに近く、判別方法はいわゆるTeeth on Tongue、舌にザラザラの歯が少しでもあればミーンマウス、なければスモールマウスと判断されるらしいです。つまり、歯があるかないかでキープできるかできないか、大きな違いがあるのです。
 自然交配が起こりうる近い種同士とはいえ、本来の自然環境化では、そう簡単に異種交配が起こるものではありません。だからこそ、スポッツとスモールマウスは自然分布域が重なっていても、長い年月の中それぞれ違う進化を経て今に至っているわけです。では、なぜ最近になってミーンマウスが釣れるようになったのでしょうか? ここからはボクの推論です。本来スポッツとスモールマウスが同じ水系にいたとしても、棲み分けができたり、よりその環境に適した種の方が優占種となっていたはずです。ところがダム湖という人工的な器の中、人為的に大量に両種が定期的に放流されることで、自然交配が起こりやすい不自然に過密な環境を人間が作り出してしまったのでしょう。特にビーバーレイクはスモールマウス、スポッツともにバランスよく釣れる珍しい釣り場です。たいていの釣り場はスポッツかスモールのどちらかが多い(よく釣れる)特徴があります。そのために、特にビーバーレイクではミーンマウスが釣れるようになったのだと思います。

日本にスポッツ? その4


Basskeynegus_jpg_1   スポッツネタがけっこう評判がよかったので、さらにいろいろ調べていると、さらに面白いことが分かってきました。まず、アメリカでも釣り経験の豊富な方から、「山口県の菅野ダムでスポッツをキャッチしたことがある。あれは間違いない」という話を聞くことができました。ただし、その方は「日本では菅野ダムでしか釣ったことがない」とも言っておられました。ボク自身は菅野ダムに行ったことがないので、なんとも言えませんが、とりあえず写真を見ない限り、にわかに信じられない思いです。もし、これは怪しいぞ、という写真があれば、メールにて送ってください。特に菅野ダムのバスの写真を募集します。
 ところで、ラージマウスバスとスポッツの見分け方について調べていると、面白い資料を見つけました。これはある公的機関のサイトから見つけたものです。この見分け方の中で面白いのは、ラージマウスにもrarely has a tooth patchという記述がある点です。「まれに(舌の上の)歯がある」ということは、舌の上のザラザラの歯の有無はラージとスポッツの判別の決定打にはならないことを意味します。この記述は、ボク自身初めて見たのですが、なかなか興味深いです。
 実際、アメリカではスポッツとラージマウスを判別するには、まず口の大きさの方が重要です。もちろん、釣り人なら見た瞬間にたいてい判別できるはずですが・・・。その他、第一背びれと第二背びれの間のつなぎ目についても客観的に見て浅いか深いかなので、あまりあてにはなりません。

100万ドルのルアー


Million1_1  今年のICASTショーに出展していたのは、遠目に見ていたんですが、「関係ないわ」とブースの前を素通りしていたのがマクダディー社でした。今まで聞いたことがなかったのも当然で、フィッシングルアージュエリー(ルアーを模した宝石or宝石を使ったルアー?)を販売するメーカーなのでした。まあ、こんなメーカーが登場するほどアメリカがバブルなのか疑問ですが・・・。そして、ICASTの目玉は100万ドルのルアーを展示していたからです。ボクは本物を見逃してしまいましたが、トータル3ポンド以上のゴールドとプラチナで作られ、4753個のダイヤとルビーがちりばめられた、まさにゴージャスなルアーです。それがどうした! と言われると困ってしまいますが、後日、バカなアメリカ人はこれをカジキのトローリングの大会で使ってプロモーションしたそうです。その勇気に紹介せずにはいられませんでした。
http://www.macdaddysfishinglures.com/

PEラインの普及がバスフィッシング界に及ぼす影響


 最近、アメリカのメーカーも日本のマーケットの影響なのかハードルアーの新製品が発表されるサイクルが早い気がします。イッシュとそのことを話していると、興味深いことを教えてくれました。イッシュは今シーズンを通して、ほとんどハードルアー、特にシャロー系のクランクベイトやバイブレーション、トップウォータープラグをロストしなかったと言うのです。実はイッシュに限らず、アメリカではPEラインが普及しており、ファストムービング系のルアーやトップウォータープラグをグラスロッド&PEラインの組み合わせで使う人が多いです。2005年バスマスターツアー・レイクトホ戦で優勝した大森さんの映像を見た人なら分かると思いますが、バイブレーションなどは伸びないPEラインを使うことで、グラスに引っ掛かったと同時に鋭く短いジャークで瞬時に外すことができます。グラスのフラットエリアでは非常に有効なテクニックです。使用するPEラインはかなり太いので、ほとんど切れることがありません。まれにハードカバーに根掛かりして外すことができなくても、最後にラインを引っ張れば、フックが伸びてほとんどルアーが回収できるようになったというのです。つまり、以前に比べて、ルアーの消耗が減った分、メーカーとしては売上げがどうしても落ちるので、新製品やニューカラーを出さないと売上げが確保できないのだろうというのです。ちなみに、アメリカではPEラインと言ってもまず通じません。一般にブレイドラインと呼びます。

ピッツバーグの大舞台


Propose  アンドレとキムが付き合い始めたと聞いたときは正直ビックリしました。実はアンドレは以前に結婚したことがあるのですが、トーナメントで留守がちになる生活が原因で離婚したことがあります。そういう点では、この2人はナイスカップルといえるかもしれません。昨年春、ピッツバーグのバスAndrekimマスタークラシック出場を決めたアンドレから「ステージでキムにプロポーズする」と打ち明けられました。そんなビッグサプライズを見逃すわけにはいかないので、ボクもピッツバーグに行き、アンドレの一世一代の大舞台を見届けました。2005年夏のクラシックはスモールフィッシュばかりのローウェイト&タフトーナメントだったこともあり、正直、アンドレのプロポーズはKVDが優勝を決めたときに次ぐぐらい盛り上がりました。B.A.S.S.史上、クラシックのステージでプロポーズをしたのはアンドレぐらいでしょう。ただ、アンドレはレンジャー&エビンルードというB.A.S.S.にとっては面白くないプロということもあり、テレビではまったく放映されなかったのは残念です。婚約者同士となった2人ですが、1年以上経った今も式はまだ挙げていません。いったい、いつになることやら・・・。

世界一の釣り好き女 キム・ベイン


Kim キムを最初に見たのはオーストラリアの釣り雑誌でした。水着姿でニッコリ魚を持ってポーズをとるキムの写真を見て、正直「モデルにしては中途半端やなぁ」と思ったのを覚えています(キム、ゴメン)。その後、USオープンで出会って、キムが本気の釣り好きだと知りました。キムはオーストラリアではちょっとした有名人で、釣り番組にも出演していたほどです。ここ数年はFLWツアーにコ・アングラーとして出場し、今シーズンはついにFLWシリーズにプロで参戦しました。そして、来年はツアー&ウェスタンシリーズにプロで参戦するそうです。それもケロッグがスポンサーについて、ボートはZ20でラッピングはケロッグのスペシャルKバージョンになるそうです。キムはバス以外に、レッドフィッシュやウォールアイのトーナメントにも参戦したり、プライベートでターポン、ピーコックバス等世界中を旅行し、今年夏もイギリスでアトランティックサーモンを釣ってから日本に遊びに来て、ライギョを楽しんで帰りました。先日も香港の前に南アフリカでバスとタイガーフィッシュを釣って来たそうです。とにかく、キムほどの釣り好きな女性は見たことがありません。

悪友アンドレ・ムーア


Andre  ボクがアンドレと出会ったのは今から約15年前です。当時まだ学生だったボクは憧れのアメリカ初釣行の際、幸か不幸かアンドレと出会ってしまいました。出会ったいきさつはちょっと複雑なのでここではあえて紹介しませんが、釣り好きの2人は意気投合し、それ以来のつき合いです。ボクにアメリカンスタイルの釣りをたたき込んだのも、スラング混じりの英語を教えたのも、トーナメントの楽しさを教えたのも、ボクの人生そのものを変えたのも、全部アンドレです。彼と出会っていなかったら、今ボクはこんなブログを書いていないでしょうね。