年別アーカイブ: 2006年

イッシュの買い物の中身


Imgp1574  イッシュ・モンローが2日間で100万円以上の買い物をしたと報告しましたが、具体的には17本のロッドやリール数台が含まれますので、すべてがルアーというわけではありません。ロッドやリールはすべてダイワです。彼はUSダイワとスポンサー契約をしているので、ダイワの製品しか使えないのですが、USダイワがアメリカで販売しているモデルに気に入ったモデルが少ないらしく、ダイワに日本で発売されているモデルを使いたいと申し出たのですが、断れたそうで、わざわざ日本までやって来て、自腹で購入した次第です。イッシュによると、彼は7フィート以上のロッドしか使わないそうですが、アメリカでは7フィート以上のモデルは少ないそうで、今回彼が3本ずつ購入したスティーズのSTRATOFORTRESSとOUACHITAもアメリカでは未発売なんだそうです。
 イッシュが今回特に探していたルアーはメガバスのワンテンとティムコのマッドペッパーマグナム、エバーグリーンのブザービーター(タングステンモデル)でした。いずれもイッシュをはじめ、一部のプロの間で秘かに流行っているルアーです。特にブザービーターのタングステンモデルは、ブッシュ・シュートアウトの放送の中でもフレッド・ラームバニスが使っていて、画面にバッチリ映っています。ちなみにアメリカ人はバザービーターと呼びます。ワンテンは昨年あたりからブームで、アメリカではプレミア価格が付くほどの人気ぶりです。モンスタージャックも複数個持って帰りました。
 興味深いところでは、TDバイブの旧モデルと廃盤のTDハイパーミノーを探しており、中古屋さんなどで見つけると大喜びしていました。TDバイブは旧モデルと今のモデルでは金型が違うのか、旧モデルの方がよく釣れるという話をよく聞きます。実際、ボクもそう思いますし、大森さんも旧モデルのTDバイブしか使わないそうです。TDハイパーミノーは、他のロングリップミノーよりも深く潜る分、過去にスポッツ狙いで何度かいい思いをしたそうです。
 その他面白いところでは、エバーグリーンのアマゾンペンシルのピーコックバスカラーばかり20個購入していました。ただ、これはイッシュが個人で使うものではなく、アングラーズマリンのオーナー、リックに頼まれたものです。なんでも、ピーコックバスカラーのアマゾンペンシルはアマゾン川の大型のピーコックバスに効くらしく、リック自身が来年アマゾンに行くための用意だそうです。

ソニックバイブレーション??


Blue_chrome  アクション・ルアーズ社のスクイールR(Squeel-R)は、久しぶりにB級度がプンプンと臭うクランクベイトです。ボディー前部には宇宙戦艦ヤマト並みの大きな穴が空いていて、水流が中を通ることで、内蔵のファンが回転し、ソニックバイブレーションを発生し、波動砲ならぬ乱水流をお尻から出し、底の泥や砂をかき乱すそうです。ルアー自体はスローサスペンドモデルということです。詳しくはホープページを見て下さい。We are Fan-Tastic.なんてベタなダジャレのコピーが、同社の本気度を表しています。1個9.99ドルとは、かなり強気なプライス設定です。
http://www.actionlurescompany.com/

偽物まで登場する名品


Imgp1479  スライダー3インチグラブはアメリカではあまり活躍の場がありませんが、日本では(特にスモールマウス狙いで)ボクの一軍登録のルアーです。オフセットフックを使ったノーシンカーリグ以外に、ボクはエサ釣り用の仕掛け絡み防止パイプを通して、トリプルフックをラインスルーにして使うことが多いです。フッキング率が高いのはもちろん、こちらの方が重心が下部に固定されて動きが安定するほか、ボディー全体が大きくくねって動きます。ガン玉のサイズをいろいろ付け替えすることで狙いたい水深を調整するのも簡単です。
Slider1  そんなバスグラブですが、偽物があるのをご存じですか? 高級ブランドによくあるいわゆるフェィクというヤツです。ボクも今年気がついたので、いつからあるのかは分かりませんが、今年のICASTでスライダー社のブースを訪れた際に、直接問い合わせたところ、スライダー社もフェイクの存在に気がついていました。ルアーの業界ではありそうでなかった偽物まで登場するということは、名品の証ということでしょうか?
Slider2 偽物のパッケージは旧パッケージのデザインが使われています。もちろん、すべての旧パッケージのバスグラブが偽物というわけではありません。では、中身はというと、これが全然違うのです。本物のバスグラブはご存じの通り、他のスライダーワームと同様に丸い断面のボディーなのですが、偽物は扁平のボディーをしています。ちょうど、ティムコの廃盤になったPDLリトリイングリーに似ています。しかし、ボディーにはSRIDERの文字があります。
Slider3 誰が作って、どういうルートで市場に出回っているのかは不明ですが、なかなか渋いところをついてきます。それとも、意外に知られていないだけで、すでにいろいろルアーの偽物が出回っていて、北朝鮮の資金源になんかなっていたりして・・・。

またまたカエル


Nbpacatoad  ネットベイト社から新たなスイミング(バジング)系フロッグ、パカトードが発売されました。まだ、ネットベイト社のホームページにも載っていません。バズテールタイプでもキックテールタイプでもなく、あくまでパカクローと同じタイプのテールが付いています。このあたりは他のメーカーと違って好感が持てます。使ってみないと分かりませんが、バジングというよりもサブサーフェスのスイミングが良さそうな気がします。レギュラーサイズ(5インチ)とシニアサイズ(6インチ)があって、レギュラーサイズは5本入り、シニアサイズは4本入りだそうです。

骨と皮?


Skinbone  今季、エリート開幕戦(アミスタッド)でイッシュ・モンローがサイトフィッシングで使っていた巨大チューブ、ジャイアントトラチューブが話題となったキャニオン・プラスティックス社がディッピングチューブ以外に初めてインジェクションワームを発売しました。Skin n’ Bones(スキン・エン・ボーンズ)という名で、ジッパータイプのボディーにピンテールがついた、なかなか釣れそうなデザインです。ドロップショットやジグヘッドリグで良さそうです。4インチサイズと5.5インチサイズがあります。

http://www.canyon-plastics.com/

感動を共有するための試み


  大きく育ったバスのDNAを引き継いだバスは将来大きく育つ可能性が高いそうです。テキサス州の湖ではTPW(テキサスパーク&ワイルドライフ)によるシェアランカープログラムという試みが1987年以降毎年行われています。10月1日から翌4月30日までの期間中に13ポンド以上のバスをキャッチした人にバスの提供を呼びかけるもので、連絡をすれば、すぐに引き取りにきてくれるというものです。引き取られたバスはデータ収集後、繁殖用の親魚として利用され、将来のビッグバス候補である稚魚たちは、再び、TPWによって放流されるのです。こういう地道な活動があるからこそ、テキサスはいつまでもアメリカで有数のビッグバスが釣れる地域でいられるのです。10月から翌4月いっぱいというのは、この時期のバスは産卵を控え、卵を持っているからです。
 バスを提供した人には、レプリカがプレゼンとされるほか、年間で最も大きなバスを提供した人には、テキサス州で生涯有効の永久フィッシングライセンスがプレゼントされます。レプリカとはグラスファイバー製の複製のことで、フォーク周辺にも専門の職人さんがけっこういます。すべてオーダーメイドで、全長と胴回り、ウェイトと写真から1個1個ハンドペインティングで作ってくれます。しかも、どんなポーズでもリクエスト通り作ってくれます。剥製にすると縮んだり、変色したり、ヒレが欠けたりしますが、レプリカならいつまでもきれいでメンテナンスも簡単で人気があります。
 記念のビッグフィッシュをキープして剥製にしてしまえば、その子孫は絶たれてしまいますが、このプログラムに参加すれば、一生に一度釣れるかどうかの感動を将来、別の人と共有することができるというのが、”シェアランカー”の名前の由来なのです。このプログラムはあのバドワイザーがメインスポンサーとなっており、アメリカでのバスフィッシングの認知度の高さを実感します。
424_horn  TPWのホームページ上では、シェアランカープログラムのより詳しい情報が載っているほか、毎年の提供されたすべての情報(釣り人、日時、サイズ、湖、写真)を検索することもできます。そして、今年のシェアランカープログラムへの提供第1号が11月25日にレイクフォークでキャッチされました。地元のエディー・ホーンが釣ったビッグバスは13.79ポンドで、全長26インチ、胴回り20.5インチだったそうです。ヒットルアーは6インチのズーム社のブラックリザードだったそうです。今年はあと何匹提供されるでしょうか?
 日本ではバスを剥製にする人がけっこういるようです。また、スポーニングシーズンになると、サイトフィッシングが大人気で、貴重なビッグフィッシュをトーナメントでもないのに、1日中ライブウェルに入れて痛めつけています。バスを守ってやれない今の日本の現状では、せめて私たちバスアングラー自身はバスを殺さない(できるだけ痛めつけない)ようにしたいと思うのですが・・・。
http://www.tpwd.state.tx.us/spdest/visitorcenters/tffc/budsharelunker/

最高の褒め言葉


 ちょうど、1年前の今日、ボクはアラバマリバーでB.A.S.S.オープンチャンピオンシップに参戦していました。初日はクランクベイトとバイブレーションをメインにキャストを繰り返すも、ノンキーパーどころか、アタリすらありませんでした。当時のアラバマリバーは非常にタフで、3日間のプラクティスでボクが釣ったキーパーはバンディット200による2匹だけでした。正直、何をしたらいいのかさっぱり分からない状態で、完全に諦めかけていました。
Jason2  2日目のパートナーはあのジェイソン・クインでした。”あの”といったのは、大きなピアスをしたかなり異色のプロだったからです。ジェイソンはイメージとは違って、かなりナイスガイでした。初日を2匹と不本意な結果で終えたジェイソンは、プラで感触のよかったところをできるだけ回ってスポッツの群れを探し、まずはリミットメイクを狙う作戦だと教えてくれました。
 実際に釣りがスタートすると、ジェイソンはノンボーターのボクにとってすごく嫌なヤツになりました。極寒の中、ロングドライブを繰り返し、中州のヨレばかりをバイブレーションでランガンするかと思えば、今度は流れの当たるバンクをショートレンジでブライアンクランクベイトをフリップキャストしながら、トローリングモーターを最速にして流し、アタリがあったピンポイントでは、フラートワーム&シェイキーヘッドに持ち替え、完璧なボートポジションをキープするので、ボクに投げ入れるスキがないのです。ジェイソンは見事リミットメイクに成功し、今度はスイートビーバーのフリッピングでランガンし、ラージマウスで入れ替えを狙う作戦に変更しました。ときには1投だけして移動してしまいます。ボクが今まで釣りをした中で、もっとも忙しくて厳しいプロでした。ジェイソンはこの日だけならトップ10に入るウェイトでしたが、惜しくもトップ10カットを逃しました。
 ボクはというと、頭をフル回転させて、手を変え品を変え、たまにやってくるスキ(スペース)をコツコツとものにし、なんとリミットメイクに成功し、入れ替えまでできてしまいました。「いいポイントに連れて来てくれたおかげだよ」とボクがお礼を言うと、ジェイソンが「今年、オレのバックシートでリミットメイクしたヤツはお前が最初だ」と言ってくれました。結局ボクは2日目だけなら4番目のウェイトで、最終的に21位まで順位を上げることができました。残念ながら、トップ10カットは逃しましたが、ジェイソンの一言はボクにとって忘れられない勲章となりました。いつかまた、どこかでジェイソンと釣りをしてみたいです。

シャッドシェイプ登場


68l10  いよいよ、ゲーリーヤマモトカスタムベイツ(GYCB)がシャッドシェイプ4インチをアメリカでリリースしました。ことの発端は今年のFLWビバーレイク戦での賞金20万ドルのウィニングルアーになったことでした。フカシンがシェイキーヘッドスタイルでシャッドシェイプワームを使用したとコメントしたものですから、GYCBのホームページ上のフォーラムで問い合わせが殺到し、「GYCBは釣れるワームをプロスタッフだけに配ってズルイぞ」といった抗議まで出たほどでした。
 ティムコが出しているカラーとは少し違うラインナップもあるので、シャッドシェイプファンは通販で手に入れる価値があるかも・・・。
http://www.baits.com/cgi-bin/order/68L-10
 ところで、GYCBのホームページ上ではシャッドシェイプの日本でのポピュラーな使い方として、”ミドスト”と”シャッディング”という2つのテクニックが英語で紹介されています。
http://www.insideline.net/articles/shadshapeworm.html

プライスレスな思い出


 ちょうど一年前の今日、ボクはB.A.S.S.オープンチャンピオンシップ出場のため、アラバマリバーで最終日のプラクティスをしていました。極寒の中、ちょうど今話題にしているスポッツを狙ってスピナーベイトとクランクベイトを投げまくっていました。
Priceless  その後、レジストレーション会場で、ノン・ボーターとしてウェスタンディビジョンでAOYを獲ったボクは、みんなの前で表彰されて盾をもらい、レイ・スコットと一緒に写真を撮りました。後日、その写真が送られてきました。昔、つり人社から発売されていたB.A.S.S.のビデオを観て、アメリカトーナメントに憧れたボクは、レイ・スコットが司会をするウェインステージに立つことをずっと夢見て来ました。ウェスタンインビテーショナルが始まると、”なんちゃって”プロとして参戦したのですが、運悪くレイ・スコットは引退してしまい、ボクの夢は結局果たせずじまいとなってしまいました。その憧れの人から、ボクは盾を直接手渡されたのでした。ボクにとってはプライスレスな宝物であり、一生忘れられない思い出です。

日本にスポッツ? その3


Spots4  もし、本当にスポッツがいるとしたら、そのルーツはどこでしょうか? 「山口県の菅野ダムにはスポッツがいる。岩国の米軍基地の人間が秘密に持ち込んで放流したらしい」というもっともらしい噂を以前からよく耳にします。事実かどうかは分かりませんが、軍人たちの余暇のために、わざわざ移植の難しいスポッツを選んで米軍が放流する必要があったのか疑問が残ります。ボク自身は菅野ダムに行ったことがありませんが、もし、スポッツが本当にアメリカから直接持ち込まれていたとしたら、菅野ダムはもっと特異にスポッツが釣れるフィールドとして注目されたはずです。何度も言いますが、スポッツという魚はラージマウスとはまったく違う魚なのです。釣り方も釣れ方も違います。
Fh000033  ボクのスポッツのイメージは「寒くなるほど活性が上がり、真冬でもスーパースプークにガンガンアタックし、ツインバズが大好きで、スピナーベイトやクランクベイトの高速引きによく反応し、1オンスのフットボールジグをフォール中に引ったくり、ベイトについた群れをドロップショットで釣れば、水面に上がってくるまでに食べたベイトを10匹以上も吐きまくる」そんなとんでもない魚です。
 「青森県の米軍三沢基地の人間が秋田の八郎潟に放流したらしい」という似たような噂も耳にしますが、ボクが八郎潟で実際に釣りをした限りでは、怪しい魚には一度も出会えずにいます。
 では、琵琶湖でスポッツが釣れるという説はどうでしょうか? 誰かがわざわざスポッツをアメリカから持ち込んで放流したとは到底思えません。「過去に日本に持ち込まれたラージマウスの中に偶然、スポッツが混じっていた」という説はどうでしょうか? 日本に持ち込まれたバスは釣り場で調達した成魚ではなく、養殖等による稚魚・幼魚を購入して用意されたバスのはずです。実際、アメリカには放流用にバスを養殖しているところはたくさんあります。管理がずさんなところで購入して、数匹スポッツが混じっていたとしても不思議ではありません。ただ、数匹のスポッツがラージマウスとの生存競争に生き残って独自に繁殖できたとは考えにくいです。
 ラージマウスといっても、環境適応能力がありますから、野池と川と琵琶湖とリザーバーでは、同じラージマウスでも違いがあります。食べているベイトの種類や量、水質や水深、平均水温、緯度や気候、高度等で、成長のスピードにも変化がありますし、性格にも違いがあります。ボクには日本でスポッツだと言われているバスのほとんどが、その違いから疑われているだけとしか思えないのですが・・・。