最高の褒め言葉


 ちょうど、1年前の今日、ボクはアラバマリバーでB.A.S.S.オープンチャンピオンシップに参戦していました。初日はクランクベイトとバイブレーションをメインにキャストを繰り返すも、ノンキーパーどころか、アタリすらありませんでした。当時のアラバマリバーは非常にタフで、3日間のプラクティスでボクが釣ったキーパーはバンディット200による2匹だけでした。正直、何をしたらいいのかさっぱり分からない状態で、完全に諦めかけていました。
Jason2  2日目のパートナーはあのジェイソン・クインでした。”あの”といったのは、大きなピアスをしたかなり異色のプロだったからです。ジェイソンはイメージとは違って、かなりナイスガイでした。初日を2匹と不本意な結果で終えたジェイソンは、プラで感触のよかったところをできるだけ回ってスポッツの群れを探し、まずはリミットメイクを狙う作戦だと教えてくれました。
 実際に釣りがスタートすると、ジェイソンはノンボーターのボクにとってすごく嫌なヤツになりました。極寒の中、ロングドライブを繰り返し、中州のヨレばかりをバイブレーションでランガンするかと思えば、今度は流れの当たるバンクをショートレンジでブライアンクランクベイトをフリップキャストしながら、トローリングモーターを最速にして流し、アタリがあったピンポイントでは、フラートワーム&シェイキーヘッドに持ち替え、完璧なボートポジションをキープするので、ボクに投げ入れるスキがないのです。ジェイソンは見事リミットメイクに成功し、今度はスイートビーバーのフリッピングでランガンし、ラージマウスで入れ替えを狙う作戦に変更しました。ときには1投だけして移動してしまいます。ボクが今まで釣りをした中で、もっとも忙しくて厳しいプロでした。ジェイソンはこの日だけならトップ10に入るウェイトでしたが、惜しくもトップ10カットを逃しました。
 ボクはというと、頭をフル回転させて、手を変え品を変え、たまにやってくるスキ(スペース)をコツコツとものにし、なんとリミットメイクに成功し、入れ替えまでできてしまいました。「いいポイントに連れて来てくれたおかげだよ」とボクがお礼を言うと、ジェイソンが「今年、オレのバックシートでリミットメイクしたヤツはお前が最初だ」と言ってくれました。結局ボクは2日目だけなら4番目のウェイトで、最終的に21位まで順位を上げることができました。残念ながら、トップ10カットは逃しましたが、ジェイソンの一言はボクにとって忘れられない勲章となりました。いつかまた、どこかでジェイソンと釣りをしてみたいです。

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