日別アーカイブ: 2006年12月18日

ミーンマウスバス?


 スポッツとスモールマウスのハイブリッド、ミーンマウスバスというバスがいるのをご存じですか? もともとミーンマウスバスというのは、ラージマウスとスモールマウスの人為的交配によって作り出したバスに名付けられたそうですが、今ではスポッツとスモールマウスのハイブリッドをそう呼ぶそうです。スポッツとスモールマウスは別種ですが、生物学的には類縁関係が近い種同士で、スポーニング期も同じなので自然交配がまれに起こりうるそうです。一方、資料によるとラージマウスはスポッツやスモールマウスとは類縁関係が遠く、自然交配は起こらない(起こりにくい)とされています。
 ミーンマウスバスは毎年FLWツアーが開催されるビーバーレイクで特によくキャッチされています。ビーバーレイクのキーパーサイズはラージマウス&スモールマウスは15インチ以上、スポッツ&ミーンマウスは12インチ以上となっています。ミーンマウスは外見はスモールマウスに近く、判別方法はいわゆるTeeth on Tongue、舌にザラザラの歯が少しでもあればミーンマウス、なければスモールマウスと判断されるらしいです。つまり、歯があるかないかでキープできるかできないか、大きな違いがあるのです。
 自然交配が起こりうる近い種同士とはいえ、本来の自然環境化では、そう簡単に異種交配が起こるものではありません。だからこそ、スポッツとスモールマウスは自然分布域が重なっていても、長い年月の中それぞれ違う進化を経て今に至っているわけです。では、なぜ最近になってミーンマウスが釣れるようになったのでしょうか? ここからはボクの推論です。本来スポッツとスモールマウスが同じ水系にいたとしても、棲み分けができたり、よりその環境に適した種の方が優占種となっていたはずです。ところがダム湖という人工的な器の中、人為的に大量に両種が定期的に放流されることで、自然交配が起こりやすい不自然に過密な環境を人間が作り出してしまったのでしょう。特にビーバーレイクはスモールマウス、スポッツともにバランスよく釣れる珍しい釣り場です。たいていの釣り場はスポッツかスモールのどちらかが多い(よく釣れる)特徴があります。そのために、特にビーバーレイクではミーンマウスが釣れるようになったのだと思います。

日本にスポッツ? その4


Basskeynegus_jpg_1   スポッツネタがけっこう評判がよかったので、さらにいろいろ調べていると、さらに面白いことが分かってきました。まず、アメリカでも釣り経験の豊富な方から、「山口県の菅野ダムでスポッツをキャッチしたことがある。あれは間違いない」という話を聞くことができました。ただし、その方は「日本では菅野ダムでしか釣ったことがない」とも言っておられました。ボク自身は菅野ダムに行ったことがないので、なんとも言えませんが、とりあえず写真を見ない限り、にわかに信じられない思いです。もし、これは怪しいぞ、という写真があれば、メールにて送ってください。特に菅野ダムのバスの写真を募集します。
 ところで、ラージマウスバスとスポッツの見分け方について調べていると、面白い資料を見つけました。これはある公的機関のサイトから見つけたものです。この見分け方の中で面白いのは、ラージマウスにもrarely has a tooth patchという記述がある点です。「まれに(舌の上の)歯がある」ということは、舌の上のザラザラの歯の有無はラージとスポッツの判別の決定打にはならないことを意味します。この記述は、ボク自身初めて見たのですが、なかなか興味深いです。
 実際、アメリカではスポッツとラージマウスを判別するには、まず口の大きさの方が重要です。もちろん、釣り人なら見た瞬間にたいてい判別できるはずですが・・・。その他、第一背びれと第二背びれの間のつなぎ目についても客観的に見て浅いか深いかなので、あまりあてにはなりません。