感動を共有するための試み


  大きく育ったバスのDNAを引き継いだバスは将来大きく育つ可能性が高いそうです。テキサス州の湖ではTPW(テキサスパーク&ワイルドライフ)によるシェアランカープログラムという試みが1987年以降毎年行われています。10月1日から翌4月30日までの期間中に13ポンド以上のバスをキャッチした人にバスの提供を呼びかけるもので、連絡をすれば、すぐに引き取りにきてくれるというものです。引き取られたバスはデータ収集後、繁殖用の親魚として利用され、将来のビッグバス候補である稚魚たちは、再び、TPWによって放流されるのです。こういう地道な活動があるからこそ、テキサスはいつまでもアメリカで有数のビッグバスが釣れる地域でいられるのです。10月から翌4月いっぱいというのは、この時期のバスは産卵を控え、卵を持っているからです。
 バスを提供した人には、レプリカがプレゼンとされるほか、年間で最も大きなバスを提供した人には、テキサス州で生涯有効の永久フィッシングライセンスがプレゼントされます。レプリカとはグラスファイバー製の複製のことで、フォーク周辺にも専門の職人さんがけっこういます。すべてオーダーメイドで、全長と胴回り、ウェイトと写真から1個1個ハンドペインティングで作ってくれます。しかも、どんなポーズでもリクエスト通り作ってくれます。剥製にすると縮んだり、変色したり、ヒレが欠けたりしますが、レプリカならいつまでもきれいでメンテナンスも簡単で人気があります。
 記念のビッグフィッシュをキープして剥製にしてしまえば、その子孫は絶たれてしまいますが、このプログラムに参加すれば、一生に一度釣れるかどうかの感動を将来、別の人と共有することができるというのが、”シェアランカー”の名前の由来なのです。このプログラムはあのバドワイザーがメインスポンサーとなっており、アメリカでのバスフィッシングの認知度の高さを実感します。
424_horn  TPWのホームページ上では、シェアランカープログラムのより詳しい情報が載っているほか、毎年の提供されたすべての情報(釣り人、日時、サイズ、湖、写真)を検索することもできます。そして、今年のシェアランカープログラムへの提供第1号が11月25日にレイクフォークでキャッチされました。地元のエディー・ホーンが釣ったビッグバスは13.79ポンドで、全長26インチ、胴回り20.5インチだったそうです。ヒットルアーは6インチのズーム社のブラックリザードだったそうです。今年はあと何匹提供されるでしょうか?
 日本ではバスを剥製にする人がけっこういるようです。また、スポーニングシーズンになると、サイトフィッシングが大人気で、貴重なビッグフィッシュをトーナメントでもないのに、1日中ライブウェルに入れて痛めつけています。バスを守ってやれない今の日本の現状では、せめて私たちバスアングラー自身はバスを殺さない(できるだけ痛めつけない)ようにしたいと思うのですが・・・。
http://www.tpwd.state.tx.us/spdest/visitorcenters/tffc/budsharelunker/

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