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ちょっと休憩 スポッツ豆知識


 スポテッドバスといっても、正確にはアラバマ・スポテッドバス、ノーザン・スポテッドバス、ワチタ・スポテッドバスがいるそうです。もともとの原産地はアメリカ南東部ですが、今ではあちこちに放流されていますので、亜種レベルの見分けは難しいと思います。むしろアメリカの内水面で純血の亜種を語ること自体ナンセンスだと思います。
Spots6_1  スポテッドバスはスポッツ、またはケンタッキーと呼ばれることもあります。スポッツとラージマウスの見分け方に「基舌骨(いわゆる舌)上にザラザラ状の歯がある」とよく紹介されます。いろいろ伝聞の影響か、「舌の上に突起がある」とか単純に「歯がスモールマウス並みにある」なんていう人までいます。ラージマウスでもわずかに突起があるタイプがいるので、これだけを基準にすることはできません。歯は確かにスモールマウス並みにあります。スポッツを釣るとすぐに指がボロボロになって出血までしてしまいます。しかし、バスなんて釣れるフィールドや食べているベイトの種類で歯の育成具合も違うので、これを基準にするのも難しいと思います。実はボクが初めて明らかなスポッツを釣ったとき、この有名な「ザラザラの歯」を確かめようとしました。ところが、ボクが思っていたものとは全然違って、「えっ、これがザラザラ?」とビックリした覚えがあります。正直、この「ザラザラの歯」という判定方法も、あてにならないなあと思いました。ただ、今までに数多くのスポッツを釣ったり、見たりしてきて、スポッツかラージマウスか悩んだことは一度もありません。わざわざ舌の上を触ってみないと判定ができないほど分かりづらいものではありません。
Worldrecord  スポッツの習性はラージマウスよりもスモールマウスに近く、冷水を好み、流れのある川でもよく釣れます。ラージマウスよりもディープウォーターを好み、ストラクチャーに付くよりも群れを作ってベイトを追う傾向が強いようです。スポッツの現在のワールドレコードは、2001年4月21日、カリフォルニア州パイン・フラットレイクでブライアン・シシドがABAのトーナメント中にキャッチした10.27ポンドです。写真を見れば分かりますが、どんなに大きくなってもラージマウスとは明らかに違う体形、面構えをしています。8ポンドクラスがキャッチされることは非常に稀で、5ポンドクラスはかなりの大物といえます。

 ちなみにスポッツは食べてもクセがなくて美味しいです。アメリカではキープして食べる人も多いです。

日本にスポッツ? その2


 「日本にはスポッツとラージマウスのハイブリッドがいる」、「日本のラージマウスは純血の原種ではなく、わずかにスポッツの血が混じっていて、まれにスポッツの特徴が現れる」という人がいます。中学生レベルの生物学の知識があれば、異種交配が自然界で簡単に起こらないことぐらい常識です。逆を言えば、自然交配が行われないからこそ、スポッツとラージマウスは長い年月をかけて生き残り、現在それぞれ別種として分類されているわけです。ただし、異種交配は生物学的に近い種同士では極まれに自然界でも起こるそうです。また、人為的な遺伝子操作で無理矢理ハイブリッドを作り出すことも可能です。そのため、絶対にあり得ないとは言えませんが、やはり可能性は低いと思います。実際、アメリカではスポッツとラージマウスのハイブリッドなんてほとんど耳にしません。
Spots1  アメリカでは湖によってはキーパーサイズがバスの種類によって違う場合があります。例えばスポッツなら12インチ、スモールマウスやラージマウスなら15インチがキーパーサイズというレギュレーションの湖でトーナメントを行う際、スポッツとラージマウスの区別が容易にできなくては大問題です。スポッツのキーパーだと勘違いしてラージマウスのノンキーパーを持ち込めば、その魚は無効になるばかりか、ペナルティーまでもらってしまいます。キーパー1匹の違いで、賞金がもらえるかどうかの大事な試合では、DNA鑑定でもしてもらわないと引き下がれません。もし、スポッツとラージマウスの見分けがつかないハイブリッドの14インチが釣れてしまったら、キープしてもいいのでしょうか? レギュレーション自体に支障があります。要はそんなケースはほとんどないということの証明でしょう。ラージマウスとスポッツが簡単に自然交配しては、スポッツのワールドレコードを設定・認定することも難しくなります。スポッツのワールドレコードやステートレコードが釣れたら、ラージマウスが混じっていないか、いちいちDNA鑑定が必要になってしまいます。
Perrisspots  今は更新されてしまいましたが、以前のスポッツのワールドレコードは1987年にカリフォルニア州のレイクペリスでキャッチされた9ポンド4オンスでした。当時のレイクペリスは大物のスポッツが釣れる湖として有名でした。ところが、その後フロリダバスが放流され、今ではまったくスポッツが釣れなくなってしまいました。ボクも行ったことが何度かありますが、釣れるのはラージばかりでした。ペリスがホームレイクのブレント・エーラーも10年以上、ペリスでスポッツを見ていないと言っています。浅くて狭く、変化に乏しいレイクペリスでは、棲み分けが難しく、スポッツが生存競争に負けて自然淘汰されたという説ですが、ラージとスポッツがハイブリッド化したという人もいます。ボクは学者ではありませんので、断言はできませんが、自然淘汰説が有力です。
 ペリス同様、日本のような狭いフィールドでは両者がうまく棲み分けるのは難しく、両者のうちのどちらかが必ず優占種となるはずです。これはスモールマウスとラージマウスでも同じことが言えます。だから、同じ釣り場、同じエリアでランダムにラージマウスとスポッツが釣れるという報告は怪しいと思うのですが、いかがでしょうか?

日本にスポッツ? その1


Spots2  日本にもスポッツ(スポテッドバス)がいるのでは? という話をよく耳にします。なかには「これはスポッツだ」と断定している人までいます。ボクは北は八郎潟から西は広島、南は和歌山・四国とあちこちで釣りをしたことがありますが、30年近くバスを釣ってきて、日本でスポッツを見たことは一度もありません。雑誌等で、数多くのバスの写真を見ていますが、やはり日本のスポッツを見たことがありません。ボクの個人的な見解としては日本にスポッツがいる可能性は限りなくゼロに近いと思うのですが・・・。
Spots6  そもそもスポッツという魚を知っている人が日本ではほとんどいません。本物を見たことすらない人が「これはスポッツだ」と言うから話がややこしくなります。スポッツはラージマウスやスモールマウスとは生物学的に別種です。ノーザンラージマウスとフロリダのような見分けが難しい亜種ではありません。スポッツの見分け方で基舌骨上のザラザラの歯の有無なんてものが、まことしやかに紹介されていますが、このザラザラという表現自体があいまいで判断基準としてふさわしくないと思うのです。そんなことよりも、スポッツは釣り人なら一目で違う魚だと分かります。口はスモールマウス並みに小さく、全体に流線形の体形です。例えば、釣り人ならスズキとヒラスズキ、チヌとキビレの違いぐらい一目で分かりますよね。「ラージかな? スポッツかな?」と迷うようなことはほとんどないぐらい、両者は明らかに違います。
 韓国にもスポッツがいるという話をよく耳にします。しかし、韓国の雑誌や映像を見た限りでは、やはりスポッツはいないでしょう。韓国の釣り人と話をしたことがありますが、やはり可能性はゼロに近いと思いました。以前、スカパーで韓国のトーナメントの模様が放送され、優勝した某ワールドプロがどこからどう見ても明らかなラージマウスを釣って、「ラージマウスはこんなに高いジャンプやファイトはしませんから、これはスポッツです」とメチャクチャな解説をしていたのを覚えています。
Spots5 スポッツという魚は外見の違い以上に、ラージマウスとは習性が大きく違います。冷水を好み、群れを作りやすく、シャローからディープまで生活圏がかなり広いです。ディープから一気に浮上してトップウォータールアーにバイトするほど、ルアーへの反応は激しく、同サイズならスモールマウスやラージマウスよりもファイトは強烈です。スタミナ抜群で、最後の最後までランディングは気が抜けません。もし、日本に本当にスポッツがいたら、それこそ大問題ですし、すぐに大きなニュースになるでしょう。もし突然、真冬でもバズベイトやトップウォーター、スイムベイトやハードルアーにガンガン釣れる釣り場が出現したら教えてください。おそらく日本にスポッツがいるということになるでしょう。とにかく、スモールマウスが年々増えて社会問題化して、釣り人への風当たりが悪くなる昨今に、いるはずもないスポッツをわざわざいると言うのは、いかがなものでしょうか?

ドロップショット専用フック


Rigged_stand_out  アメリカにはちょっと変わったドロップショット専用フックがあります。スタンドアウトフックと言って、ラインを結ぶアイ以外に、もう一つラインを通すアイがあります。写真を見れば一目瞭然ですが、フックポイントを常に上向きにするためにデザインされたもので、フックが垂れ下がらないのでアクションのレスポンスが高く、フッキング率が高く、チョン掛けにしていても根掛かりしくい特徴があります。正直、あまりかっこいいデザインとは言えませんが、なかなかのアイデア商品です。
 ちなみにアメリカではチョン掛けにすることをノーズフックと表現します。鼻掛けって感じでしょうか? 鼻の高い欧米人らしい表現です。名詞的にも使えて、マスバリタイプのフックのことを総称して、ノーズフックと呼びます。間違ってもトラウトフックと呼ばないでください。
http://www.standouthooks.com/index.html

究極のアホルアー


Dragon  ボクの知る限り、ホバールアーほどの呆れたアホルアーはありません。飛んでいるトンボにバスが飛びつくシーンを目撃したデザイナーが、それをルアーとして具現化したらこうなりました。今さら説明するまでもなく、皆さんご存じだと思いますが、間違いなく歴史に名を残すジャンクルアーです。でも、究極の虫パターンといえないでもないですが・・・。

 どうして、今さらこんなルアーを紹介したかというと、ホームページで迫力満点の動画が楽しめるからです。久しぶりに見て、やっぱり笑ってしまいました。次々と勢いよく飛び出すバス達は、間違いなくトンボではなく、”浮き草”に向かってバイトしています。これを見て、欲しいと思う人って本当にいるんでしょうか? 何もかも抜けている人たちです。

http://www.hover-lure.com/

??テールの呼び名


Wedge  デプスのシャダーベイトやジャッカルのナックルなど、ハドルストンスイムベイトのようなテール形状のスイミングワームが日本でも注目です。シャッドテールを上下に貼り合わせたような形状のこのテールは、通常のシャッドテールよりもタイトでナチュラルなアクションをします。ボクは日本人だからなのか、何でもジャンル分けしないと気が済まないのですが、このテール形状をなんと呼べばいいんでしょうか? シャッド(キック)テールという呼び名とは違う別の呼び名がほしいです。ボクが知る限り、似たようなテールを先にマーケットに投入したのは、ステンレーのウェッジテールです。そういう意味ではウェッジテールと呼ぶのがいいのでしょうか? ただ、ウェッジというのはスタンレーがブレードにも使用している商標みたいなものですから、総称してテール名に使うには不適切です。何かいいアイデアないでしょうか?

巨大フロッグ登場


Riggedmagnum  写真ではイマイチ大きさが分かりませんが、サイズミックのトードシリーズにビッグサイズのマグナムトードが仲間入りしました。これでトードJr.、トード、プロップウォッシュトードに続き、4兄弟となりました。

 マグナムトードは全長8.5インチで12/Oの専用フックが1本付属で付いて、2本入り9.99ドルとなっています。かなりお高めですが、スイムベイトと思えば、こんなものでしょうか? 

ここは日本?


Moya1 スペイン旅行の最終日、釣り雑誌に広告を出しているショップをいくつかピックアップして、場所を電話して調べたところ、MOYA DEPORTESというショップが近そうだったので覗いてきました。
Moya2  釣具屋さんだと思ったら、スポーツ用品全般のお店だったのですが、釣具コーナーはバスやパイク等のルアーに限定したプロショップになっていました。「ここは日本?」と錯覚しそうなほど、日本のメーカーのルアーやロッドが充実していて、特にエバーグリーンやイマカツが人気のようでした。面白かったのは日本やアメリカではまったく馴染みのないメーカーがいろいろあって、日本のルアーのコピーがたくさん売られていることでした。
Moya3  お店では聞き覚えのある声がテレビから聞こえ、振り返ると俺達。秦君がフリックシェイクでバスを仕留めるシーンが偶然流れていてビックリ。ジャッカルのプロモーションDVDを流していました。日本語そのままなので、現地の人たちには何を言っているのか分からないのですが、バスのヒットシーンが多く収録されているので、ウケがいいようです。
 せっかくなので、店員さんにいろいろ話を聞くと、スペインではバスフィッシングは年々人気が高まっているようで、日本のルアーが人気だということでした。釣り場も増えており、最近はスイムベイトブームで、1個40~50ユーロする高価なルアーでも、通販でどんどん売れると言っておりました。

熱収縮チューブでズレ防止


 アメリカではフリッピング(特にヘビーウェイトパンチング)にはストレートフックの良さが見直されてきています。近距離で真上に方向にフッキングをするフリッピングでは、オフセットフックではすっぽ抜けが多発するからです。1匹キャッチできるかどうかで大金を手にできるかどうかが掛かっているアメリカのトーナメントでは、すっぽ抜けは精神的なダメージが大きいばかりか、巨大なシンカーが近距離から吹っ飛んでくるのでたいへん危険です。
Slice1  ところがストレートフックも万能ではありません。特にやっかいなのがワームのズレです。ストレートフックにはワームのズレを防止するスライスがついています。スライスは大きいほどズレにくいのですが、大きくすればシャンクの強度が弱くなります。そこで、熱収縮チューブを使って、フックに自作のスライスを装着すると、ワームのズレがほとんど皆無となります。装着方法は簡単で、熱収縮チューブを写真のように片方だけ斜めにカットして、フックを通してスライスの上でライター等で軽くあぶってやるだけです。
Slice2  同じ要領でオフセットにスライスを装着することもできます。タックルショップに行けば、ワームズレ防止のゴム製ストッパーが売られていますが、熱収縮チューブのスライスの方が断然優れています。ストッパーを装着したフックはワームを付け替えるたびにラインをカットして、ラインアイ方向からワームを刺さないといけませんが、スライスなら普通にフックポイントからワームを刺してフックをセットすることができます。しかもワームのズレ防止力はスライスの方が上です。

スペインの釣り雑誌


Photo_10  スペイン旅行中、スペインの4大釣り雑誌を購入しました。スペインはヨーロッパでも特にバスフィッシングが盛んなところで、雑誌の表紙をバスが飾ることもしばしばあります。久しぶりに購入したら、さらにバスの記事が増えたような気がしました。また、バス関係の広告も多くなっていました。ちょうど、毎年行われるユーロカップの記事なんかも出ていて、チームアメリカの面々の写真も出ていました。それにしてもバスボートが増えています。地元のトーナメンターのトーナメントシャツは、なぜかエバーグリーンのロゴがあちこちで見られ、人気ブランドのようです。