日米のプロトーナメントの違い その3


 アメリカでも不正は度々起こっていて、「アイツは怪しい」という話もよく耳にします。最近、ボクが一番ショックだった事件はデルタのある有名なロコアングラーの不正発覚でした。あえて名前は出しませんが、彼はデルタのトーナメントにしか出場しませんが、とにかく強く、以前から悪い噂がありました。
 彼のケースはなかなか巧妙でした。ドラム缶のような大きな筒状のものをある秘密の場所に縦に沈め、上からグラスやモスでフタをして分からないようにしていたのでした。デルタはタイダルウォーターで干満による水位差がありますが、ロータイド(干潮)でもその筒の口が外に顔を出すか出さないかの水深の場所だったそうです。彼は常日頃からバスを釣るとそこに放流?をしていたのです。満潮時には逃げ出すバスもいたでしょうが、それは仕方なしとして、とにかくビッグフィッシュをせっせと中に放流していたのでした。
 彼は試合になってピンチになるといつもそこに行き、フリッピングでビッグバスを抜いていたそうです。ただし、長居は無用で彼はそのシークレットポイントにはいつも数投で立ち去ったそうです。バックシートのコアングラーにはそこに何が沈んでいるのかも分からなかったそうです。そして、ついにその秘密がバレてしまったのでした。
 アメリカでは個人がブッシュやクリスマスツリーなどを沈めて、シークレットポイント作るのは違法ではありません。バスプロショップなどでも沈める用のプラスチック製のブッシュカバーが売られていたりします。また、公式プラクティス中でなければ、試合前にコーブなどの特定のポイントにバスを移動させて、バスの魚影を濃くするような行為もルール的には問題ありません。ただし、1日に1人あたり5匹以上のバスをライブウェルに入れる行為は違法となりますが・・・。
 つまり、個人しか知り得ない特定の場所に構造物を沈め、バスが居着くように放流を繰り返す行為自体は、ルール上はOKとなってしまいます。今回のケースでもバスは逃げ出そうと思えば逃げることもできたわけで、また、100%確実に釣れるというわけでもありませんでした。厳密には限りなく黒に近いグレーで、完全な黒とは言えないと判断されたと聞いています。結果、過去の戦績が抹消されることはありませんでした。ただし、彼はその後、完全にトーナメントシーンから姿を消してしまいました。スポーツマンシップに欠ける行為もまた許されないのです。

日米のプロトーナメントの違い その3」への4件のフィードバック

  1. GRANBASS

     日本ではサンダルで参加したら失格らしいですね。まるで中学校の校則並みですね。どうせなら、茶髪、金髪を禁止にしたらいいのに・・・。ボクは今回のトーナメントは3日間サンダルでした。
     バイオソニックも持っている人とそうでない人がいて不公平ということで日本では禁止になったんですよね。

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  2. 川越

    日本で一番びっくりするのはルールに書かれていない行為をして、突然おまえらは失格だといわれることですね。私は取材側でしたが箱メガネを使って深いとこのサイトをして『かっこ悪いから』なんていう理由でその日に突然数名失格にされたという話があります。ルールにするなら明日から禁止とかなら理解はできるんですがね。

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  3. GRANBASS

     日本にも似た話あったんですか? バスの移動ですが、公式プラクティス中はできませんが、それ以前ならOKです。
     日本だって、トーナメントでもないのにライブウェルに入れてマリーナに持ち帰って、くだらない写真を撮ってから放流しているじゃないですか。似たようなもんです。

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  4. 川越

    昔日本でも似た話ありましたね。アメリカではバスの移動も許されるんですね。ちょっと驚きました

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