日別アーカイブ: 2009年1月10日

久しぶりにスポッツネタ その2


Spot  久しぶりにスポッツネタを書くとアクセス数が一気に増えました。皆さん、このネタには少なからず興味を持っているんですね。実際、スポッツの話をよく質問されます。ボクも興味があったので、スポッツ、スポッテッドバスというキーワードで検索をしてみると、あまりのヒット数に正直ビックリしました。かなり多くの方が日本にスポッツがいると信じているようです。
 それでもボクは断言します。日本にスポッツはいません。もちろん、ボク自身、日本全国、津々浦々で釣りをしたわけではありませんので、絶対とは言い切れないかもしれませんが、とにかくスポッツと疑わしき魚を見たことがありません。それは誌面やウェブ上の写真でもです。以前に書いたように、スポッツという魚は釣り人なら、一目で見分けが付くぐらいラージとは違う種なのです。
 そして、もう一つまことしやかに語られているハイブリッド説ですが、ラージとスポッツは自然界では交雑しません。そもそも、種の概念とは、自然界で交配できる自然個体群のグループ(生殖的に隔離されているもの)と定義づけされているわけで、交雑しないからこそ、ラージとスポッツは別種として存在しているわけです。ボケたラージマウスが間違ってスポッツの産卵床の卵に精子をかけたからといって、ハイブリッドが簡単に生まれたりするような話ではないのです。いわゆる”神の見えざる手”というやつです。ボクは生物学の専門家ではありませんが、これぐらいのことは常識です。
 あり得ないですが、もし仮に交雑するとしても、そのハイブリッドは一代限りで、子孫を残せません。つまり、日本にスポッツが数多く存在しない限り、ラージとのハイブリッドもまた存在しえないことになります。
 もっとあり得ないことですが、もし、ラージとスポッツが交雑して、しかも子孫まで残せるなら、ラージとスポッツは別種ではなく亜種ということになります。つまり、アメリカの湖にはラージともスポッツとも判別不可能なバスがウヨウヨいることになります。つまり、ハイブリッドの比率は50%-50%とは限りません。25%-75%、12.5%-87.5%も存在しうることになるわけです。そうなったら、もうたいへんです。ラージならキーパーサイズが15インチ、スポッツならキーパーサイズが12インチの湖でトーナメントを行った場合に、トーナメンターは迷ってしまいます。14インチの判別不能な1匹をウェインするかしないかで優勝10万ドルを手にできるかどうか、トップ10に残れるかどうか、賞金圏の50位には入れるかどうかとなったら、最終的には弁護士雇って裁判して、DNA鑑定でもしないと決着がつきません。トーナメントの運営自体が不可能となります。
 だからボクは断言できます。日本にスポッツはいません。ムキになりすぎでしょうか?