日別アーカイブ: 2012年1月18日

大英断 その2


 B.A.S.S.の突然のAリグ使用禁止(クラシックおよびエリートシリーズ)のルール変更発表に対して、アメリカではフェイスブックで大きな話題となっています。多くのエリートプロやFLWツアープロも、自身のページ上でコメントを発表したり、意見を求めたりしており、それに対するコメントが数多く寄せられています。
 面白いのは意見が真っ二つに割れている点です。ボクも反対派の1人として、応戦中です。そこで焦点となるのは、なぜ使用禁止なのか? というアングラーを納得させる明確な理由です。
バスが釣れすぎるから? もし、Aリグが釣れすぎるからという理由で使用を制限するならば、何か新しいものを作りだそうというチャレンジ精神、バスフィッシングの発展に水を差してしまいます。脳天気な肯定派の人たちは「だったら、ハイドロウェイブもサイドイメージも禁止にしろよ」とコメントしたりしています。また、ガルプのような、ルアーなのかエサなのか境界が難しいルアーが禁止にならないのは、スポンサーの力も少なからず影響します。
バスにダメージが大きいから? もし、Aリグがバスの魚体にダメージを与えやすいという理由で使用を制限するなら、バスをキープして持ち帰るトーナメント自体の存在が矛盾となります。バスの個体数を守るという観点では、サイトフィッシングこそ禁止にするべきですし、その時期の試合を控えるべき(ボクはこの意見には大賛成)です。また、ルアーを呑まれやすいキャロライナリグの方がバスにダメージが大きいという意見もあります。また、ダメージさえなければ、たとえばフックは1本で4本はダミーならOKじゃないのかということにもなってしまいます。
フックが多いから? まあ、そんな単純な理由だと思う人は肯定派も反対派もいないと思うのですが、それでもフェイスブック上では「だったらトリプルフック付きはどうなんだ? トレーラフックの使用を禁止しろ」といった論点がズレたコメントも見られます。
5個は多すぎるから? もし、ルアーを5個同時にキャストするのが多すぎるという理由なら、「2個ならOK?」、「3個ならOK?」という意見が出て当然です。個数で境界線を引くのは難しいです。Aリグがブサイクで、ダブルフルークはスマートなのかは、価値観の問題であって、整合性がとれません。

 そもそも、Aリグがバスフィッシングの将来に悪しきものならば、エリートシリーズのみ禁止にして、オープン戦でOKにするのは矛盾があります。
 これに似たルールとしてはランディングネットの使用があります。ランディングネットはオープン戦では使用OKですが、エリートシリーズでは現在使用できません。理由は簡単。くだいて言えば、エリート選手は「プロの中のプロとして、スポーツ選手として格好良く振る舞え!」ということです。ネットを使ったランディングシーンでは緊張感もなく、テレビ映えしません。
 つまり、B.A.S.S.が今回のルール変更にいたったのは、エリート(プロの中のプロ)なら「スマートにロッド1本につき1個のルアーで釣りなさい」というシンプルな理由というわけです。おかげで、これまで問題視されにくかったダブルフルークやフロントランナーまで使用禁止となってしまいました。

大英断


 1月17日、バスマスターは重要なルール変更を発表しました。なんと、今季のバスマスタークラシック、エリートシリーズで、アラバマリグ系、いわゆるAリグ(キャスタブル・アンブレラリグ)の使用が禁止となりました。
 さらに驚いたのはAリグだけでなく、今や定番となっていたダブルフルークやフロントランナーなどの2個以上の独立したルアーを同時に使うマルチルアーリグ全般が禁止となりました。これはマルチルアーリグとAリグとの違いや整合性を考えると、こういう判断をせざるを得なかったということでしょうか。
 ただし、このルールはバスマスターオープンやフェデレーションなど、他のバスマスターの試合では適応されていません。どうせなら、キッパリ全面禁止にしてほしかったものです。これを機にFLWなども同じような流れが生まれるとうれしいのですが・・・。
http://www.bassmaster.com/news/bass-imposes-one-lure-rule-classic-and-elite-series