大英断 その2


 B.A.S.S.の突然のAリグ使用禁止(クラシックおよびエリートシリーズ)のルール変更発表に対して、アメリカではフェイスブックで大きな話題となっています。多くのエリートプロやFLWツアープロも、自身のページ上でコメントを発表したり、意見を求めたりしており、それに対するコメントが数多く寄せられています。
 面白いのは意見が真っ二つに割れている点です。ボクも反対派の1人として、応戦中です。そこで焦点となるのは、なぜ使用禁止なのか? というアングラーを納得させる明確な理由です。
バスが釣れすぎるから? もし、Aリグが釣れすぎるからという理由で使用を制限するならば、何か新しいものを作りだそうというチャレンジ精神、バスフィッシングの発展に水を差してしまいます。脳天気な肯定派の人たちは「だったら、ハイドロウェイブもサイドイメージも禁止にしろよ」とコメントしたりしています。また、ガルプのような、ルアーなのかエサなのか境界が難しいルアーが禁止にならないのは、スポンサーの力も少なからず影響します。
バスにダメージが大きいから? もし、Aリグがバスの魚体にダメージを与えやすいという理由で使用を制限するなら、バスをキープして持ち帰るトーナメント自体の存在が矛盾となります。バスの個体数を守るという観点では、サイトフィッシングこそ禁止にするべきですし、その時期の試合を控えるべき(ボクはこの意見には大賛成)です。また、ルアーを呑まれやすいキャロライナリグの方がバスにダメージが大きいという意見もあります。また、ダメージさえなければ、たとえばフックは1本で4本はダミーならOKじゃないのかということにもなってしまいます。
フックが多いから? まあ、そんな単純な理由だと思う人は肯定派も反対派もいないと思うのですが、それでもフェイスブック上では「だったらトリプルフック付きはどうなんだ? トレーラフックの使用を禁止しろ」といった論点がズレたコメントも見られます。
5個は多すぎるから? もし、ルアーを5個同時にキャストするのが多すぎるという理由なら、「2個ならOK?」、「3個ならOK?」という意見が出て当然です。個数で境界線を引くのは難しいです。Aリグがブサイクで、ダブルフルークはスマートなのかは、価値観の問題であって、整合性がとれません。

 そもそも、Aリグがバスフィッシングの将来に悪しきものならば、エリートシリーズのみ禁止にして、オープン戦でOKにするのは矛盾があります。
 これに似たルールとしてはランディングネットの使用があります。ランディングネットはオープン戦では使用OKですが、エリートシリーズでは現在使用できません。理由は簡単。くだいて言えば、エリート選手は「プロの中のプロとして、スポーツ選手として格好良く振る舞え!」ということです。ネットを使ったランディングシーンでは緊張感もなく、テレビ映えしません。
 つまり、B.A.S.S.が今回のルール変更にいたったのは、エリート(プロの中のプロ)なら「スマートにロッド1本につき1個のルアーで釣りなさい」というシンプルな理由というわけです。おかげで、これまで問題視されにくかったダブルフルークやフロントランナーまで使用禁止となってしまいました。

大英断 その2」への3件のフィードバック

  1. GRANBASS

     エリートシリーズで禁止になったのは一歩前進ですが、エリートシリーズはコアングラーも同船しませんし、まだまだ限定的です。今はAリグ反対派が最後の抵抗として、署名を呼びかけたりしています。FLWが同調するかどうかは、今月いっぱいが勝負です。
     エリート選手はほぼ今回のルール発表を好意的に受け止めているようです。

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  2. uchida hiroyuki

    今回の騒動により、釣り、ルアーフィッシング、バスフィッシング、ゲームフィッシング、トーナメント等、各自において楽しんでいる方々が、自分なりに考える事が出来たのでは、ないでしようか?釣るという人間からみた一方的な行為の世界の中で楽しんでいる中にも、分別や縛りはあった方がよいと思われます。業界的にも、魚と人間との釣った釣れないだけでは、なくなっていって欲しいです。ただ、今回の件で、悲しく思えた事も一杯あるような。フライやヘラブナなどの世界にも似たよう事が、有りますけどね。
    やっぱり今回の事は、今後のバスフィッシングにおいて、あってよかったと思いたいです。

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  3. やがな

    禁止になったことは個人的には良いことだと思います。間をとって、フックはひとつのみなら使用可みたいな妥協案もあるのかなと思っていましたが、原点に戻って、すごく単純明快なルールにしたのは評価したいです。
    が、桐山さんはブランドの立ち上げまで行なったようなんで、試合で使えないとなると大変でしょうね。

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