久しぶりにスポッツネタ その4


Fh000011  スポッツという魚は釣り人なら、一目で見分けが付くぐらいラージマウスとは違う種だと書きましたが、スポッツを見たことがない人にとっては、それでは納得がいかないかもしれません。ただ、釣り人の感覚で一目で分かるという表現が最も正しく言い当てていると思います。初めてスポッツを釣ったときの感覚は、初めてスモールマウスを釣ったときと同じくらいの感覚です。
 釣り人ならスズキとヒラスズキの違いは一目で分かります。いちいち、形態的な特徴を見て確認しないと違いがはっきりしないようなものではありません。水族館で遠目に泳いでいてもすぐに判別ができるはずです。逆にスズキとヒラスズキの形態的な特徴の違い(判別法)を明確に答えられる人の方が少ないんじゃないでしょうか? そんなことは学者のすることで、ボク達釣り人には不要なんです。
 現在、日本でスポッツが釣れると騒いでいる人たちは、どこからどう見てもラージマウスを、無理矢理にスポッツだとこじつけるための理由探しをしているにすぎません。そこまでしてスポッツだと思いたい真意がボクにはまったく理解できませんが・・・。その理由づけの根拠となっているのが、形態的な特徴の違いです。ただ、実際のところ、その頼りの形態的な特徴の違い、いわゆる判別法自体があいまいなのが現実です。そもそも、これが完璧という判別法すら存在しないかもしれません。
Imgp7897  A.J. McClane著のFreshwater Fishes of North Americaという有名な図鑑があります。アメリカでは釣り人の間でバイブル的な存在です。ボクも持っているのですが、この本ですら60年代から70年代にかけてまとめられたものらしく、この本の中ではショールバスはまだレッドアイバスの亜種として紹介されています。つまり、ボクとしてはこの図鑑の内容すら、鵜呑みにはできないと思っています。実際、他の文献や資料では微妙に表現が異なっていたりします。ただ、この図鑑を見たことすらない人もいると思うので、スキャンして貼っておきます。あくまで一つの参考資料としてください。

ノーザン・ラージマウスバス

Northernlargemouth_2

フロリダ・ラージマウスバス

Floridalargemouth

ノーザン・スモールマウスバス

Northernsmallmouth2

ノーザン・スポッテッドバス

Kentucky

アラバマ・スポッテッドバス

Alabama

ウィチタ・スポッテッドバス

Wichita

 

久しぶりにスポッツネタ その4」への5件のフィードバック

  1. GRANBASS

    BASS様 イラストはA.J. McClane著のFreshwater Fishes of North Americaをスキャニングしたものです。ご自由に使っていただいてけっこうですが、文献の出所は表記しておいた方がいいと思います。

    返信
  2. BASS,

    はじめまして、BASS,と申します。
    いきなりコメントさせていただき恐縮ですが、この記事のバスの画像を使わせていただけませんでしょうか?
    ただ今、私ホームページを作っておりまして、そこでこのバスの画像が使いたいと思い、コメントさせていただきました。直接メールさせて頂こうと思いましたが、メールアドレスが見当たりませんでしたので、ここにコメントさせていただいた次第でございます。
    よろしくお願いします。

    返信
  3. おかっぱり

    親切に教えていただきありがとうございます!
    ノーザンもフロリダもラージはラージだから、
    フロリダがいるからこう釣るとかじゃなく
    日本でも海外でもその場に応じた釣り方が大事なんですね!
    大変勉強になりました!
    ありがとうございます!

    返信
  4. GRANBASS

     ノーザンとフロリダの区別は難しいというか、ほとんど無理です。ヤマメとアマゴのような都合のいい特徴の違い(朱点の有無)がありません。正直、ボクは自信ありません。なんとなく、フロリダっぽいかな?と思うぐらいです。というよりも、今の時代にフロリダとノーザンの区別をしようとすること自体がナンセンスかもしれません。ノーザン、フロリダを区別して、ウンチクを語る人の方が信用できません。
     日本人って、何でも区別をしたがりますが、アメリカ人は、ほとんど誰もこだわってません。たとえば、同じフロリダバスでも、フロリダとテキサス、カリフォルニア、メキシコでは、気候や地理、水質、ベイト等の生息環境の違いから、顔つきも体型も変わってきます。
     さらに放流が繰り返されている内水面の事情では、純血のノーザンやフロリダの方が少なくなってます。亜種同士は交配が進んで、最終的には一つになってしまうからです。
     元来、フロリダとノーザンは長い長い年月をかけて、地理的隔離の下で、それぞれがその環境に順応して進化して生まれたものです。持って生まれたDNAが違っても、同じ環境下に放流されれば、性格は微妙に変わっても、ともにその環境に順応していこうとするものです。
     日本では有名なある方が以前、「フロリダバスは水深4m以上の深いところに行かないから、日本の冬でもフロリダバスを狙うなら4mよりも浅いところを釣るべき」と語っていました。
     それは年中温暖で、浅い湖しかないフロリダ在住のフロリダバスに当てはまるセオリーであって、日本どころか、同じアメリカでも違う州では当てはまりません。
     何が言いたいかといえば、ここはノーザンがいるからノーザンの釣り方、ここはフロリダが入っているからフロリダの釣り方という考えよりも、その釣り場の環境に合わせた釣り方の方がより重要だということです。
     一方、スポッツとラージマウスは違う種なので、この話とは別問題です。日本ではノーザンとフロリダの違いとラージマウスとスポッツの違いを同じようなレベルで考えている人が多いように思います。また、柔軟に物事を考えることができないから、「ディープで釣れたから、よく引くから」という理由だけで、「スポッツに違いない」となってしまいます。
     ノーザンとフロリダの話はノーザンスポッツとアラバマスポッツにも言えます。両者の違いもほとんど見分けがつきません。

    返信
  5. おかっぱリ

    前田様
    はじめまして。
    いつも興味津々で読まさせてもらってます。
    バスフィッシングを始めて2年くらいの初心者なんですが、
    野池でしか釣りをした事が無く、フロリダバスを見た事がありません。
    ノーザンとフロリダの違いってどういう所なんでしょうか?
    釣ったらすぐわかるものなんですか?
    初心者丸出しの質問でスミマセン(汗)

    返信

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