いつものぼやき その5


 最近の日本の釣り業界(メーカー、プロ、メディア)は、必要以上に細いラインを推奨しすぎだと思いませんか? 今や3ポンドラインは当たり前、さらに細いラインを平気で使う人もけっこういます。そして、あっさりラインを切られてしまいます。これでは、年々少なくなるバスにさらにダメージを与えています。
 細いラインは軽く根掛かっても、ラインがすぐに切れてしまうので、ルアーの回収率が悪く、釣り場への負荷もより大きくなってしまいます。
 いくらリールのドラグの性能がよくなっても、ラインが強くなったといっても3ポンドラインはあくまで3ポンドライン。こちらに主導権がない限り、バスがカバーに向かって突進すれば、100%絶対に獲れません。つまり、3ポンド以下のラインで、ある程度のサイズのバスをキャッチするには、たまたま周りにカバーがないか、カバーに向かってバスが突進しないか、ラッキーな要素が必要不可欠です。
 はっきり言って、細いラインを使ってバスをヒットさせても自慢になりません。確かにラインは細いほど操作性もよくなり、違和感もないのでバスにバイトさせやすいですが、それは釣り人の技量ではなく、ラインのおかげです。太いラインでヒットさせることにこそ、釣り人の技量の差が出るわけです。
 ましてや、ラインは細いほど、バスも違和感なく食ってくるせいか、フックを呑まれやすいですし、やりとりにも時間がかかり、仮にキャッチできたとしてもバスへの負担も大きくなります。
 ボクはアメリカ人とよく釣りをしますが、彼らは本当に太いラインを使います。そして、本当によく釣ります。それはラインが風やカレントの影響を受けないようにラインメンディングをしたり、ボートポジションやキャストコースを工夫しているからです。
 よく、「アメリカ人はライトリグが苦手」なんて言われますが、もし彼らが日本人の持っているような繊細なライトラインにライトタックルを手にしたら、おそらく、もっと釣るだろうと思います。反対に日本人は普段ライトラインに慣れすぎているせいか、アメリカ人の持っているタックルを借りて同じようなことをやっても、ストレスばかりで釣りにならないでしょう。
 昨年からベイトフィネスブームも、「スピニングタックルによるライトラインの釣りがベイトタックルでやや太めのラインでできる」というアプローチなら大歓迎ですが、実際はラインが細いままスピニングからベイトタックルに変わっただけだったり、単純にフィネス化に拍車が掛かっただけのような感じがします。

いつものぼやき その5」への14件のフィードバック

  1. プニっ子・N・プニ雄

    ベイトフィネスブームの始まりは、倒れこんだ葦やらレイダウンやらテトラだのをフィネスで攻めるのに、8とか10ポンドぐらいのラインを「スピニングじゃちょっと扱いずらいし、パワーもたんないかな」って事が発端だった気がします。
    それが、関東のトーナメンターAプロが、三連覇したあたりから、TOP50のプロたちが「実は水面下でずーっと研究開発中でした」って具合でシャシャり出てきて、スピニングだと「アキュラシーが悪い」だの「完全なサミングが出来ないからキャスト精度悪い」だのと理由を付けて売り出してしまって、今日の細いラインのブームに拍車がかかった気がします。
    しかも、陸っぱり人口の多い日本において「スピニングの代わりも出来る究極のバーサタイル」なんて謳い文句で売り出したら歴二、三年の経験が浅く自己判断できない初心者バサーはコロッと騙されてしまいますよね…。
    きっと、業界を最前線で盛りあげるがために、いろいろとややこしい事情もあるのでしょうが、トップカテゴリーで活躍してる選手の方々は一般バサーが間違った方向に行かぬよう発言を考えてほしいものです。

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  2. GRANBASS

    ツヨシ様 フロロなら8ポンドが今や標準でしょうか? 中には10ポンドぐらいを平気で巻く人もいますが・・・。最近のトーナメントではブレイドラインを使う人も増えてます。ここで言うブレイドラインは日本のような極細ラインではなく、けっこう太めです。12-16ポンドぐらいを使っている人が多いような・・・。
     要はアメリカでは、先ず獲れることを前提に、どこまでラインを落とせるかという発想なので、ストレスを感じないレベルで可能な限り強いラインを選んでいるわけです。

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  3. GRANBASS

    川越様 鉛はすっかり環境に悪いイメージになっていますが、果たしてタングステンが環境にいいのかは疑問ですよね。
     ラインが切れてしまえば、切れた先はすべて湖に残してしまいますし、何よりもタングステンのシンカーを作るのにどれほどのCO2を排出しているのか・・・。希少な資源の無駄使いでもありますし・・・。

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  4. GRANBASS

    FlashPeeeeee〜☆ 様
     鼻くそほじりながらじゃなくてもいいですよ。ボクは純粋に釣りだけして生活している人はプロだと思っています。メーカーの社員や社長は、少し違うような気もしますが・・・。ただ、プロと呼ばれる自覚がない人が多いとは思います。
     アユ釣りもそうですが、一時はかなりブームでしたが、仕掛けが年々繊細になって、業界で釣りを難しくして、結局廃れてしまいました。最近のバスも難しく語るのがかっこいい風潮があって、悪い方向に進んでますね。まともに他社のルアーを使ったこともないのに、「これしか釣れん」とキッパリ言ってみたり・・・。恥ずかしくないんでしょうかねぇ。

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  5. ツヨシ

    以前、ここのブログで、「8LDを巻いたスピニングはアメリカではフィネス」、と見掛けた気がしますが、アメリカではスピニングに何LD位を巻くのが一般的なのですか。日本では6LD位でも太いと考える人が多いと思います。村田氏はULかLの5.6ft位のトラウト竿に、12LDを巻いて使ってました。今は分かりませんが。

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  6. 川越

    ラインではないですがうちの船ではシンカー(中通しタイプ)は鉛製を推奨しています タングステンのはあまりに良くラインがプチプチ切れるので

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  7. FlashPeeeeee〜☆

    日本にバスフィッシングのプロが居るのかい?って鼻くそほじりながら問うてみたいですが
    俺はセールス・プロしか見た事ないぜ♪
    メディアもメーカー絡みの人間しか登場しないしね。
    ラインブチブチ切られながら運よく網ですくえた魚で争うのがトーナメントと呼べるのか
    甚だ疑問です。
    フックアップしても確実にランディング出来る根拠があるタックルで挑まない限り
    ゲームには成りえない気がするのですよね。
    ”釣った魚をリリースする意味がわからない”という思想を持つ方々がが大多数を占める土壌(国)な訳ですから
    全殺し・半殺しでもリリースはリリースという業界ですから
    糸はどんどん細く
    ルアー?(餌だろ?)はどんどん小さく
    たぶんこの腐った連鎖はバスが「幻の魚」になっても
    変わりぁせんでしょう。
    色んな釣り対象魚がそういう末路を辿った様に・・・。

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  8. GRANBASS

    ハイライト様
     「素人がプロのマネをしてはいけない」というのはボクは少し違うような気がします。誰だって、プロがやっていたらマネしたくなりますよ。ラインが細ければ細いほどヒットさせやすいのは、紛れもない事実なわけで・・・。プロは素人の模範でなければ、メディアで釣ってみせる必要はないわけで・・・。
     本当のプロなら、誰よりも太いラインを使って、誰よりも釣ってみせてほしいです。細いラインに頼らないと釣れないのは、その程度の腕でしかないということです。プロとしては失格なんです。

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  9. ハイライト

    ブログ主さんの意見は,もう十数年前から吉田幸二さんが訴えてますよね!!
    素人がプロの真似をしてはいけない。ましてや,陸っぱりアングラーは!!と。
    自分は,普段からPE4号ですが今年だけでもう100近いバスを取っています。
    たまにブログでライトタックルを使いラインを「切られた!!」と載せている人が居ますが,呆れてしまいますよね。
    ラインを切られたのを恥と感じないと!!

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  10. GRANBASS

    Ryu様 SWMRさんのDVDは見たことありませんが、野尻湖でベッドのサイトフィッシングをして、次々とラインを切られるDVDを見たことがあります。ただただ呆れました。そんなDVDを扱うショップもショップですが・・・。

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  11. Ryu

    SWMRさんとか、DVDとかでも3ポンドぐらいで
    バチンバチン切られてます
    情報を発信する側としての意識が薄い気がします
    自分達の業界の首を絞めているだけですよね

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  12. GRANBASS

    TOK 様 2.5ポンドは所詮2.5ポンドですよ。それ以上の強さがあるわけではありません。
     トーナメントではロッドの本数を制限する必要性はボクは特に感じません。長さは制限されていますよ。

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  13. TOK

    自分も結構ライトラインを馬鹿にしていたんですが、最近の○ンラインなんかは50ヤードで3500円もしますが、2.5ポンドもかなりしっかりしていますよ。というよりも日本の繊維技術は凄いなと思ってしまいました。トーナメントにしては、米国、日本供にラインの太さとルアー重さ、ロッドの長さ、ロッドの本数は制限すべきだとおもいますけどね/

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  14. 匿名

    釣り具の進歩はもういい加減にしてほしい。
    これからは、環境が一番ですね。バスがいない環境では釣りは成立しないのですからね!

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