日別アーカイブ: 2012年6月27日

秘密だったクランクベイト その3


P1060343_506x640 今年の4月号のFLWマガジンの78ページに興味深い記事があります。それはトミー・マーティンが1970年代初期に作られたヴィンテージ・ウィグルワートについて解説している内容です。
 やはりトミー・マーティンもまた、現行モデルではなく、旧モデルを愛用しているわけですが、その違いを大きく3つ挙げています。
 まずはラトル音の違いです。これはアーロン・マーテンスからも直接聞いたことがあります。現行モデルのウィグルワートはラトル音がカンカンと高く鳴りすぎますが、旧モデルは鈍い音がします。アメリカではこの鈍い音をDull Soundと表現します(ダルイ音と覚えるといいです)。もちろん、これはクリアリップ同士の比較での話です。実際、旧モデルを愛用している人のほとんどはボーン素材ではなく、クリアリップのウィグルワートを愛用しています。
 2つめはチドリ加減。やはり旧モデルは左右にハントするのが重要な要素だと解説しています。そして、興味深いのはラインは8-10ポンドと細くした方が、より大きく左右にチドリやすくなると紹介しています。
 3つめはこれもドン深のロッキー・リザーバーでは大きな違いになりえますが、旧モデルの方が現行モデルよりもやや深く潜ると語っています。具体的にどれだけとは解説していませんが、経験上感じることができる差なのでしょう。もちろん旧モデルでもボーン素材はクリア素材に比べると潜行水深が浅いので、あくまでクリアリップのウィグルワート同士での話ですが・・・。

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日本の”シェアバス(バスはみんなのもの)”プログラム その2


 そもそも、バスはプライベートポンドでもない限り、釣り場に通うすべての釣り人の共有の資源であり、誰か特定の人のものではありません。今回の”シェアバス”プログラムという名前を付けたのは、そんな意味が込められています。
 「そんなもん、釣ったオレのもんやから、煮ようが食おうがオレの勝手や」という人がいるかもしれませんが、そのバスは誰かがリリースしてくれたおかげで釣れたわけです。またはもっと以前にその親がサイトフィッシングでいじめられなかったから、ブルーギルやコイに食べられずに無事に生まれたわけです。
 今釣れたバスを可能な限り負担をかけずにリリースできれば、そのバスがまた誰かのルアーにヒットしてくれるかもしれませんし、将来の子孫を残してくれるかもしれません。
 それこそが、キャッチ&リリースの本来の精神です。最近のメディアプロはルアーやタックルの宣伝ばかりに必死で、キャッチ&リリースの重要性や正しい方法を周知させるような努力・啓蒙活動をほとんどしていません。釣り雑誌もクライアントから広告をもらうことに必死で提灯記事ばかり書いています。
 ボクはいつまでも大好きなバスフィッシングが日本で楽しめるようにと、何年も同じようなことをブログで訴えてきましたが、状況はますます悪くなっているような気がします。さらに問題なのは、肝心の業界関係の人たちから危機感があまり感じられない点です。もちろん、並木敏成さんのように危機感を感じて発言している人もいますが・・・。
 釣り場はトーナメンターだけのものではありません。トーナメントを完全否定するつもりはありませんが、トーナメンターは一般アングラー以上に、バス対しての細心のケアをしてほしいと思います。検量はすみやかに終え、検量が終われば、一秒でも早く水に返してあげようという気持ちを持ってください。そうすれば、両手に3本、4本、5本もバスを持って、写真を撮ることがいかに時代遅れの恥ずべき行為であるかが分かるはずです。