月別アーカイブ: 2015年5月

日本のバスフィッシングの将来 その3


今週、テキサス州レイクフォークでTTBC(トヨタテキサス・バスクラシック)が開催されました。日本ではなかなか注目されませんし、仮に紹介されたとしてもトーナメント結果や、薄っぺらいテクニックやメソッドばかりで、もっともっと大事なことがあるのに、そういうことがメディア等で紹介されないのは非常に残念です。
レイクフォークは、ボクが22年前、初めてアメリカに遊びに行った際に、訪れた釣り場の一つです。日本でも有名なビッグバスの聖地みたいなイメージの釣り場ですが、実際に行ってみると、すごく小さな湖です。湖岸線こそ複雑に入り組んでいますが、面積的には南湖を少し大きくしたぐらいです。
アメリカには無数に釣り場があるにもかかわらず、レイクフォークでは全米でも珍しいぐらい多くのフィッシングガイドが生計を立てています。そして、何十年経っても、ビッグバスパラダイスとしてのコンディションをキープし続けています。
今年のTTBCの結果を見ても、初日だけで35人中5人が30ポンドオーバー、トップウェイトはジェイソン・クリスティーがキャッチした37ポンド4オンスでした。12位でも25ポンド超え、21人が20ポンド超えというハイウェイトでした。優勝したブレント・エーラーの3日間のトータルウェイトは89ポンド12オンス、ほぼ30ポンド平均という驚愕のウェイトです。
全米でも有名で、連日釣り人で賑わう小さな釣り場にもかかわらず、なぜ、レイク・フォークはこんなにも釣れるのでしょうか?
理由はこの湖にあるスロットリミットというルールのおかげだとボクは考えます。レイクフォークでは、16~24インチ(40.6~61cm)のバスはキープすることができません。トーナメントはもちろん、写真を撮るためにマリーナに急いで持ち帰ることも違法となります。要はバスをライブウェルに入れたら違法というわけです。
そんなわけで、レイク・フォークではトーナメントは決して盛んとは言えません。40cm以下か61cm以上じゃないと持ち帰れないルールでは、なかなかトーナメントは成立しませんから。これはTTBCでも例外ではありません。すべてのボートには検量スタッフが同乗していて、釣ったバスはその場でボート上で検量され、無線で本部に連絡を入れるという仕組みがとられました。実際、今回のトーナメントで持ち帰ることができたバスはブレントが最終日に釣った 10 ポンド11オンスの1匹だけでした。
釣ったバスをその場でキャッチ&リリースすることが、いかにバスのスポーニングを助け、稚魚(フライ)を守り、10年後、20年後の釣り場のコンディションを維持することができるか。こんなシンプルで簡単なことが、今の日本の釣り場では、残念ながら実践されていません。今のままは10年後、20年後の日本のバスフィッシングはどうなっているのでしょうか。

バックラッシュでお会いしましょう


イベントPOP 6月7日(日曜日)は岐阜のバックラッシュさん主催のイベントにテッケルとして参加します。BOREAS、mibro&KTW、ノースフォークコンポジットとの合同イベントです。
もちろん、テッケルはフロッグの色塗りイベントをします。壊れたフロッグの補修もしますし、スカートの交換もします。フロッグシーズンも始まりましたが、多くの方とフロッグ談義するのを楽しみにしています。
当日はチョーカーの全国一斉発売日でもあります。いち早く手に入れてみたい方も、ぜひ買い物に来てください。

日本のバスフィッシングの将来 その2


ボクたちがいつまでもバスフィッシングを楽しむためには、そろそろ業界全体も目先の売り上げばかりに目を向けるのではなく、もっと真剣に将来について考える時期に来ていると思います。そう訴え続けて何年も経ってしまいましたが・・・。
バスフィッシングの将来にとって、最もダメージが大きいのはバスをキープすることです。心情的な部分もあって、サイトフィッシングの是非ばかりに議論が集まり気味ですが、見て釣ろうと、事故?で釣れてしまっても、結果としては同じバスです。すぐにその場でリリースすれば、バスはまたベッドやフライのもとに戻っていきますが、キープしてしまえば取り残されたベッドやフライは壊滅です。
つまり、毎週毎週行われているトーナメントこそが、バスフィッシングの将来を危うくしているのです。もちろん、すべてのトーナメントをやめろと言っているわけではありません。せめて、4-5月の開催を避けるなど、簡単にできることはあるはずです。たとえば、トーナメントをするにしても、キーパーサイズを上げるとか、リミットを少なくするとか、バスをキープする数を意図的に減らす工夫もあると思います。
トーナメントでもないのに、毎回バスをキープする人たちがいます。中には有名なプロアングラー?もいますが、彼らのスポンサーになっているメーカーもはっきり言って同罪です。バスフィッシングの将来よりも目先の利益が優先のクズメーカーです。中にはレンタルボート店やマリーナが宣伝のためにバスを持って帰ってこいというところもあるみたいですが、そう言う連中もまた目先のことしか見ていません。
社長や広報マンたち自身が毎回毎回バスをキープして、残酷な写真を宣伝に使う(使ってきた)メーカーやショップもありますが、ボクにとってはクズの中のクズです。バスフィッシングはもう金になりませんから、早々に会社や店をたたんでもらいたいものです。

第三のテッケルフロッグ、チョーカー その1


IMG_0079 (800x533) 名古屋のキープキャストで展示した第三のテッケルフロッグがいよいよ発売です。名前はCHOKER、チョーカーです。
ボディーやウェイトバランスはワッカーと同じで、レッグ部分がラウンドラバースカートからティンセルに変わったものです。カラーは厳選した6色です。
ティンセルのレッグに交換したフロッグは、個人的には10年ぐらい前から使っています。当時、スカートと言えば生ゴム系のラウンドラバーばかりだったので、何か違うものをといろいろ試しました。
シリコンスカートは見た目はきれいでカラーバリエーションを楽しむことができるのですが、水に沈むし、自発的なアクションはラウンドラバーにはかないません。ウェイトがあるので、着水音もやや大きくなる感じがしますし、プチプチよく切れてしまいます。鳥のフェザーはなかなかイケてましたが、作るのが非常に面倒でした。
そんな中、合格点を出したのがティンセルスカートでした。ラバースカートと使い分けることで、明らかに釣果アップに繋がる経験も数多くしました。
そんなチョーカーですが、全国のテッケル取り扱い店様で6月7日いっせい発売とさせていただきます。価格は1250円(税別)となります。ぜひ、皆さんのフロッグボックスのスタメンに加えてやってください。

日本のバスフィッシングの将来 その1


先日、琵琶湖で釣りをしていると、非常に残念というか不愉快というか、やるせない気持ちになりました。ちょうど、ボクがフロッグを投げているアシのバンクを挟み撃ちにする格好で2艇の漁師のボートがやってきて、2人一組でアシ際のバスのフライ(稚魚)をすくっていきました。
電気ショッカーの恐怖から逃れ、釣り人からの攻撃も逃れ、なんとか生まれてきた将来の希望たちを根こそぎです。悲しかったです。漁師の人たちは、ボクに捨てゼリフを吐きながら、したり顔で過ぎ去っていきました。
日本のバスフィッシングを取り巻く環境は最悪です。ボクはいつまでもバスフィッシングを楽しみたいと願っていますが、正気なところ、毎年釣りは難しくなる一方です。
ボクはベッドのバスもフライを守るバスも、見えているバスをわざわざ狙いません。たとえトーナメントでもです。もちろん、結果として釣れてしまっていることは否定しません。ただ、心情的に見えているバスは狙いません。釣っても虚しいだけで、感動がありません。たとえば、その釣り場に生き残っているバスがオスメス最後の1匹ずつだけだとして、そのペアを見つけたときに、それを釣ろうとする人がどれだけいるでしょうか? たいていの人は、自分1人ぐらい釣ったって、どうってことないって思っているから見えているバスまで容赦なく無慈悲に釣ってしまうんじゃないでしょうか。ところが実際はその釣り人1人1人の行為によっても、釣り場の環境は年々悪くなっていることを自覚しなければなりません。

悔しいけど止められない


またまた、久しぶりです。アメリカの試合から帰国し、今は中国からのブログ更新です。
意気揚々で望んだデルタの試合でしたが、結果から言えば、箸にも棒にもかからない悲惨な結果でした。おかげで、意気消沈して、ブログの更新すらできずにいました。
たった1度だけの贅沢で無謀な挑戦だったデルタでのボーター参戦ですが、その味が忘れられず、3回目となった今回、プラクティスは今まで以上の手応えでした。
ノンボーター時代から、デルタのこの時期のセオリー的な釣り方は理解しているつもりだったので、よりビッグウェイトが出せる可能性が高い釣りをメインに、エリアを絞らずに、広範囲に見て回りました。借りたボートのエンジンがEFIだったこともあって、おかげでプラクティスと本戦で、ガソリン代だけで6万円ぐらいは使ったと思います。
本命エリアの一つでは初日からテッケル・ワッカーで特大のバスがヒットし、それ以外にバイトがあるので、早々にエリア温存のために退散しました。
2日目以降はワッパープロッパー等のトップパターン、クランクやチャターの巻物、マットのパンチングの3パターンを試し、パンチングで面白いぐらいバイトがとれ、ほとんどフッキングをせずにGPSでマーキングだけして、魚のいるマットをチェックして回りました。おかげでマークできたマットは20カ所以上で、中にはどうしても放さないバスをサイズ確認のつもりでフッキングしたら、3匹も6-7ポンドクラスのバスをキャッチしたぐらいです。
ちなみにヒットしたのは濁りがあるエリアでは、パンチスカートにオキチョビークローのスイートビーバー、濁りがないエリアではパンチスカートにベビーDボムがよく、ワームが足りなくなるのが心配で、湖上から通販でワームを注文したぐらいです。
そんなわけで、試合前には「決勝残れるかも」ぐらいの勢いで、試合当日が楽しみで仕方なかったんですが、結局は状況は激変&試合当日のタイドの読み間違い(誤算だったのは帰着時間が例年より早かったこと)で、完全な空回り状態で、自分でも何が起こったのか理解できないまま試合を終えてしまいました。完全な経験不足です。
正直、使ったお金はハンパないです。エントリフィーが1500ドル。飛行機代だけで約15万円、その他ガソリン代やボートのレンタル代、ホテル代等のもろもろの経費を合計すると、優勝でもしないと割に合わないです。しかもこんな成績しか残せないと、やってられなくなりますが、これがトーナメントの魔力なんでしょうか、止められません。