日本のバスフィッシングの将来 その3


今週、テキサス州レイクフォークでTTBC(トヨタテキサス・バスクラシック)が開催されました。日本ではなかなか注目されませんし、仮に紹介されたとしてもトーナメント結果や、薄っぺらいテクニックやメソッドばかりで、もっともっと大事なことがあるのに、そういうことがメディア等で紹介されないのは非常に残念です。
レイクフォークは、ボクが22年前、初めてアメリカに遊びに行った際に、訪れた釣り場の一つです。日本でも有名なビッグバスの聖地みたいなイメージの釣り場ですが、実際に行ってみると、すごく小さな湖です。湖岸線こそ複雑に入り組んでいますが、面積的には南湖を少し大きくしたぐらいです。
アメリカには無数に釣り場があるにもかかわらず、レイクフォークでは全米でも珍しいぐらい多くのフィッシングガイドが生計を立てています。そして、何十年経っても、ビッグバスパラダイスとしてのコンディションをキープし続けています。
今年のTTBCの結果を見ても、初日だけで35人中5人が30ポンドオーバー、トップウェイトはジェイソン・クリスティーがキャッチした37ポンド4オンスでした。12位でも25ポンド超え、21人が20ポンド超えというハイウェイトでした。優勝したブレント・エーラーの3日間のトータルウェイトは89ポンド12オンス、ほぼ30ポンド平均という驚愕のウェイトです。
全米でも有名で、連日釣り人で賑わう小さな釣り場にもかかわらず、なぜ、レイク・フォークはこんなにも釣れるのでしょうか?
理由はこの湖にあるスロットリミットというルールのおかげだとボクは考えます。レイクフォークでは、16~24インチ(40.6~61cm)のバスはキープすることができません。トーナメントはもちろん、写真を撮るためにマリーナに急いで持ち帰ることも違法となります。要はバスをライブウェルに入れたら違法というわけです。
そんなわけで、レイク・フォークではトーナメントは決して盛んとは言えません。40cm以下か61cm以上じゃないと持ち帰れないルールでは、なかなかトーナメントは成立しませんから。これはTTBCでも例外ではありません。すべてのボートには検量スタッフが同乗していて、釣ったバスはその場でボート上で検量され、無線で本部に連絡を入れるという仕組みがとられました。実際、今回のトーナメントで持ち帰ることができたバスはブレントが最終日に釣った 10 ポンド11オンスの1匹だけでした。
釣ったバスをその場でキャッチ&リリースすることが、いかにバスのスポーニングを助け、稚魚(フライ)を守り、10年後、20年後の釣り場のコンディションを維持することができるか。こんなシンプルで簡単なことが、今の日本の釣り場では、残念ながら実践されていません。今のままは10年後、20年後の日本のバスフィッシングはどうなっているのでしょうか。

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