月別アーカイブ: 2011年11月

アラバマリグの大事なキモ


 http://granbass-blog.teckellure.com/2011/11/post_697c.html”>クアトロリグの作り方を紹介したところ、数人から「ヘッドは要らないの?」、「テキサス用のシンカーを使えばいいのか?」と聞かれました。
 シンカーは不要です。すでにアメリカではいくつかのメーカーがパクリ商品をリリースし始めていますし、ebayでも多くの手作り品が出品されていますが、鉛等の重いヘッドになっているものをよく見かけます。これは明らかに、本物を見ずに、しかもまともに実釣テストをせずに慌ててコピーを作った証しみたいなものです。または、よほど釣りのセンスがないか・・・。
 本物のアラバマリグにはヘッドが付いていますが、これは鉛ではありません。樹脂か何かの軽い素材でできています。これが”キャスタブル”アンブレラリグの非常に重要なポイントです。ヘッドに重いシンカーが付いていると、キャスト時、シンカーを先頭にして、5本のスイムベイトとラインが重なって飛んでしまいます。また、着水後もシンカーを先頭にして、5本のスイムベイトが引っ張られる形で沈んでいくので、どうしても5本のうちの一本のフックがラインを拾ってしまい、ライントラブルを起こしてしまいます。これではキャスタブルとは言えません。本物のアラバマリグは軽いヘッドのおかげで、飛行中も沈降中もジグヘッドが先行になるので、ライントラブルが起きにくいのです。
 つまり、アラバマリグ風を自作するなら、鉛などのシンカーは不要です。深く沈めたいときは、重いジグヘッドを使うのが正解です。また、ライントラブルを防ぐなら、発泡の中通し玉ウキをシンカーストッパー等で止めて使うといいと思います。カラーが目立ちすぎて気になるなら、マジックペンで黒に塗るといいでしょう。

アラバマリグの問題点


 アラバマリグ風がいよいよ本格的に日本でも流行しそうな気配が出てきました。釣り業界が盛り上がっているところに水を差すようですが、お節介なボクが心配するのは根掛かりの問題です。
 アラバマリグって、アームを自分で広げたりして使うので、基本的にリグに絶対の上下がありません。つまり、アームは回転して、どの角度になってもいいように、先端にはスイベル付きのスナップを介してルアーをセットします。ジグヘッドは自発的にフックポイントを上向きにして泳いでくれますが、ヘッドが障害物等に当たった際にはフックが倒れたりするので、スピナーベイトのようには障害物をかわしてくれません。
 スイベル付きのスナップは魚が掛かった際にはバレにくい効果もありますが、根掛かりした際にはこれが邪魔で外れにくいです。それでも外そうとして張ったり緩めたりしていると、他のフックまで掛かってしまい蟻地獄です。ルアーリトリーバーを使っても、アームの長さが邪魔で、うまく外れにくいです。
 ラインを切ってしまって、アラバマリグ風を湖底に残してしまうと、さらに将来の道連れが増えてしまいたいへんです。琵琶湖の魚礁などがスイムベイトのクリスマスツリーのようになってしまう事態は避けたいところです。ラインは太めにして最悪でもフックが伸びて回収できるような心遣いが必要だと思います。
 また、アーム自体を真っ直ぐに広げるのではなく、写真のように内向きにベンドカーブさせて、アーム自体がガードの役割をするように工夫するのもアリだと思います。 写真は昨日紹介したhttp://granbass-blog.teckellure.com/2011/11/post_697c.html”>クアトロリグです。

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ピカソも参戦表明


Picassoalabamarig  今回の騒動ほど、アメリカのメーカーの動きが早かったことはかつてありません。アラバマリグがベールを脱いで、まだ1カ月も経っていませんが、次々とウチもオレもと発売前からコピー合戦の参戦表明をしています。ピカソルアーもトップページでスクールEリグをカミングスーンと紹介しています。各メーカーの慌てっぷりが目に浮かびます。

急げ、負けるな、早い者勝ち


Good20copy20of20rig  先日、スウォーミングホーネットのアラバマリグ風を紹介しましたが、今度はパワータックルがアラバマリグ風をさっそくパクって出荷を開始したみたいです。その名はゲット・エム・ゴーイング・リグ。価格は24.99ドル。こんな物が25ドルで売れたら、そりゃあ、ウハウハです。
 金の匂いがすると、ほんとみんな行動が素早いですね。でも、みんなテストすらまともにしていないんでしょうね。

アラバマリグから何を学ぶ? 自作編 その2


P1030770  サンビキリグを紹介する前に、まずは一番簡単なクアトロリグの作り方を紹介します。5本リグを作るのは少し面倒ですが、4本なら、誰でも簡単に特別な道具無しで作れます。5本よりは集魚力は劣るかもしれませんが、個人的には3本の方がいいと思っているぐらいなので、4本以上の不便さ体感するにはピッタリでしょう。この不便を味わった人は、サンビキリグの使いやすさを実感できると思います。
P1030767  用意するのはステンレスバネ線の0.8mm、ダルマクリップのSサイズ(ヤマシタ製、タチウオコーナーやイシダイコーナーに売ってます)、ローリングスイベル(サイズは5番くらいが適当)、強度のありそうなスナップ(写真はデコイのエッグスナップを使用していますが、これではジグヘッドが装着できないことが判明)。全て釣具屋さんで揃います。釣具店でスナップ付きのローリングスイベルが売ってますが、スナップが弱くて伸ばされてします。自分で自作した方が無難です。ボールベアリングスイベルはスプリットリングが伸ばされやすく、強度的に不安です。特に回転性能を求める訳ではないので、強度的に安心で、ピカピカ光らないローリングスイベルがオススメです。
 必要な道具はラジオペンチ、ニッパー、ペンチの3つがあればOKです。所要時間はテレビを見ながら30分もあれば、1つは作れます。
①ステンレス線を2本、それぞれ真ん中の位置で写真のようにラジオペンチの先と親指を使って、直角に凸に曲げる。このとき、2本の凸のサイズが同じになるように注意

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②2本のワイヤーの片方だけ、写真のようにダルマクリップを通して、ニッパーで軽く挟み込んで仮止めしておく。

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③ペンチを使って、凸に曲げたワイヤーの角を2つ均等に力が掛かるように押さえ込むと、角が取れてΩ状になる。
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④ローリングスイベルを通して、もう一方もダルマクリップを通して閉じる。ニッパーでダルマクリップを挟み込んでしっかり止める。

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⑤ワイヤーアーム4本を均等に根本から曲げ広げる(これは釣り場でしてもOK)。

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⑥ワイヤーアーム4本が同じ長さになるようにカットする。

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⑦ワイヤーアームにダルマクリップを通してから、ラジオペンチの先と親指を使って写真のようにR状に曲げる。ダルマクリップを通し忘れることが多いので、先に通して、セロテープ等で止めておくとよい。

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⑨ペンチを使って、ワイヤーの直角の角を2つ均等に力が掛かるように押さえ込む。角が取れて丸く仕上がる。ローリングスイベルを通してからダルマクリップを通して、余った端をカットする。ニッパーでダルマクリップを挟み込んでしっかり止める。

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⑪スイベルにスナップを装着して完成(補足:写真はデコイのエッグスナップですが、よほど大きなアイの付いたジグヘッドでなければ、装着できないことが判明しました。エバーグリーンのスナップが良さそうです)

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アラバマリグから何を学ぶ? 自作編 その1


 あれから、いろいろ作ってみました。作っているうちに次のアイデアが浮かんで、また作るを繰り返し、やり始めると寝られないほどです。買ってきた材料を使い切って、ようやく就寝タイムです。昔、スピナーベイトやラバージグを自作したり、ワームのハンドポアを覚えた頃のような懐かしい感覚です。
 スイムテストもいろいろ試し、分かったこともありました。この点は今は触れません。いろいろな追随メーカーがどんな物を出すか、お手並み拝見です。
 そして、ボクなりに出した結論は、ルアーは3個までならギリギリセーフ。もちろん、数は多い方がよりベイトの群れっぽくていいですが、その分、いろいろ面倒なことが起こります。アピール力とその他の不便を天秤に掛け、さらにスマートさも追求して出した結論が3個というわけです。具体的な面倒とは、アームやルアーの数が増えるほど①抵抗が大きく、飛距離が落ちる、②ゴミを拾いやすく、根掛かりも多くなる、③ボートでの移動時に邪魔、収納が不便(バックシーターのボクには特に大問題)、④ルアー同士の絡みやライントラブルが多くなる、⑤キャッチしたバスへのダメージが大きくなる可能性がある、⑥フックを外す際のトラブルが多くなる、⑦キャスト時に同船者に危険が及ぶ可能性がある 等々が挙げられます。
 もちろん、5個を否定するつもりはありませんが、3個までならテネシー州やカリフォルニア州のレギュレーションでも問題ありません。3匹のベイトが泳ぐので、サビキリグと引っかけて、サンビキリグと呼ぶことにしました。サンビキリグは1号、2号、3号・・・といろいろありますが、作り方も含めて、少しずつ紹介していこうと思います。

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アラバマリグ騒動 セカンドステージ


Sworminghornetswarm  http://granbass-blog.teckellure.com/2011/10/post_a590.html”>アラバマリグ旋風はアメリカだけでなく、日本でも大きな話題になっています。今やアメリカではオリジナルのアラバマリグはebayで100ドルを超え、多くのメーカー、個人がこぞってコピー商品を売り出しています。日本でもいくつかのメーカーがコピー競争に参戦を表明しているようです。
 ただし、これらをアラバマリグと呼ぶわけにはいきません。なんせ、アラバマリグは商標登録されたものですから、訴えられては困ります。遠慮気味にアラバマリグ・スタイルまたはタイプ(日本的に言うとアラバマリグ風やアラバマリグ系)と呼んだり、「こんなものは昔からあったぞ」と言わんばかりに開き直って、キャスタブル・アンブレラリグと呼んだりしています。チャターベイトで喩えるなら、チャター系と呼ぶか、ブレイド(ブレイデッド)ジグやバイブレータージグと呼ぶかの違いでしょうか。
 それなりに名の知れたメーカーの中で、コピー競争の一等賞に輝いたのはスウォーミング・ホーネットでした。正確にはフライイングというべきでしょうか。その名はスワーム。まだ発売されたわけではないですが、一部の有名オンラインショップでは、プレオーダーの受付を開始しています。

 赤信号みんなで渡れば怖くない。今後は次々とコピー商品が出てくるんでしょうね。

アラバマリグから何を学ぶ? その3


 アラバマリグが相変わらずの大きな話題です。ボクは心情的には否定派ですが、どこからがOKでどこからがNGなのかの境界線が見いだせないで苦しんでいます。
 否定派の意見もさまざまです。「あんなもんで釣って楽しいんかい?」ボクも同感です。ボクが少年時代に憧れたバスフィッシングの姿ではありません。スマートさのかけらもない(コンセプトは認めますが・・・)上、バスをヒットさせてからもファイトが面白くないでしょう。ただ、トーナメントは楽しさを追求する場ではなく、あくまで釣果&賞金がすべての世界です。そもそも、トーナメンターにこの論点は無意味といえます。
 一方、楽しさ云々を論点にするなら、個人的にはサイトフィッシングだってNGです。これはあくまでボク個人の価値観なので、人に押しつける気はありませんが、サイトフィッシングでバスを釣るぐらいなら、アラバマリグの方がよっぽどワクワクする釣りだと思います。
 「5個もルアーぶら下げたら反則やろ!」ボクも同感です。ただ、何個ならOKで何個ならNGなのかボクには分かりません。個人的にはフロントランナーやダブルフルークはOKですし、楽しい釣りだと思います。でも、中にはフロントランナーもNGだという人もいるでしょう。2個ならOKで5個ならNGなのか? ならば3個、4個ならどうなのか・・・。日本のトーナメントは2個でもダメなので、境界がハッキリしていますが、アメリカのトーナメントはあいまいです。ただ、一方でアメリカは州ごとにレギュレーションがしっかり定められていて、トーナメントでは州のレギュレーションに準ずる形となりますが、日本は無法地帯です。つまり、10本だろうが20本だろうが、はえ縄状態のドロップショットでバスを釣っても、罰金を取られることもありません。また、テネシー州のレギュレーションにあったように、5個ぶら下げてもフックは1本ならOKなのか・・・。
 結局はアラバマリグのあまりにも不細工な仕掛けに拒絶反応が出ているだけで、もっとスマートなリグなら、5個ルアーがあっても抵抗なく受け入れてしまうのかもしれません。アラバマリグばかりが主役となって、そこに装着されたワームが脇役になっている点も気に入りません。ポール・アライアスなんて、数種のスイムベイトをごちゃ混ぜに使っていたぐらいです。同じ5つ泳がすにしても、全てを並列にするのではなく、食わせるのはこのワームという具合に、優劣があれば、少しは抵抗感がなくなると思うのですが・・・。

アラバマリグから何を学ぶ? その2


 ポール・アライアスがアラバマリグで持ち込んだ100ポンドオーバー(4日間)は、この時期のガンターズヴィルでは驚愕のウェイトでした。同じくガンターズヴィル戦で7位でフィニッシュしたジェイ・イェラスがアラバマリグを使用したのはトーナメント3日目になってからだったそうです。この日、ジェイは自身のベストエリアで単体のスイムベイトをキャストして、約11ポンドのリミットメイクをした後、アラバマリグを初めて試し、21ポンド8オンスまでウェイトを伸ばしたとコメントしています。つまり、アラバマリグは今までそこにいても口を使わなかったバスにスイッチを入れ、バイトに持ち込む何か(アメリカではトリガーと呼んだりします)があるということになります。
 あんな不細工な巨大な傘の骨のようなリグがルアーの真ん前にあっても賢いはずのバスが食ってしまうわけですから、バスにはワイヤーなんか見えていないということになります。または、見えていても気にならないほどのバスを本気にさせて盲目にバイトさせてしまう何かがあるということになります。
 つまり、バスはスクールするベイトをより本物のエサと認識する習性または本能があるということでしょうか? 実際、自然界ではエサとなるベイトが1匹で泳いでいる状況ってあまり見かけませんし、バスにとってもそんな”独りぼっち君”に出くわすチャンスって多くないのではないでしょうか? つまり、バスにとってベイトとは”群れで泳いでいるもの”という刷り込みがされているなら、単体で泳ぐルアーには違和感があるのかもしれません。
 アラバマリグはリアクション系の釣りではなく、見せて食わせる釣りだと思います。つまり、遠くからでもバスがルアーに気が付いて、バスからルアーに近づいてきてもらわなくてはいけません。単体のスイムベイトよりも複数のスイムベイトの方が水を攪拌する波動が大きいわけですから、遠くのバスにも気が付いてもらいやすいとも言えるでしょう。ただ、ビッグベイトが登場した頃は、ファーストインパクトのおかげで多くのバスが浮いてきたように、アラバマリグもファーストインパクトで釣れているだけで、アピール度が大きい分、みんなが使うと、あっという間にスレてしまうかもしれません。

アラバマリグから何を学ぶ? その1


P1030624  アラバマリグに関する話題が続きますが、決して煽っているつもりはありません。この話題を続ける上で、1つ誤解している人がけっこういるみたいなので、ここで確認させていただきます。アラバマリグはYou Tubeの映像がセンセーショナルなために、複数のバスを同時に釣るリグだと思っている人がいるみたいですが、一度に2匹、3匹釣れることもあるというだけで、それを意図して考えられたリグでありません(たぶん)。実際、今回の2週連続の試合でも、ほとんどのアングラーが1匹ずつキャッチしたはずです。

 もう一つ、今回、アメリカではアラバマリグが2週連続でトーナメントの上位を独占する結果となりましたが、アラバマリグが全米のどこの釣り場でもいつでも有効な仕掛けだというわけではないと思います。今回のレイク・ガンターズヴィルとケンタッキーレイクは、同じ水域の釣り場であり、ベイトの種類や釣り場の環境、バスの習性が似ていることも忘れてはいけません。
 個人的にはアラバマリグの今回の一連の騒動には否定的な立場です。実際、アメリカでもネット上では否定的な意見の方が多いように思います。
 ただ、禁断の扉とも言えるアラバマリグの威力が本物であることは否定できません。今まで見たことも使ったこともなかった人たちが、手にしたその日からビッグウェイトをバンバン持ち込み、トーナメントで上位を独占していくわけですから、アラバマリグを持っていない人や否定派はたまったものではありません。正直、今までのバスフィッシングって、何だったの?って気すらします。
 とにかく、釣り人なら一度試してみたい、その威力がどれほどのものかを体感してみたいと思うのが普通だと思います。手に入らないのなら、作ってしまおうという人たちも続出しているようですが、まんまコピーの猿マネは面白くありません。アラバマリグがボク達に何を教えてくれたのかを考えなければなりません。