日別アーカイブ: 2007年10月12日

I love bass fishing.


 10月9日の”決別宣言”へに多くのコメントが寄せられ少なからず反響がありまして嬉しく思っています。「トーナメントならキープしてもOK?」というコメントに対する回答を書こうと思ったのですが、マジメに書いていくうちに長々となってしまい、いろいろ参考リンクを貼りたくなったので、コメント欄ではなく、新しいブログ原稿として紹介させていただきます。初めてボクのブログを見る人でもこれを読んでいただければ、ボクが伝えたいバスフィッシングへの想いが分かっていただけると信じています。

 まず、ボクはブログ内で発言することに対して責任と一貫性を持たせたいと思っています。ロッド&リール誌の編集方針については、これまでも否定的な意見をブログ内で紹介したことがありました。もちろん、直接編集部にもクレームを入れてきました。その後もロッド&リール誌とは付き合いが続きましたが、このままではボクの発言に一貫性が保てないと判断し、不器用ですが、ボクなりにけじめをつけた次第です。ところで、以前、バス業界のカリスマ、今江克隆氏がルアーニュースの連載の中で、「陸っぱりの記事での複数匹のフンガー持ち」写真を掲載するメディアに対しての疑問も投げかけていました。また、ルアーマガジン誌では並木敏成氏の「釣ったバスはすぐにリリースするのがベスト」というコメントを載せていました。さすがはバス業界を代表するようなお二人は、バスフィッシングの将来を真剣に考えてくれているんだと、ボクは嬉しくって、ブログでも紹介させていただきました。メーカーの代表として経営者でもあるお二人が、今回のフンガー写真掲載に関して、どう思われているのか、ボクとしては非常に興味深いです。偶然でしょうが、今月号のロッド&リール誌にはイマカツ、OSPの両メーカーのカラー広告が入っていません。来月号以降どうなるか楽しみです。

 これまでボクのブログを飽きもせずに読んでくれている方は、ボクのスタンスは何度も書いているのでご存じだと思います。私はどこまでならOKでどこからがNGだと線引きをしたいわけではありません。だから、「トーナメントならOKで、ファンフィッシングはNG」だとは言っていません。ボクが広く多くの方と意見交換をしたいのは、1人1人がバスという愛すべき魚に対して、どう向き合うかを真剣に考えてほしいということです。人それぞれ価値観は違います。トーナメントは出ないという人もいるでしょうし、フックを呑み込まれる確率の高いワームは使わないという人もいるでしょう。バーブレスフックしか使わないという人もいるでしょうし、切られやすい細糸は使わないという人もいるでしょう。すぐにリリースしても死にそうな魚はキープして食べるという人もいるかもしれません。それぞれ自分の価値観を実践して素晴らしいことだと思います。ボクは偏執狂的なバス愛護者のつもりではありません。ただただ、人生に刺激と喜びを与えてくれるバスフィッシングをいつまでも楽しみたいと願っています。そして、あわよくばお隣の釣り人よりも大きいバスや1匹でも多くを釣りたいと、釣り人ならごく当たり前に思うエゴ的な感情も持っています。そのためならワームも使いますし、バラしたら悔しいのでバーブ付きのフックも使います。
 要は人それぞれが、「どこに落としどころを見つけ、自らを律するか」ということだと思います。ボクはボクなりの落としどころを見つけ、それを実践しています。ただ、それはボクの価値観ですから、それを他人に何が何でも押しつけたいわけでもありません。以前にも書きましたが、ボクは日本のトーナメントや大会には参加しません。日本でのトーナメントや大会そのものにも否定的な立場です。バッカンやクーラーに電池式の”ブクブク”だけの名ばかりのライブウェルを認めるような大会は大問題だと思っています。バスを守って増やすことができない日本では、釣り人がバスを無意味に減らす側の立場に立ってはいけないというのがボクの基本的な原則です。
 もちろん、ボクはアメリカではトーナメントを楽しんでいます。アメリカの大会は、多くのスタッフとボランティアに支えられ、できるだけバスのダメージが少なくなるように心がけられています。ライブウェル付きのバスボートが出場条件で、リリースボートも用意されています。それでもトーナメントをすれば死ぬ魚も出てきます。実際、前回の試合では氷やバスメディックスを使って、こまめにバスをケアしたつもりでも2匹のバスを殺してしまいました。本当にかわいそうなことをしたと思っています。しかしながら、アメリカではこうしたトーナメントの開催で、その町に多くのお金が落ち、町自体がトーナメントの誘致に熱心です。トーナメントのレジストレーションでは、その町の市長が挨拶に来ることも普通です。以前、アミスタッドによるデル・リオの経済効果について書きましたが、まさにデル・リオはバスバブルに沸いている町でした。毎週のようにトーナメントが開催され、参加者はボート使用許可証(パーミット)を購入し、モーテルに滞在し、毎日ガソリンスタンドでガソリン、アイス、スナック、ドリンクを購入し、レストランで食事をします。その経済効果は計り知れません。当然、町もバスを増やすためにその落ちたお金を使ってくれます。アメリカで釣りをするためには州ごとのフィッシングライセンスを購入しなければなりません。そのライセンス収入もまた、バスを守り、増やすために使われています。ローカルのトーナメントの中にはレイ・レイクオープンAdopt A Bass tournamentのようにエントリーフィーの一部がバスの放流資金に当てられるものもあります。もちろん、「トーナメントをしたければ、アメリカに行け」と言っているわけではありません。これがアメリカでトーナメントに参加するためにボクが自分自身を納得させる口実なんです。ちなみにアメリカではトーナメントのウェイインステージでも片手に1匹ずつ持つのが基本で、片手に複数匹のバスを持つ人はいません。この日本独自の悪しき慣習は早くなくなってほしいものです。無理に2匹以上持って、落としでもし