I love bass fishing.


 10月9日の”決別宣言”へに多くのコメントが寄せられ少なからず反響がありまして嬉しく思っています。「トーナメントならキープしてもOK?」というコメントに対する回答を書こうと思ったのですが、マジメに書いていくうちに長々となってしまい、いろいろ参考リンクを貼りたくなったので、コメント欄ではなく、新しいブログ原稿として紹介させていただきます。初めてボクのブログを見る人でもこれを読んでいただければ、ボクが伝えたいバスフィッシングへの想いが分かっていただけると信じています。

 まず、ボクはブログ内で発言することに対して責任と一貫性を持たせたいと思っています。ロッド&リール誌の編集方針については、これまでも否定的な意見をブログ内で紹介したことがありました。もちろん、直接編集部にもクレームを入れてきました。その後もロッド&リール誌とは付き合いが続きましたが、このままではボクの発言に一貫性が保てないと判断し、不器用ですが、ボクなりにけじめをつけた次第です。ところで、以前、バス業界のカリスマ、今江克隆氏がルアーニュースの連載の中で、「陸っぱりの記事での複数匹のフンガー持ち」写真を掲載するメディアに対しての疑問も投げかけていました。また、ルアーマガジン誌では並木敏成氏の「釣ったバスはすぐにリリースするのがベスト」というコメントを載せていました。さすがはバス業界を代表するようなお二人は、バスフィッシングの将来を真剣に考えてくれているんだと、ボクは嬉しくって、ブログでも紹介させていただきました。メーカーの代表として経営者でもあるお二人が、今回のフンガー写真掲載に関して、どう思われているのか、ボクとしては非常に興味深いです。偶然でしょうが、今月号のロッド&リール誌にはイマカツ、OSPの両メーカーのカラー広告が入っていません。来月号以降どうなるか楽しみです。

 これまでボクのブログを飽きもせずに読んでくれている方は、ボクのスタンスは何度も書いているのでご存じだと思います。私はどこまでならOKでどこからがNGだと線引きをしたいわけではありません。だから、「トーナメントならOKで、ファンフィッシングはNG」だとは言っていません。ボクが広く多くの方と意見交換をしたいのは、1人1人がバスという愛すべき魚に対して、どう向き合うかを真剣に考えてほしいということです。人それぞれ価値観は違います。トーナメントは出ないという人もいるでしょうし、フックを呑み込まれる確率の高いワームは使わないという人もいるでしょう。バーブレスフックしか使わないという人もいるでしょうし、切られやすい細糸は使わないという人もいるでしょう。すぐにリリースしても死にそうな魚はキープして食べるという人もいるかもしれません。それぞれ自分の価値観を実践して素晴らしいことだと思います。ボクは偏執狂的なバス愛護者のつもりではありません。ただただ、人生に刺激と喜びを与えてくれるバスフィッシングをいつまでも楽しみたいと願っています。そして、あわよくばお隣の釣り人よりも大きいバスや1匹でも多くを釣りたいと、釣り人ならごく当たり前に思うエゴ的な感情も持っています。そのためならワームも使いますし、バラしたら悔しいのでバーブ付きのフックも使います。
 要は人それぞれが、「どこに落としどころを見つけ、自らを律するか」ということだと思います。ボクはボクなりの落としどころを見つけ、それを実践しています。ただ、それはボクの価値観ですから、それを他人に何が何でも押しつけたいわけでもありません。以前にも書きましたが、ボクは日本のトーナメントや大会には参加しません。日本でのトーナメントや大会そのものにも否定的な立場です。バッカンやクーラーに電池式の”ブクブク”だけの名ばかりのライブウェルを認めるような大会は大問題だと思っています。バスを守って増やすことができない日本では、釣り人がバスを無意味に減らす側の立場に立ってはいけないというのがボクの基本的な原則です。
 もちろん、ボクはアメリカではトーナメントを楽しんでいます。アメリカの大会は、多くのスタッフとボランティアに支えられ、できるだけバスのダメージが少なくなるように心がけられています。ライブウェル付きのバスボートが出場条件で、リリースボートも用意されています。それでもトーナメントをすれば死ぬ魚も出てきます。実際、前回の試合では氷やバスメディックスを使って、こまめにバスをケアしたつもりでも2匹のバスを殺してしまいました。本当にかわいそうなことをしたと思っています。しかしながら、アメリカではこうしたトーナメントの開催で、その町に多くのお金が落ち、町自体がトーナメントの誘致に熱心です。トーナメントのレジストレーションでは、その町の市長が挨拶に来ることも普通です。以前、アミスタッドによるデル・リオの経済効果について書きましたが、まさにデル・リオはバスバブルに沸いている町でした。毎週のようにトーナメントが開催され、参加者はボート使用許可証(パーミット)を購入し、モーテルに滞在し、毎日ガソリンスタンドでガソリン、アイス、スナック、ドリンクを購入し、レストランで食事をします。その経済効果は計り知れません。当然、町もバスを増やすためにその落ちたお金を使ってくれます。アメリカで釣りをするためには州ごとのフィッシングライセンスを購入しなければなりません。そのライセンス収入もまた、バスを守り、増やすために使われています。ローカルのトーナメントの中にはレイ・レイクオープンAdopt A Bass tournamentのようにエントリーフィーの一部がバスの放流資金に当てられるものもあります。もちろん、「トーナメントをしたければ、アメリカに行け」と言っているわけではありません。これがアメリカでトーナメントに参加するためにボクが自分自身を納得させる口実なんです。ちなみにアメリカではトーナメントのウェイインステージでも片手に1匹ずつ持つのが基本で、片手に複数匹のバスを持つ人はいません。この日本独自の悪しき慣習は早くなくなってほしいものです。無理に2匹以上持って、落としでもし

I love bass fishing.」への10件のフィードバック

  1. GRANBASS

    うーん様 たかが魚だろーが、という人にとっては、バスがいなくなれば、何か他の遊びを探せばいいんでしょうね。ボクにとってはバスはかけがえのない存在です。ボクは幸か不幸か、バスフィッシングなしで生きていけないんです。だから、ボクを幸せにしてくれるバスを守ってやりたいんです。そして、いつまでもバスフィッシングを楽しみたいんです。ただ、それだけのことなんです。自分勝手でしょう。
     反論のコメントも大歓迎ですが、もう少し説得力あるご意見をお願いします。さもないと議論にもなりません。

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  2. う~ん

    たかが魚だろーが
    愛護団体かよアンタら
    そんなに言うならバスだけじゃなく他の動物守ることにも力入れたら?説得力無いよ

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  3. GRANBASS

    pon様 たしかに今の世の中では公にキャッチ&リリースの本質を訴える勇気あるメディアってありませんよね。優しくバスをいたわってリリースするのも、バスを物としてポイッと水中に捨てるのも同じぐらいに思われているようです。
    tak様 今まで複数持ちしていた方が、ボクのブログをきっかけに、今後はバスをいたわっていただけるとしたら、 ボクとしてはうれしい限りです。ブログを開設した甲斐があったというものです。今の世の中、デジカメでいくらでも写真が撮れるんですから、これからは1匹1匹、釣った瞬間の記憶が蘇るようなバスの目が生き生きした写真を撮ってみてください。

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  4. tak

    初めまして。
    私は皆さんほど釣り暦が長くなく、情報の収集源の多くは雑誌でした。お恥かしながら複数持ちもした事があります。ボート上で。サイトはしません。
    当然メディアではこういう問題はほとんど取り上げてなく、このHPに来て初めて様々な事が議論されている現実を知りました。自分も振り回された1人だな、と気付き、今までの行為が恥ずかしく思えました。
    これから少し自分なりに考えてみようと思います。
    どこまで自分の中でルール作りができるかわかりませんが、バス資源確保に向けた行動をしたいと思います。
    メーカー側にもこういった啓蒙活動の意志があれば良いなぁ、とも思いますが。そういうメーカーには売り上げに関係なくユーザーは付いて来ると思いますけどね。

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  5. pon

    GRANBASS さまいつも楽しく拝見しています。
    私が思うに・・・
    あの写真を見てかっこいい凄いなと思う方は多分バスを物としか考えられない方だと思います。
    バスは物じゃなくパートナーというんでしょうか相棒というんでしょうか友達というんでしょうかうまく言えませんが釣りに行った時に気持ちを癒してくれるそんなものだと思います。
    昔のバス関係の本にはリリースするときに『また大きくなって帰っておいで』なんていう言葉があったと思います。ここ何年かはそんな言葉聴いたことないですからね。
    私がガキのころ(今から30年位前)はバスは幻で初めて釣ったバスは持って帰って魚拓にした覚えがあります。多かれ少なかれ今思えば可愛そうなことしてました。そんな時メディアがキャッチアンドリリースを推奨し私もリリースの仕方を覚えた記憶があります。
    ですからメディアなどが発する言葉なんかはこれからのバスフィッシングを左右する事だと思います。
    これからも良い方向になる様皆さんで頑張っていきましょう。
    方向がずれているかもしれませんが私事ですみません。

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  6. GRANBASS

    orz様 ボクは一般の釣り人個人個人をつるし上げて非難したいわけではありません。だから、せっかく初めてコメントを入れていただきましたが、私の判断で削除させていただきました。今回の件もロッド&リール誌の編集方針に対して物申しているわけです。メディアがそういう写真を掲載しなければ、マネする人も減るわけです。そのためにはそんな雑誌は買わない、メーカーは広告を出さない、そんな釣り人のスポンサーは契約を打ち切る。契約を続けるメーカーの商品は買わない。これですべて解決すると思うのですがねえ。

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  7. GRANBASS

    バサールアメイダ様 まさにそういうことなんです。要は気持ちの問題なんです。バスを釣ってからリリースするまでの時間の長さではなく、可能な限りダメージを少なく返してあげたいという気持ちこそが大事なんです。自分のルアーに食いついてくれたバスへの感謝といたわりですね。キャッチ&リリースの理念はそこにあるんだと思います。”水揚げ”なんて言葉にはバスへの愛情のかけらもないので、ボクは使ってほしくないですね。テレビ等でもいつまでもバスを持ったまま、ウンチクを語ったりするシーンを目にします。しかもバスフィッシャーマンがバスにかける言葉はといえば、”ゲリ痩せ”、”どアフター”、”オスや”などなど、否定的な言葉ばかりです。フライフィッシングの番組では魚体をできるだけ水から出さないように気づかい、愛情ある言葉をかけながらリリースするシーンを目にします。この差はなんなんでしょうかねえ?

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  8. バサールアメイダ

    私は陸っぱりメインですが、釣ったバスの魚体をデジカメで撮影することがあります。そのとき魚体は片手に持ち、地面には着けず、極力水に浸けたまま撮影します。拘っているのが使うデジカメの操作性で、よりポケットから出し入れしやすく、よりONOFFが速く、全て片手で操作できし易いものを使っています。全てバスの撮影を徹底的に早くすることを目的として機種を選びました。そんなところからもバスに優しくできるんじゃないかと、私は思ってます。

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  9. GRANBASS

    通りすがり様 今江氏に限らず、過去のことを振り返っても死んだバスは生き返ったりしないわけですから、これからの方が大事だと思います。今江氏のような大きな影響力を持つ方が、積極的に”ノーフンガー”運動を啓蒙してくれることをボクは切に願っています。

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  10. 通りすがり

    ちなみに、今江氏の会社「イマカツ」HP内のコラム「ビニールハウスの暴れん坊」の人
    (名称は存じません)はフンガー持ちしてますよ。
    また、フンガー持ちではありませんが、今江氏は過去に、バスを乾いた砂地の上で引きずりまわして、ランディングしてる映像を公開していました。

    返信

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