日別アーカイブ: 2014年4月22日

今一度、ライフジャケットについて考える


 今回のデルタのボート事故を受けて、アメリカ、特にカリフォルニアでは、ライフジャケットの話題で盛り上がっています。あるフェイスブック上では、「膨張式よりも、従来の浮力体式が安心安全だ」みたいなコメントが大勢となっています。
 これに関してはボクは大いに疑問を感じます。ボクは自分の命を守るために、考えた結果、自動膨張式のライフジャケットを選びましたし、その選択肢は間違っていないと今でも信じています。
 発泡素材のライフジャケットもいい面はあります。全体がクッションとなるので、例えばボートからの落水時に肋等の骨折を防いでくれるかもしれません。ただ、発泡素材のライフジャケットの浮力表示はせいぜい7.5kgですし、落水時の衝撃で股ヒモがなければ一瞬で脱げてしまいます。
 仮に脱げなかったとしても、気絶した脱力状態では、ライフジャケットだけがズレ上がり、まともに浮いていられませんし、波にもまれていたら、結局は脱げてしまうでしょう。とても安全だとは思えません。
 一方の膨張式ですが、ボクが愛用しているムスタング社のライフジャケットは浮力が15.75kgもあって、確実に頭が水面から高い位置で仰向けにして浮いてくれます。手動は論外です。気絶をすれば、膨張しませんから、シリンダーはただのオモリになってしまいます。自動膨張でなければ意味がありません。
 ただ、腰に巻くベルト式も気絶した状態では、まともに浮き姿勢が確保できるか不安です。特にカッパ等で厚着をしている状態では、腰の位置で引っ掛かって、頭が沈んでかえって溺れてしまいかねません。正直な話、ベルト式のライフジャケットを装着している人が信じられません。
 大好きな釣りでも、命を代償にする遊びではありませんし、もしものときに多くの人に迷惑もかけたくありません。要は気絶したときのことをイメージして、どのように浮くことができれば、命が助かる可能性が高いか、もう一度真剣に考えてみてはいかがでしょうか?