月別アーカイブ: 2012年3月

トーナメントの未来の姿 その3


 トーナメントのネット生中継は、ボクたち一般アングラーにとっては、望ましい姿かもしれませんが、実際に試合に出ているプロアングラーにとっては、必ずしもそうではないかもしれません。もちろん、今までは決勝に残らない限り、テレビで映るチャンスがなく、
スポンサーに自身の活躍をアピールする場がなかったのが(仮に決勝に残っても、乗っているボートやエンジンのブランドで露出の機会に不公平もありました)、ネット中継が行われると、決勝に残らなくても、最低限のアピールができるメリットもありますが・・・。
 すでに2度に渡って書きましたが、プロが試合で使用したとコメントしているルアーを実際には使っていないケースはたくさんあります。ところが、ネットで生中継されると、そう言ったウソがつけなくなるわけです。ライバル他社のルアーを使ってることが公に分かっても、文句を言わない寛大なスポンサーメーカーもありますが、そうでないメーカーもたくさんあります。
 ネット中継は全員に平等に行われない限り、中継される人だけが不利になってしまいかねません。以前、名前は伏せますがある有名プロが予選をトップで通過したのですが、そのときに使用していたディープクランクがライバル他社のものだったため、決勝ではテレビカメラが乗るために使えず、自身のスポンサーメーカーのディープクランクを使い、結局2位になってしまったという話がありました。
 プロはスポンサー大事で、スポンサーのルアーを仕方なく使うか、クビになってでも使いたいルアーを使うか・・・。今後はプロのスポンサー選びの基準が大きく変わる可能性も出てきそうです。
 もちろん、今まで以上に各メーカーが釣れるルアーを熱心に開発、競争してくれれば、それは望ましい姿ですが、今よりもさらにコピー合戦に拍車が掛かるかもしれません。各プロのシグネーチャーモデルがますますリリースされ、各プロへの縛りを強化するかもしれません。

JTケニーのパンチ用リグ


 しつこいぞ、って言われそうですが、またまたオキチョビーネタです。試合前日、JTケニーと話す機会があったのですが、JTケニー直々にパンチ用リグのセッティングの仕方をレクチャー受けました。
 JTケニーと言えば、オキチョビー・キングと呼ばれたこともあり、パンチングの第一人者でもあります。実はボクがストレートフック信者になったのも、以前、JTからストレートフックのメリットとスネリングを教えてもらったのがきっかけです。
 ちなみにJTはペグは使わず、シンカーストッパーをシンカーの前後でセットしてシンカーを固定していました。シンカーは今は廃盤のバスプロショップのタングステンシンカーを自身でペイントたものを使っていました。実はこのバスプロショップのシンカーのインサートパイプはよくできていて、今でもこのシンカーを探しているプロはけっこういます。
 フックはBMFでワームはスイートビーバーしかセットしていませんでした。最近、発売されたストライクキングのフックも試したそうですが、さすがにフックが太すぎて、フッキング悪い気がすると言っていました。
 肝心のスネリングですが、JTは内掛け本結び(ユニノット)で、ループの中にはラインを5回通して締め込んでいました。ボクは外掛け本結びをしていますが・・・。そして、他のアングラーがよくするように、やはりブレイドラインをシンカーから約1mぐらいはサインペンで黒く塗っていました。カモフラージュ効果があるとアメリカ人はみんな信じています。

P1040661_480x640

P1040662_480x640

トルネードが直撃


 フカシンのフェイスブックでも報告されていますが、アメリカ中部でハリケーンが発生し、各地で大きな被害が出たようです。フカシンも危うかったみたいですが、幸い被害はないようです。
 実は3月1日からエバースタートシリーズのテーブルロックレイク戦が予定されていたのですが、このトルネードの被害をまともに受け、現地はかなりひどい状況のようです。そんなわけで、トーナメントは順延となったみたいです。それにしても自然の力ってすごいです。

 テーブルロックといえば、昨年も大雨で洪水となってセントラルオープンが順延、FLWツアーが中止でピクウィックに変更となりました。今月末にはFLWツアー戦も予定されていますが、復旧して試合は開催できるでしょうか。
http://www.flwoutdoors.com/fishing-articles/press-release/153345/everstart-series-flw-college-fishing-events-at-table-rock-lake-canceled/

423833_3347044365649_1554997915_329

Image

トーナメントの未来の姿 その2


 以前、バークレーはプロスタッフであろうとなからろうと、トーナメントで上位入賞したら、使っていようがなかろうが、バークレーのルアーやラインを使用したと公式にコメントをしただけで、ボーナスを支払うというプロモーションを展開しました。その年のFLWやB.A.S.S.系のトーナメントでは上位入賞をバークレーが席巻したことはいうまでもありません。
 ボクの知人はある試合で優勝した際のテレビインタビューで正直にロボワームを使用したとコメントしたところ、プロデューサーがカメラをカットして「3000ドル欲しかったら、今のところをバークレーのワームを使ったと言い直せ」と言ったほどです。その知人はロボワームのプロスタッフでもなかったので、ウソをついて3000ドルをもらう選択もできましたが、キッパリと断りました。しかし、これはごくまれなケースです。
 FLWの番組内でも分かる人が見れば、どこのワームかすぐ分かるのに、なんでもかんでもバークレーとテロップが出たこともありました。当時はバークレー自体がFLWのスポンサーでしたから・・・。
 バークレーのような巨大メーカーにしてみれば、本当によく釣れるワームを真剣に開発するよりも、金をばらまいて”バークレーのワームは釣れる”という評判を買う方を選択したわけです。なんとも乱暴なやり方でしたが、これはこれで成功しました。
 しかしながら、資金力のないメーカーはたまったものではありません。せっかく、いいワームをデザイン、開発して、トーナメンターに支持され、ウィニングルアーになっても、公式にはバークレーで釣ったと公表されてしまうわけですから・・・。
 話が少し逸れてしまいましたが、何が言いたいかといえば、今回のツイキャストのようなネット中継が普及すれば、包み隠さず真実が映されるわけで、資金力のない弱小メーカーにとっては望むべき姿なのかもしれません。もちろん、ボク達一般アングラーにとっても真実を知ることができるわけで、トーナメントのあるべき姿だといえるでしょう。ただ、問題はたくさんあります。