トーナメントの未来の姿 その4


 ネット中継は選手がどんな場所でどんな釣りをしているかを赤裸々に暴露してしまいます。エリート戦は決勝まで進むと計4日間の長丁場です。特定の選手だけがネット中継されると、その選手が仮に強力なパターンを見つけている場合、見せたく映像やヒントを他の選手に見せてしまう(知らせてしまう)ことになりかねません。他の選手は奥さんや友人からその日のネット中継の情報を得ることが可能だからです。
 個人的にネット中継を楽しむつもりだったとしても、その映像がインパクトの強いものであればあるほど、ついつい人に話したくなるのが釣り人の性ってものです。ましてや510位と50位で賞金がゼロと1万ドルの差がある試合では、生活の掛かった選手の奥さんなら、黙っていられないはずです。
 エリートプロがコアングラーを同船させて釣りをしていた頃、コアングラーは基本的には試合中に同船したプロの釣りを他のプロに話してはいけないルールとなっていました。しかしながら、実際はプロはコアングラーと部屋をシェアしていたり、コアングラーは特定のプロと仲がよかったり、またはプロの奥さんや親戚がコアングラーとして出場していたりと、このルールはあってないようなルールでした。そういうトラブルや疑念も一因で、エリートシリーズはコアングラー制度を廃止し、マーシャル制を導入しました。
 ネット中継はこれまで以上により詳しい情報が漏れてしまうために、すべての出場選手に同時に行われない限り、厳密に言えば不公平が必ず起こります。ましてや、日本人のアマケンが日本語でアメリカ人トーナメンターのネット中継をした場合、いらぬ誤解や疑惑の矛先が日本人トーナメンターに向けられるとも限りません。
 ボク個人としてはアマケンが提案するトーナメントの未来形には、非常に興味がありますし、その実行力には敬意を表します。今回のクラシックのツイキャスト中継は非常に楽しませていただきましたし、今後も期待したいですが、問題もいろいろあるように感じました。

トーナメントの未来の姿 その4」への2件のフィードバック

  1. GRANBASS

    FlashPeeeeee〜☆様 ボクがコアングラーで出るのも、そういうシークレットな部分を実際に見ることができるからです。それでも、試合は抽選でパートナーが決まるので、みたい選手と必ず同船できるわけではありません。
     全船カメラ搭載の時代がくるといいですよね。それこそが、真実であり、ボクたちが本当に見たいところですから・・・。

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  2. FlashPeeeeee〜☆

    誰もが思う事ですが、近い将来全船にカメラが搭載されるんではないでしょうか?視聴者は見たい選手をチョイス出来る形式に。ブロードバンドが網羅された現在、かなり現実的な話だと思います(バストーナメントに限らず色々な競技で)。
    それに異議を唱えるのは銭で事実を捻じ曲げたメーカーや選手なのでしょう。
    あ!シークレットをシークレットとしておきたい選手もいるやね。
    プロト☆ぷろと♪と前置きして発売されてないブツでさも釣った様に見せかけて購買意欲を煽る輩もしかりね♪
    今の時点では、選手に確認を取って、OKすればいいんじゃないでしょうか?

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