日別アーカイブ: 2016年2月1日

アンタッチャブル その1


フィッシングショーOSAKAを前に、ルアーフィッシング業界のアンタッチャブルに踏み込んで、物申したいことがあります。それはルアーの原産国表示に対する意識です。
多くの日本のメーカー、ブランドのルアーのパッケージをよく見てもらうと分かると思いますが、原産国を表示していない商品が、本当に多いです。もちろん、しっかり原産国を表示しているメーカーもたくさんありますけど。
ルアーは、「JAS法の対象となる飲食料品」と違って、原産国の表示が法的に義務付けられていません。非表示でもそれ自体は問題ではありません。ただ、日本製でもないものをMade in Japanと偽って表示するのは、違法な偽装となります。常識的に考えて、日本製の商品なのにMade in Japanと表示しないメーカーはないと思います。つまり、原産国の表示がないルアーは、外国製と思ってほぼ間違いないでしょう。
今の世の中、他の業種ではたいていの商品は原産国の表示がしっかりされていると思いますが、ルアーフィッシング業界は、原産国非表示がまかり通ります。「●●社も表示してないし、▲▲社も表示してないから、ウチもいいんじゃない?」って感じなんでしょう。日本釣用品工業会なんて団体があるのに、なれ合いで襟を正そうという気配もありません。
断っておきますが、ボクは中国製のルアーがすべて粗悪で、釣れないとは思っていません。iPhoneが中国で組み立てられている今、中国製は品質が低いなんて思っている人は完全に時代遅れです。バンディッドのクランクベイトが中国製になって釣れなくなったなんて話がありますが、ルアー自体のクオリティー(金型の精度、商品の均一性、塗装、コーティング等)はメキシコ製の頃とは比べるまでもなく格段によくなっています。
テッケルの商品は中国で作っています。当然ですがMade in Chinaと表示しています。工場にもたびたび顔を出し、品質のチェックもしていますし、作っている工員達の顔も知っています。商品に対する自信と誇りがありますから、Made in Chinaであることを隠したいなんて思ったこともありません。
それでもこの業界の一部の人たちは、イメージが悪い?からなのか、メーカー側が商品に信用がないのか、原産国を知られたくないようです。
国内で販売するルアーの原産国の表示の義務はありませんが、外国製品を日本に輸入する際、原産国の表示がないと、通関できない(輸入許可が下りない)ことがありますので、パッケージのデザインの際に「表示を入れるのを忘れただけ」は通用しません。通常、原産国非表示の商品はダミーパッケージやバルクで輸入して、パッケージングだけ日本で行っているか、または商品に原産地表示のシールを貼って輸入し、1個1個シールを剥がしてから出荷していると思われます。