理想のフロッグロッド その4


11903304_759652294157624_975837402_n フロッグゲームはフッキング率が悪いというイメージがあります。バイトが目で見える分、フッキングミスをしたときの悔しさも大きく、余計にそう感じる面もあると思います。フッキング率を高める”フッキングの決まる”ロッドというのは、理想のフロッグロッドの核心ともいうべき開発テーマとなります。
フッキングの決まるロッドとは、フッキングパワーが可能な限りロスなくフックポイントに伝わるロッドということになります。フロッグゲームはブレイドラインを使うのが基本です。ラインに伸びがないので、ラインによる伝達ロスは少ないです。その分、必要以上に硬すぎる(曲がらない)ロッドは必要ありません。
ヒシモ等のヘビーなマットカバーの中でフッキングさせたバスを引っ張り出す時などは、パワーのある硬いロッドが必要な場合もありますが、そんなケースでもない場合は硬すぎるロッドはデメリットばかりが目立ちます。
硬すぎる(曲がらない)ロッドとは、渾身の力でフッキングをしたとき、30cmクラスのバスが水面から吹っ飛んでくるようなロッドのことを指します。せっかくのフッキングパワーがフックポイントに伝わろうとしても、バスの口に貫通する前にバス自身の体重が軽すぎて吹っ飛んでしまうので、フッキングは決まらずバレてしまいます。特にバスが完璧にフロッグを咥えたときに限って、ダブルフックのためにフックポイントに掛かるパワーが二等分されて、この傾向が高くなります。これまでこれが原因で何度も悔しい思いをしてきました。
ビックリ合わせではなく、バスがフロッグを咥え持って行ったのを確認して、完璧なタイミングでフッキングをしたときに、ガツンとしっかりバスの重みを感じ、しっかりロッドが曲がってバスを吹っ飛ばさないロッドが理想です。
とは言っても軟らかすぎても話になりません。いつまでも曲がるロッドでは、フッキングパワーをすべてロッドが吸収してしまいます。30cmクラスを吹っ飛ばさないために50cmオーバーをバラしては、本末転倒です。硬すぎず軟らかすぎない、曲がりすぎず曲がらなさすぎない、この微妙なサジ加減がなかなか難しいです。とはいえ、1日がんばって2、3バイトでは、自信を持って答えを出すのには本当に時間が掛かります。
今回は数タイプの硬さや弾性の違うブランクを作製してもらい、テストをして、どんなロッドがNGであるかを再確認することができました。その代償は大きく、60cmクラスを含む、数匹のビッグバスをバラしたほどです。最終的には先月、韓国の爆釣フィールドで、理想の硬さを確信できるまでにテストをすることができました。
ボクはロッド開発に関しては素人ですし、専門知識もありません。プロトのロッドをフィールドで試して、感じたことを伝えることぐらいしかできません。ただ、その開発課程で同じブランクでもガイドの数やリングの口径を変えるだけで、ずいぶん伝達パワーが変わることを知ることができました。
ロッドのトルクも重要です。高弾性の薄くて軽いだけのブランクでは、怖くて力一杯フッキングをすることができません。絶対折れないと思える安心感なしにフロッグゲームはできません。
ちなみに、バスがフロッグにバイトするとき、バスはフロッグを丸呑みに(しようと)して、反転して持っていきます。フッキングをするベストなタイミングはこのときですが、ラインスラックをうまく作れていないと、ロッドが硬すぎるほど、短すぎるほど、ラインを送り込めず、せっかくのバイトを弾かれてしまうケースがあります。ある程度は経験を積んでいくしかないのですが、不意打ちのバイトなんかには、どうしても対応が難しいです。デカイバスほど反転のストロークが大きいので、バイトを弾かれてしまいます。バイトを極力弾かせないというのも、フッキングが決まるロッドの一つの答えでもあります。

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