ボクの得意とするフロッグゲームは、着水後に動かすのは30cm、長くても60cm以内のピンスポットを狙い撃ちするスタイルです。
ボクはボートに乗せてもらってバックシートで釣りをすることも多く、アメリカの試合ではノンボーターで長年釣りをしてきました。当然、好きなポジションでサイドにロッドを振るスペースはなく、遠い距離からスキッピングで狙うより、近距離で前の人が撃ち残した(見落とした)僅かな隙間を一発で決めないとチャンスはありません。そこで必要となるのは低い弾道でピッチングがしやすいロッドとなります。
スキッピングはフロッグが奥に入ったとしても、ラインが途中のブッシュに絡んだりして、うまくアクションさせにくかったり、フッキングの邪魔になるケースがありますが、近距離からのピッチングならフッキングも決まりやすいです。
可能な限り狙いのピンに正確にソフトに落とし、ワンアクションで食わせたときは、本当に気持ちいい瞬間でフロッグゲームの醍醐味です。言い換えれば、ピッチングが決まらないと始まりません。
ピッチングのしやすいロッドは、必ずしもキャスティングやスキッピングがしやすいロッドとは言えません。ロッドは曲がった方がキャストはしやすいですが、ロッドの返りが大きいとピッチングの軌道が浮き気味になってしまいます。また、硬すぎるロッドもピッチングの距離が伸びず、ついつい腕の力に頼り気味になって、浮き気味になったり、コントロール性を失ってしまいます。
アルミボートやレンタル手こぎボートでも、ボートの縁が邪魔にならないロッドの長さをテストしています。
月別アーカイブ: 2015年9月
理想のフロッグロッド その1
ボクはフロッグをやり込んで15年以上になりますが、その間にさまざまなロッドを使ってきました。今でも複数のメーカーのロッドを使い分けています。そして、使い込んでいくうちに、自分の中のフロッグ用ロッドに求めるものが少しずつ変わってきました。
フロッグ用ロッドといっても、スタイルは人によってさまざまです。琵琶湖の沖のウィードの釣り、ヒシモの釣り、アシ際やブッシュを撃つショートディスタンスの釣りなど、スタイルによって求めるものが違ってきます。
ボクが最も得意とするスタイルはショートディスタンスの釣りです。特にボクのディスタンスはかなり短めで、テンポの早い釣りが好きです。
一般的にロッドは、デザインまたはアドバイスするプロの方たち自身の釣りを反映して設計されています。当然といえば当然ですが、彼らはバスボートに乗って、自身がフロントに立って釣りをすることを前提にプランニングします。
スタイルもさることながら、釣り人もさまざまで、すべての人がバスボートに乗ってフロントで釣りをするわけではありません。むしろ、そんな人の方が少数派です。アルミボートユーザーもいれば、レンタルボートユーザーもいます。ハイデッキ仕様の人もいれば、そうでない人もいます。ボートに乗っても常にバックシートの人もいます。3人乗りで真ん中で釣りをする人だっています。エレキを踏むペダルは右足が得意な人もいれば、左足が得意な人もいます。細かいことを言えば、バスボートとひとくくりにしても、実際はブランドによって、浮き姿勢や喫水線が違って立ち位置が変わってきます。
前置きが長くなりましたが、何が言いたいかと言えば、ボクの好きなスタイルのフロッグゲームに、ピッタリなロッドはなかなか見つかりません。言い方を変えれば、ジグ用のロッドにいろいろなタイプのロッドが市販されているように、1本のロッドですべてのフロッグゲームをカバーすることもできません。
日本で最も一般的な7ftのフロッグロッドは長すぎると感じるケースが多々あります。ボクは身長が178cmあって、平均的な日本人よりは高めですが、それでも7ftはロッドティップが水面に近くて扱いにくいケースが多々あります。
よくフロッグをスキッピングしてカバーの奥にビシバシ入れている人を見かけます。キャストが決まるとカッコイイですが、ボクはどうしても必要でない限りはやりません。正直言って、上手でもないです。それよりも、真っ直ぐ狙ったピンのポケットを射抜くピッチングを多用します。正確にソフトに落とす方がバイトも多く、キャッチ率も高く、ポイントを荒らさないという考えからです。もちろん、ピッチングの方がボートの違いやフロントORバックシート、右流し、左流し、さまざまな立ち位置でも、同じキャストが可能でもあります。
実は今、あるフロッグ用のロッドをテストしています。ある縁がきっかけで、ボクが求める理想のフロッグ用ロッドを開発してくれるというので、喜んで参加させてもらっているというわけです。おかげで、今シーズンは例年以上にいろんなフィールドに行って、フロッグばかり投げています。
素人なのでブランクの弾性だとか、素材とか、テーパーとか、マンドレルとか専門的なことはよく分かりません。ボクが求めるものを言葉で伝え、それを形にしてもらい、テストを繰り返して、感じたことをレポートするという地道な作業です。キャストのしやすさとか、アクションの付けやすさはすぐにテスト、比較できますが、実際に魚を掛けるテストはたいへんです。フロッグなんて、1日がんばって2、3バイトあればいい方ですから、なかなか時間が掛かります。