日別アーカイブ: 2006年10月10日

チャター部門アイデア賞


Ncjgbc  ニコルスと言えば、バス釣り歴10年以上の方なら懐かしいメーカーです。スピナーベイトやラバージグなど、かつては日本でも流行った時期がありました。特にカラーブレードのスピナーベイトは今でもボクにとっては現役です。そのニコルスもチャターもどきを作ってしまいました。名前はチャターボックス(同名のスラッゴータイプのワームがあったような・・・)といいます。他のパクリ系と違って、独自のブレード形状とアイデアが興味深いです。チャターボックスの最大の特徴はブレードを縦向き、横向きに付け替えが可能という点です。ブレードを縦向きにセットすると、アクションはタイトウィグルでファストリトリーブ向き、横向きにセットするとアクションはワイドウォブルとなってスローリトリーブ向きとなるそうです。実際に引っ張ったことはまだないので、イレギュラーダートするのかどうか分かりませんが、アイデアは面白いですね。小さい貧弱なフックに目玉付きヘッドで”日本向きにリファインした”なんていうメーカーよりはよっぽど評価できます。

チャターベイトの真実


Chatter  ラド・ルアーズ社のチャターベイトはアメリカで大ブレイクしました。事の発端はすでにご存じと思いますが、今年1月、レイク・オキチョビーで行われたストレーンシリーズでウィニングルアーとなったことでした。その2週間後に行われたFLWツアーでは、プロもアマもこぞって買いあさり、上位フィニッシュした中にもチャターベイトを投げた人が何人もいたそうです。フロリダのあるショップでは1週間で1000個以上売ったという噂です。その後もチャタ-ベイトは大活躍し、ただのガレージメーカーだったラドルアーズは全米からの注文に追われるようになりました。大流行のきっかけは現代のネット社会がもたらしたものでした。数多くのフォーラムで「チャターベイトって何?」「すごいぞ! チャターベイト」といった話題で持ちきりとなり、ラド・ルアーズ社のホームページが動画を配信していたために、ラド・ルアーズは何ら広告を打つこともなく、またたく間に全米で知られるようになったのでした。当然、ルアーの需要と供給のバランスは崩れ、全米で品薄状態が続き、eBay(アメリカ最大のオークションサイト)では一時、1個100ドルを超えるほどの過熱ぶりでした。その後、ギャンブラー社やベノム社をはじめとするハイエナメーカーは驚くほどのスピードでコピー商品を販売し、慌てたラドルアーズ社もOEM発注で大量生産に成功したのでした。今ではウォールマートからバスプロショップまでどこでも大量に売っており、いつでもどこでも簡単に手に入ります。すでにアメリカでは安売りが始まっています。
 実はチャターベイトはすでに数回マイナーチェンジしています。というか、OEMを繰り返す中で、意図せず微妙にヘッド形状やフックアイの位置が微妙に変化してしまったようです。チャターベイトご自慢のイレギュラーダートは、すっかりおとなしくなってしまい、ほとんど別物になってしまいました。そのためなのか、当初ラド・ルアーズ社のホームページでアップされていたイレギュラーダートアクションの動画はホームページリニューアルと同時に完全に消去されてしまっています。今のチャターベイトは動画のような動きをしません。友人の何人かは「今のチャターベイトは買わない」と言うぐらいです。消去された動画を見たい方は下記オンラインショッピングのサイトをご覧ください。

http://www.usacproshop.net/index.asp?PageAction=VIEWPROD&ProdID=854

 オリジナルのチャターベイトがただ引きで強烈なイレギュラーダートの千鳥足アクションをしたのは、ジグフックの縦アイに直付けされたステンレスブレードが大きくウォブリングすることで鉛のヘッド部に接触して不規則にバランスが崩れるためでした。そのため、ヘッド上部のコーティングはすぐに剥げて鉛部分が彫れるほどでした。最新モデルのチャターベイトでも接触はするのですが、当たりが弱いのか、アクションはかなりおとなしくなってしまいました。
 それでは他のコピー商品はどうかというと、これまた合格点はあげられません。フックアイにブレードを直付けするのは面倒なので、横アイにスプリットリングを介してブレードと繋いでいるのです。そのため、ヘッドとブレードの距離が離れた分、全くイレギュラーダートしない駄作まであります。確かにブルブルと震えるだけでも釣れるでしょうが、それだけでは不十分なのです。どこかオリジナルのチャターベイトを凌ぐルアーを作ってくれないでしょうか?